色々な事情で、出来れば人事異動は避けたいという方もいらっしゃるかと思います。ですが、会社や職場にとっての人事異動は能力や適正に合わせて配置する為、会社に利益をもたらす事もあります。よりよい会社作りをする為にも、人事異動は避ける事が出来ません。そんな、会社にとっても大切なイベント「人事異動」は拒否が出来るのでしょうか。人事異動の拒否について、断り方や打診メールの文例を紹介します。パートやアルバイトの人も可能なのかについて述べています。
人事異動とは?
人事異動とは、会社内でおこなわれる人事異動と会社間でおこなわれる人事異動の大きく分けて2つがあります。
- 会社内での人事異動・・・会社音内部で職位変化
- 会社間での人事異動・・・出向・転籍など、グループ会社間
つまり、人事異動は同じ建物内の別のフロアに移動になるケースと、勤務地が変わる(県内もしくは近場など引っ越しが伴わない範囲)ケースがあります。
人事異動の目的とは
- 人材育成
- 適材適所
- 不正防止
人事異動の目的には主に上記の3つがあります。
【異動の目的①】人材育成
多くの職務内容などを経験する事で、当人の技能力をアップさせる効果があります。
【異動の目的②】適材適所
働いているうちに、違う部署のほうが適任ではないかと判断される事もあります。適していない場所で配属されたままでは、会社にとってはもちろん本人にとってもストレスになる事もあります。
【異動の目的③】不正防止
長く同じ場所で働いていると、手を抜いたり関係癒着などが生じ、結果会社の不正につながる事もあります。
人事異動は拒否が可能?
人事異動を知らされた時点で、基本的に拒否する事は難しいと思っておくのが無難です。
それでも人事異動の拒否をしたいというケースは、これらのリスクを承知でしなければいけません。しかし、人事異動の拒否を打診が出来る【正当な理由】があります。
【拒否を打診できるケース①】雇用契約で定められている決まりと異なる
雇用契約書もしくは労働条件通知書などで【勤務地】【職種】が限定されているケース、転勤や業種の変更を伴った人事異動であれば拒否をする事が出来ます。契約書で勤務地などが定められているのにも関わらず人事異動を命じられたケースは、会社側が違反をしている事になります。
【拒否を打診できるケース②】やむを得ない事情がある
- 介護
- 育児
- 病気
上記のように、やむを得ない事情があるケース、人事異動の拒否が出来る事もあります。
例えば
- 親が高齢で介護をする人が自分以外に居ない
- 子供が病気で通院しており、決まった病院でないといけない
- 自分の病気で通院しており、決まった病院でないといけない
ですが、これらの事情があり拒否をしたケースでも、会社によっては拒否を認められない所もあります。いずれにしても、事情の信憑性を上げる為や、状況の説明をする為にも診断書などの資料を事前に揃えておきましょう。
【拒否を打診できるケース③】不当な動機
不当な動機で最も多いのが【上司の嫌がらせ】です。これが明らかになったケースは拒否を認められる事があります。ただし、これらは「不当な動機である事」を証明しなければいけません。上司の嫌がらせによる不当な移動であれば、上司本人に嫌がらせである事を認めさせる必要が出てくる可能性もあります。
【拒否を打診できるケース④】うつ病という「だけ」では拒否は出来ない
うつ病のケース人事異動が出来ると聞いた事がある方もいらっしゃるようですが、基本的にはうつ病という理由だけでは人事異動の拒否の打診は出来ないと言われています。ただし、病状やうつ病の原因によっては、猶予の期間を貰えたり拒否を打診出来る可能性もあります。うつ病などの病気によって、異動が難しいケースまずは上司に相談してみましょう。
【拒否を打診できないケース】パート・アルバイト
パートやアルバイトであっても、人事異動の拒否は基本的には出来ません。一般的にはパート・アルバイトのケース勤務地が限定されている事が多いので、一度雇用契約書や労働契約書などをチェックしてみて下さい。
【打診メールの文例】人事異動の断り方
件名:人事異動について
〇〇専務
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
先般、打診して頂いた人事異動の件なのですが、入社時に異動が出来ない旨を伝えさせて頂いております。
お声がけ頂き大変感激しておりますが、ご期待に沿えず申し訳ありません。
現在所属している部署で取り組んでいる〇〇に集中し貢献出来るよう頑張ります。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
〇〇 〇〇(氏名)
件名:人事異動について
取締役社長 〇〇 〇〇
お疲れ様です。
〇〇部の〇〇です。
先般、○年○月○日付けの辞令により、本日○月○日をもって〇〇への異動を命じられました。お声がけ頂き大変感激しておりますが、下記の理由により〇〇での勤務は困難であります。何卒ご再考の上、辞令の撤回をして頂けますようお願い申し上げます。
記
- 要介護の父(80歳)と同居。夫婦で自宅介護にあたっています。
- 高校1年生と高校3年生の息子がいます。
- 従って、家族同伴の転勤が不可能であります。
以上
必ず、異動の声掛けをして頂いた事にお礼を一言伝える事を忘れないようにして下さい。また、冒頭でもお話した通り基本的には異動を断る事が出来ません。どうしても断りたいケースは、何かしら自分にとって不利益な事が起こる可能性も覚悟して伝えなければいけません。また、メールではなく出来れば口頭で伝える事をおすすめします。
異動は基本的に断れない…!拒否打診メールは断り方を慎重に考えて!
人事異動は大きく分けて2つがあり、基本的にはどちらであっても拒否を打診する事は出来ません。
- 会社内でおこなわれる人事異動
- 会社間でおこなわれる人事異動
家族の介護や病気などが理由で異動が難しいケースは拒否が認められる事もありますが、仮に拒否が通ったとしても、減給や降格、解雇の可能性も考えられます。また、雇用契約書や労働条件通知書などで勤務地や職種が限定されているような内容が記載されているのであれば拒否の打診が可能です。そのようなケースは「雇用契約書に記載されている通り…」と、断りのメールの文章に入れると良いです。