先方が精神的に疲れていたり、怪我や病気で入院したりしている時に活用される言葉が「ご心労お察しします」です。社会人やビジネスに関わる人なら覚えておきたいところ。そこで今回は「ご心労お察しします」の使い方や注意点や言い換えetcを詳しく紹介します。決して難しくはないので、ぜひこの機会に正しい使い方をマスターして下さい。
「ご心労お察しします」の意味とは?
お見舞いの文章や言葉として活用される「ご心労お察しします」。意味は少し複雑なので、しっかり分解して解説していきます。
「心労」の意味
精神的な疲れや心配事が多いや心の苦労といった意味を持っています。気疲れやメンタル面での苦悩がある状態です。さらに「心労」はそういった心の疲れが身体に影響を及ぼして病んでしまっている事を表します。
「察し(さっし)」の意味
ネットコミュニケーションでも活用される言葉なので、知っている人も多いです。推し量るや推測するという意味です。分かりやすくすると、先方の気持ちや事情を知って同情するとなります。
「ご心労お察しします」の意味
上記2つの言葉を合わせた「ご心労お察しします」の意味は以下の通りです。先方の苦悩や心の疲れを推し量り、同情する。つまり気を病んでいる人や精神的にキツい状況に立たされている人に対して活用する言葉なのです。
意味を理解すれば、決して難しい表現では無いです。
使い方や例文
意味の次は実際の使い方や例文を解説していきます。
- ご心労のほどお察し申し上げます。
- 〇〇様が病気により入院したとお聞きしました。ご心労お察しします。
- 新たな環境での挑戦、並々ならぬ苦労の連続だと思います。ご心労お察しします。
- この度の〇〇の事、ご心労お察しいたしますと言葉が見つかりません。
- ご家族が療養中との事、ご心労お察しします。
- ライブが中止になってしまった事、ご心労お察しします。
上記のように活用します。難しく考えてしまいますが、きちんと理解していればより有意義に活用出来ます。一般的にはお見舞いの手紙や何か良くない事があった人へのメッセージに活用されるものです。
つまり、先方が「心労」していないなら活用出来ません。
ただの冒頭文や挨拶の言葉と勘違いしないようにして下さい。
注意点
心配や同情の意味がある「ご心労お察しします」。お見舞いや何かあった人に対して活用する言葉だからこそ、きちんと活用出来なければいけません。
注意点について紹介するので、覚えておいて下さい。
先方の事情を知った上で活用する
まず「ご心労お察しします」は先方に何があったか知らないと活用出来ない、という点です。文章で活用する際は基本的に理由を書いてから付け加えます。その為、理由や状況も知らないまま言うと失礼です。
ただ「ご心労お察しします」だけだと受け手は「この人何があったか分かってる?」となります。文字通り、事情を察せているから活用出来る挨拶です。
先方の立場や性格を考慮
次は目上の人に活用する時の注意点です。「ご心労お察しします」は丁寧ですし、気遣いなので活用する事自体は失礼ではありません。
しかし本当に余裕のない人や追い詰められている人からすればうっとうしく感じてしまいます。「何が分かる!?」「同情はいらない!」と反発してしまう人もいらっしゃいます。それに目上の人からすれば目下から心配される自分にイラついてしまう事も。活用する際は先方の性格や状況をしっかり理解しておいて下さい。
プライドが高すぎる人や、一人で過剰に抱え込んでしまいがちな人には活用しない方が無難かもしれません。
せっかくのねぎらいの言葉が、かえって先方を不快にさせてしまったり、お互いの人間関係にヒビを入れてしまうようであれば活用しないようにして下さい。
類語や言い換え表現
「ご心労お察しします」はビジネスシーンやお見舞いの手紙で活用出来ます。しかし、先方の年齢に合わせて言い換えた方が気持ちが伝わったり、シーンによっては違う表現が向いていたりします。意味的にも類語や言い換えの表現は沢山あります。
覚えておけば状況に合わせて活用出来るようになりますし、引き出しは多い方が良いです。
ご心痛(ごしんつう)
ご心痛とは字の通り心が痛む事を表わす言葉です。使い方は「ご心労」と同じではありますが、もっと固く重い表現になります。
お悔やみの場で活用されるのが一般的です。
普段使いには向いていません。
心中(しんちゅう)
心中も字の通り気持ちや心の中を意味します。
「ご心労」にかなり近い使い方が出来ます。
こちらも葬儀etcお悔やみの場で活用される事が多いです。
しかし、心痛と違って先方が落ち込んでいるシーンであれば活用出来ます。
胸中(きょうちゅう)
胸中の意味は胸の中。
気持ちや本心や抱えている不安etcを表わす言葉です。
「ご心労」の類語の中でも比較的同じように活用出来ます。
気苦労(きぐろう)
心配や気を配る苦労を表わす「気苦労」も「心労」の類語です。
「気苦労お察しします」と活用出来ます。
その気持ち、お察しします
言い換えの表現です。「心労」の部分を「その気持ち」にする事で、緩いシーンにも当てはまります。しかし、先方にとっては精神的に辛い状況なので、活用する際はどう受け取られるかを考えるようにして下さい。
その気持ち、分かります
友人や親しい先輩であれば、このくらい崩した表現で問題ありません。むしろ「心労」を活用した方が先方はポカンとしてしまいます。寄り添うように言ってあげて下さい。
一緒に覚えておきたい「心労」の使い方
実は「心労」は様々なシーンで活用出来るので、覚えておくといざという時安心出来ます。ではどのように活用するのか?例文と共に解説していきます。
嫌な事ばかりで心労が重なる
精神面の疲れが溜まっていく…という表現です。自分が先方に対して負担を与えているなら「ご心労を重ねてしまい申し訳ございません」という使い方も出来ます。
ご心労をおかけしました事、深くお詫び申し上げます
取引先の会社や顧客に迷惑を掛けてしまった際の表現です。謝罪に「ご心労」を入れる事で深く反省している感が出せます。もちろん個人間のコミュニケーションでは「ご心労おかけしました」と活用するのもOKです。
心労が絶えない
精神的に嫌な事が絶えない時の表現です。「繁忙期という事もあり、ご心労が絶えないでしょう」という風に活用します。ちなみに「ご心労」は大げさな表現なので、自分自身に対して活用するのはよほどの時にして下さい。類語には「ストレス」「苦労」「心配」etc広く活用されているものが多いので、言い換えて下さい。
先方を労う気持ちを込めて
先方が辛い時や何かあった際にはお見舞いや励ましの言葉を掛けた方が良いです。寄り添われると気が楽になりますし、こうした助けは巡り巡って自分に返ってきます。この機会に「ご心労お察しします」を正しく活用出来るようになると良いです。
それでは最後に記事の重要ポイントをまとめます。
- 「ご心労お察しします」は先方の苦悩や心の疲れを推し量り、同情する事
- 「ご心労お察しします」は先方の事情を知らないと活用出来ない
- 目上の人や本当に余裕がない人に言うと反感を買う事がある
- 「心労」はさまざまなシーンで活用出来る
このような言葉を言う機会が無いに越した事はありませんが、人と関わる上では必ず来ます。そんな時に「ご心労お察しします」と掛けられるよう、しっかり覚えておいて下さい。