言葉・意味・使い方

「謹啓」「謹白」とは?ビジネス文書での使い方や注意点や例文を紹介!他の頭語および結語である敬具や拝啓も紹介!



「謹啓」「謹白」とは?ビジネス文書での使い方や注意点や例文を紹介!他の頭語および結語である敬具や拝啓も紹介!

最近では、とくにプライベートではSNSやメールなどの方法でやり取りされることが主流となっており、手紙を書く機会がかなり減ってきています。ですが、ビジネスシーンでは現在でも書面でのやりとりがたくさんされています。他にも結婚式やイベントなどの招待状の多くは書面でのやり取りがされています。

普段使わない書面でのやり取りですので、ビジネスシーンなどで正式な文書を出す際に「書面のビジネスマナー」を知らずにいると「この人はビジネスマナーの常識も知らない人」と思われてしまう恐れもあります。

ビジネス文書でのやりとりの中でもよく使われている「謹啓」「謹白」の使い方について、注意点や例文などを紹介します。他の頭語および結語である敬具や拝啓も紹介しています。

「謹啓」「謹白」とは

「謹啓」とは、手紙のはじめに書く挨拶(頭語)の言葉です。「謹んで申し上げます」という意味があります。そして「謹白」は手紙の終わり(結語)に書き「謹啓」と同じく「謹んで申し上げます」という意味があります。ビジネスシーンでは謹啓・謹白のような「頭語・結語」が文書のやりとりの挨拶で使われます。

「謹啓」「謹白」の使い方

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「謹啓」「謹白」は基本的には初めて文書を送る相手や御礼状を送る相手に使われている事が多いです。

その他にも

  • 社名の変更
  • 会社幹部の就任や退任
  • 本社の移転案内
  • 会社設立の案内
  • 見積書
  • 契約書

このなかでも、ビジネスシーンでは見積書や契約書など重要な書面の作成を依頼する際によく使われます。「謹啓」「謹白」は相手へ「敬っている」ということを示して、文書を気分良く読んでもらいたいときに使うことをおすすめします。

「謹啓」「謹白」の使い方の注意点

「謹啓」「謹白」を使う前に、以下の注意点についてチェックしておきましょう。

「謹啓」「謹白」はセットで

「謹啓」「謹白」にかぎらず、頭語・結語には決められたセットがあります。例えば「拝啓」とつく手紙には必ず結語が「敬具」となっていますよね。コレはセットで使う必要があるからです。そして「謹啓」は「謹白」以外にも「敬白」や「謹言」で結ぶ事ができます。

最近では「謹啓」「謹白」よりも「謹啓」「敬白」のほうが一般的に使われているようですが、謹啓は改まった頭語を受けるのに対して「敬白」は最適な結語ではないと言われることもあるようです。完全な間違いでは無いのですが「謹啓」「謹白」とするほうが無難なので覚えておいてくださいね。

謝罪の手紙を送る場合

かしこまった文書を送る際に「謹啓」「謹白」を使うといいと説明しましたが、謝罪の手紙の場合は、前文を省略する「前略」「急啓」を使うのが一般的です。もちろん「謹啓」「謹白」でも問題ありませんが、謝罪の言葉をいち早く伝えることが大切になるので、丁寧な前文をかくよりも早急に本題へ入る方が適切だと言われています。

「謹啓」「謹白」以外の頭語・結語

頭語・結語には、謹啓・謹白以外にもいくつかあります。

種類 頭語 結語
一般的な手紙
  • 拝啓
  • 拝呈
  • 啓上
  • 啓白
  • 一筆申し上げます
  • 敬具
  • 拝具
  • 啓白
  • かしこ(女性のみ使用可)
丁寧な手紙
  • 謹啓
  • 謹呈
  • 恭敬
  • 粛啓
  • 謹んで申し上げます
  • 敬白
  • 謹言
  • 謹白
  • 粛言
  • かしこ
前文を省略する手紙
  • 前略
  • 冠省
  • 略啓
  • 寸啓
  • 草啓
  • 前文お許しください
  • 前略ごめんください
  • 草々
  • 早々
  • 怱々
  • 不一
  • 不備
  • 不尽
  • かしこ
急用な手紙
  • 急啓
  • 急呈
  • 急白
  • 取り急ぎ申し上げます
  • 草々
  • 早々
  • 怱々
  • 不一
  • 不備
  • 不尽
  • かしこ
初めて手紙を出す相手
  • 拝啓
  • 謹啓
  • 拝呈
  • 初めてお手紙差し上げます
  • 敬具
  • 謹白
  • 謹言
  • かしこ
返信の手紙
  • 拝復
  • 復啓
  • 謹復
  • 謹答
  • 敬答
  • 拝答
  • お手紙拝見いたしました
  • お手紙ありがとうございます
  • ご返事申し上げます
  • 敬具
  • 拝具
  • 敬白
  • 謹白
  • かしこ

手紙でも一般的に使われるのは「拝啓」「敬具」ですが「拝啓」「敬具」よりも丁寧で敬意が高いと言われるのが「謹啓」「謹白」なので、一般的なビジネス文書よりも改まった文書や初めての相手に送る文書の場合には「謹啓」「謹白」を使うといいですよ。

「謹啓」「謹白」を使う際のポイント

「謹啓」「謹白」を使う際には以下のポイントをチェックしておきましょう。

  1. 本文に入る前に頭語を
  2. 頭語の後は1マス空けてから
  3. 結語は本文の最後に【改行】して
  4. 末尾からは1マス空けて結語を

これらを意識して「謹啓」「謹白」を使うようにしましょう。

「謹啓」「謹白」を使った例文

「謹啓」「謹白」を使った例文をご紹介いたします。

【例文】見積書送付の手紙

謹啓 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、先日ご依頼を頂いておりました〇〇の商品についてのお見積書が完成いたしましたので、お送りいたします。

ご査収のほどよろしくお願いいたします。

ご不明点などがございましたらご連絡くださいませ。

謹白

見積書:1枚
以上

【例文】見積り依頼の手紙

謹啓 貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、この度弊社にて貴社の製品〇〇を取り扱いたい旨を検討しております。

つきましては下記のお見積りを頂きたくお願い申し上げます。

謹白

  1. 〇〇
  2. 〇〇
  3. 〇〇

以上、何卒よろしくお願い申し上げます。

【例文】事務所など移転の手紙

謹啓 時下、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

平素は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、このたび令和◯年◯月◯日より弊社事務所を下記の通り移転することになりました。

何卒今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。

謹白

新住所:
電話:
FAX:
〇〇株式会社
〇〇
以上

ビジネス文書で「謹啓」「謹白」をはじめとする頭語や結語を正しい使い方で使いこなそう!

「謹啓」「謹白」は一般的なビジネス文書よりも改まった文書を出す際に使うといい頭語・結語です。頭語・結語には様々な種類があるので、どれを使ったらいいのかなど使い方に悩むかもしれません。悩んだら「拝啓」「敬具」相手に対してより敬意をはらいたい場合や、改まった内容の文書を出したい場合は「謹啓」「謹白」を使うと覚えておきましょう。