嘆願書は会社や役所や刑事事件と幅広いビジネスシチュエーションで使われる事のあるドキュメントです。嘆願書はそう頻繁に使われている書類では無いので「知らない」という方も多いかと思います。
嘆願書は何かを依頼したい際に使われる書類なのですが、具体的に何を記述すればいいのか、書き方がわからない方もいます。書き方や注意点を主に紹介します。署名もお忘れなく！
嘆願書とは？
取引先などの相手に実情を説明し、何かをお願いする為のドキュメントの事を言います。例えば「総理大臣に嘆願書を提出する」など、事情を詳細に伝えながら熱心に依頼をする事も含みます。その他にも、検察庁に「釈放」をお願いする際や、区役所に何かを訴える際にも使われる事もあります。
ビジネスシチュエーションでは、会社に対するセクハラ・パワハラの告発ドキュメントとしても使われる事があります。いずれにしても、法的効力はありませんので嘆願書を提出したからと言って、要求が必ず通る事は約束出来ません。
嘆願書が使われる主なシチュエーションとは？
- セクハラ
- パワハラ
- 不当解雇
- 刑事事件
- 行政・司法
主に上記の5つで使用される事があります。見てわかる通り、頻繁に使われるようなシチュエーションではないので書き方がわからないという方が多いのもうなずけますよね。
セクハラ・パワハラの嘆願書
セクハラ・パワハラの嘆願書は会社に対して提出する必要があります。この場合は以下の2つを具体的に記述する必要があります。
- いつ・誰から・どのような内容のセクハラやパワハラを受けているのか
- 上司に報告はしたけど、改善されていないなどの現状
不当解雇の嘆願書
会社での不当解雇を受けた場合で、解雇撤回の申し入れをする場合に嘆願書を作成します。
- 解雇事由を満たしていない、不当解雇にあたる内容
- 解雇撤回を要求する
刑事事件の嘆願書
刑事事件で使われる嘆願書の多くは、被害者が加害者に対して減刑をお願いする際に作られます。加害者がしっかりと対応してくれた場合や反省の色が見えた場合に示談が成立する事があります。この場合に提出します。
行政・司法の嘆願書
行政や司法の取り決めについて、地域住民などが不満を感じた際に行政に対して提出されます。この場合の嘆願書は、住民の思いをまとめているドキュメントになるので多くの署名を集める必要がある場合もあります。
再開発に対して理不尽な立ち退きの命令があった場合や、利便性だけを追求した環境破壊などについて意見がある場合に、意見がある方々の署名を集めて嘆願書が提出される事があります。
嘆願書の書き方
決められている様式などはありません。書き方も自由なのですが、公的機関に提出する正式なドキュメントになりますので、最低限の書き方はチェックしておく必要があります。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
【書き方①】タイトル
簡潔にタイトルを付ける必要があります。例えば、セクハラに対する場合は「セクハラにおける被害・再発防止に関する嘆願書」解雇の撤回を求める場合は「解雇撤回嘆願書」のように「明確」かつ「簡潔」に記述するようにしましょう。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
【書き方②】作成年月日を記述
作成した年月日を必ず記述しましょう。記述しなければ、いつ作成して提出されたのか不明な為に対応が遅れてしまうおそれがあるからです。日付を書いておけば相手の対応が遅れてしまっていていたり、回答が得られていない場合に再度問い合わせる「証拠」にもなります。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
【書き方③】嘆願内容の記述と相手への要求
まずは誰に対しての嘆願書なのかを明記して下さい。宛先は必ず正式名称で記述して下さい。例えば「㈱」ですが、これは略しているので「株式会社」とするのが正しい記述方法です。そして、なぜ作成する事になったのか、経緯や理由を記述して下さい。
例えば「◯年◯月◯日に提示された解雇通知が、労働基準法で定められている解雇事由を満たしていません。」「～～に対する威力業務妨害事件において、すでに示談が成立しております。」などです。そして、相手への要求を明記して下さい。
要求を記述する際は「なぜこまっているのか」「どうしてもお願いしたい事」を具体的に記述するようにしましょう。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
【書き方④】自分の情報の記述
最後に誰が作成したのかを記述します。記述する内容は最低限下記の3つについての記述をしておきましょう。
- 住所
- 氏名
- 押印
押印は氏名の横で、印鑑は認印でも問題ありません。曖昧な記述ですと受付拒否をされてしまう恐れもあるので、しっかりと正しい情報を記述するようにしましょう。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
嘆願書の注意点
作成する際に注意しなければいけない事は以下のとおりです。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
【書き方の注意点①】過度な要求はNG
相手への要求について明確に記述する必要があります。ただし、過度な要求をしてしまうと本当に困っているのかどうかが伝わりにくくなります。大きな要求はせずに「本当に困っている事」「どうしてもお願いしたい事」を絞って記述して下さい。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。
【書き方の注意点②】長過ぎるのはNG
内容を具体的に書こうとしてしまうと、長くなりがちです。伝えたい事が複数ある場合は、まずメモ用紙などに優先順位順に並べて、上位のものから選んで記述して下さい。会社でも役所でも刑事事件でも同様です。また、どうしても複数伝えたい事がある場合は、箇条書きにするなどして記述するとコンパクトにまとめる事が出来ます。
会社や役所や刑事事件と幅広い状況で欠かせない嘆願書は書き方に慎重になって書こう！
嘆願書は会社や役所や刑事事件と幅広い状況で何かをお願いする際に使用されるドキュメントです。決められた様式はありまんが、内容や理由、何を要求しているのかがしっかりと伝わるような内容にしなければ、採用されない可能性もあります。
嘆願書はあまり使われていないドキュメントなので、書き方を知っているという方はあまりいないと思います。いざというときにしっかりとした嘆願書を作れるように、ぜひ参考にして下さい。
