自営業の方やフリーランス、またサラリーマンの方であっても副収入がある場合は確定申告を行なう事があるでしょう。確定申告は今はインターネット(e-tax)でも手軽に申告出来るようなっていますが、書類に記入しながら作成するという方もまだまだ少なくありません。
税理士や司法書士に頼らずに、自分で作成する場合は収支内訳書などの細かな部分まで作成する必要があります。一体、収支内訳書とはどのような文書なのでしょうか。収支内訳書の書き方や作り方、テンプレート等について説明します。
収支内訳書とは?
収支内訳書とは、白色申告にて確定申告を提出する場合に提出を求められる書類のひとつです。
収支内訳書は白色申告で必要!
白色申告とは、通常、青色申告以外の事を通称として白色申告と言い、正式名称ではありません。青色申告に適用される租税特別措置法が適用されない為、白色申告の方が収める税額は高くなります。個人事業主の方などが 自らの収入を申告する際に必要になる書面であり、その事業収入の内訳を記入する為に必要になります。基本的には、給与所得者のように源泉徴収票などがあった場合は収支内訳書を提出しなくても良いです。
収支内訳書は二枚構成!
一般事業者が収支内訳書を作成する場合、以下の二枚構成となっています。
- 売上や費用を記入するもの
- 一部の科目の内訳を記入するもの
3種類の所得を考慮した書き方や作り方で作成!
収支内訳書は3種類の所得を選定して記入しなければなりません。白色申告する所得に以下の所得がある場合に、収支内訳書を作成する必要があるのです。
- 事業所得
- 不動産所得
- 農業所得
収支内訳書には以下の3種類があり、それぞれ所得に応じた用紙を使用します。
- 一般用
- 不動産所得用
- 農業所得用
事業所得がある場合は一般用を!
「事業所得」があった場合は、「一般用」の用紙を使用します。事業所得のチェックポイントは以下の通りです。
- 社会通念上、事業所得と言い得るか
- 営利性や有償性があるか
- 事業遂行性があるか
- 取引に傾注しているか
- 継続性や反復性があるか
不動産所得がある場合は不動産所得用を!
「不動産所得」がある場合は収支内訳書の不動産所得用を使用します。不動産である土地
やアパートやマンションを貸し付けて賃料や更新料を得た所得は不動産所得となります。
しかし、不動産物件そのものを売却して利益を得た場合は事業所得や譲渡所得にあたる為、不動産所得用ではなく事業所得の収支内訳書を使用する事になります。
農業所得がある場合は農業所得用を!
「農業所得」がある場合は、農業所得用を使用します。種苗費や農具費といった農産物に関する経費があらかじめ項目として用意されている為、農業所得者にとって記入しやすい用紙となっています。
収支内訳書の損益の書き方や作り方
収支内訳書には多くの記入欄が存在しています。その為、初めてだったり、複雑過ぎてよく分からないという方も少なくないでしょう。しかし、収支内訳書に明確に書き込む事で申告漏れなどが無くなり、更には得をする場合もあるのでしっかりと記入しておきたいポイントです。
表部分の収入や費用の書き方
まず、収支内訳書の表部分の収入や費用の書き方を説明します。
表の左上部には、収入の金額と売上の原価という項目が存在しています。収入金額はそのまま事業に置ける売上ですが、売上原価は期首棚卸の額に期間中の仕入れを足した後、期末棚卸額に引いている額の事になります。どれだけ仕入れをして結果的にどれだけの売れたのかという事ですので、売上に対応する原価を導き出せる項目と理解しておくと良いでしょう。
ただし、業務によっては仕入れがない事業も多くあります。このような場合は、売上原価の部分への記入は特に必要がないので無記入でも問題ありません。
書き方や作り方は多くのパターンを把握しておくのが安心!
上記のように説明しましたが、収支内訳書の損益の書き方については当サイト以外のサイトも見てみる事をおすすめ致します。1つのサイトの情報だけだと情報が少ないので、本当に自分が欲しい収支内訳書の損益の書き方かどうか判断しずらいです。
複数のサイトを見る事によって、収支内訳書の損益の書き方について理解が深まりますし、自分が欲しい収支内訳書の損益の書き方が分かるようになります。パターンで覚えるのも良いですが、なるべく収支内訳書の損益の書き方や作り方の本質を理解するようにしましょう。
収支内訳書の経費は?
確定申告にてもっとも注意すべきは、経費の部分です。業種によっても何が経費となり、何が経費とならないかは常に悩ましいポイントでしょう。収支内訳書の経費部分は、経費としてかかったものを記入していきます。この記入によって売上からその分が削減される為、節税対策となる事は間違いありません。
しかし、不正な経費を記入するとのちのトラブルに発展する事もあるので要注意です。バランスよく経費を計上出来るように記入していく事が求められます。
収支内訳書の経費について詳しく書き方を説明していきます。そもそも経費とは事業を営む事に対しての必要な費用の事ですので、これを基準に考えていけばどれが私費でどれが経費かというのは見えてきます。
収支内訳書の経費の項目は?
まず、収支内訳書の経費部分に出てくるのが給与賃金です。従業員に支払っている給与、または賃金の事になります。
そのほか、外注工賃や減価償却費、貸倒金、租税公課、広告宣伝費、水道光熱費なども経費として記載出来る欄があるのでそちらに記入しておきましょう。
また、打ち合わせなどが多い方などは接待交際費、損害保険料、消耗品費なども経費となるので取っておくと便利です。
しかし、どれがどの経費として落ちるのかなどは、難しい判断となります。
下記が経費になるものです。
- 給料賃金…従業員の賃金
- 支払利息…借入金の利息など
- 外注費…仕事を外部に発注した費用
- 通信費…切手やはがき代、電話料金、インターネット回線使用料
- 貸倒金…回収出来なかった売上金
- 交際費…取引先への贈答品代、冠婚葬祭の祝儀、飲み代など
- 租税公課…事業税、収入印紙や固定資産税
- 支払保険料…事務所の火災保険など
- 福利厚生費…従業員の健康診断にかかる費用、社員旅行や飲み会などの費用
専門的な内容になっていますので、どの経費がどの勘定科目になるのかなどは記入する前にしっかりと下調べをして、さらには税理士などに相談すると安心して計上して出来るようになるでしょう。
経費の内訳について
収支内訳書の経費の内訳を見てきました。しかし、そこに様々な注意点があるので詳しく説明します。
給与賃金の内訳
まずは、給与賃金における内訳の部分です。ここは、従業員に支払った金額を記入するのですが、源泉徴収額の合計の記入も必要になってくるので注意して下さい。
さらに、従業員が数多く存在している場合は従業員の給与や源泉徴収などをしっかりと把握しておく事が重要になっていきます。
売上や仕入れの内訳
次に注意すべき点が、売上や仕入れの内訳になります。白色申告においては、売上先と仕入先もしっかりと記入し、さらにはその所在地なども記入する項目を埋める必要性があります。相手先の情報もしっかりと理解しておく必要性があるでしょう。
減価償却費の内訳
減価償却費の内訳にも注意しましょう。恐らく、ここがもっとも大変な部分になります。これらは、建物だったり高額な品物を購入した際における処理の項目です。基本的高額といっても、1点が10万円を超えてしまうと資産となります。その為、一気に経費として計上しても認められない恐れがあります。何年かに分けて作成するなど、償却方法や耐用年数などをチェックするなど、細かな部分まで確かめておく事が求められるのではないでしょうか。
利子割引料の内訳
次に、利子割引料の内訳です。こちらは、借入金における利子を記入する項目です。金融機関以外での借入があった場合の利子を記載する欄ですので、銀行などの利子では対応出来ません。
更に詳しく経費について知りたい方はインターネットで広く調べましょう!
このように当サイトでも紹介していますが、自分に置き換えた時に、どのように内訳をすれば良いのか分からない場合は、インターネットで調べるというのも1つです。1つのサイトを信じるのではなく、自分の調べたい事に関連するサイトを複数見る事をオススメしています。複数見る事で、経費の内訳について理解が深まりますし、どのよに処理するのかが見えてきます。
税理士に丸投げしてしまうのも良いのですが、事業を取り組んでいく時に、まずは自分で理解していくという事も必要でしょう。十分知識を得た上で、税理士を使って作業する際に自分の考えをしっかり伝える事が出来ます。
収支内訳書のテンプレートの利用も視野に入れよう!
収支内訳書を作成する際、非常に項目が複雑化している事からも間違いが多く発生する可能性があります。さらに、全てをいちから作成するとなるととても大変でしょう。中には、全てを自分で作成したいという事でエクセルから表を全て作る方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そのような事をしていたら確定申告に間に合わなかったり、公的な書類と認められない場合もあるようです。インターネット上には収支内訳書のテンプレートなどもありますが、基本的には公的な場所からダウンロードしたもので作成するのが一般的でしょう。税務署などでも用紙をもらう事も出来るので、そちらを利用して該当する項目に記入していくという書き方や作り方を心掛けましょう。
上記のように収支内訳書は、指定のテンプレート用紙が各市区町村で決められています。
国税庁のHPにおけるe-taxを使った書き方や作り方も便利!
収支内訳書を作成する場合、用紙を印刷して手書きで記載していかずともネット上で手軽に作成出来ます。
国税庁のホームページでは、収支内訳書を作成する事が出来るe-taxがあり、そこにキーボードなどで該当する項目を埋めていくだけで書類としてプリントアウトする事が出来るので便利です。収支内訳書をインターネットで出来る為、何度も直す事が出来るので安心して作成出来ます。基本的には、最終的な還付金などは機械計算でやってくれるので難しい事を考える必要性はありません。
e-Taxソフトとは青色申告決算書や収支内訳書、勘定科目内訳明細書など利用する人が自分で作成する書類でフォーマットが決まっているものは、e-Taxソフトで作成出来ます。このe-Taxソフトは、税理士事務所で使用されています。インターネットで、申告が出来ますので、非常に便利なソフトとなっています。現在は、ほとんどこのソフトが利用されていますので、個人でやられてる方もダウンロードして使い方を調べておくのも1つです。
また、確定申告に対応している会計ソフトなども存在している為、そのようなソフトを用いた書き方や作り方を取るという手段もあります。手書きでひとつずつ作成すると時間がかかる上に、ミスなども多発してしまう恐れがあります。安心して収支内訳書を作成する為にも、ミスの少ない方法で作った方が良いのではないでしょうか。
収支内訳書の作り方や書き方は正確さが大切!
収支内訳書は、その年の収入や経費などを記載して国に提出する書類です。その為、間違ったりミスがあると問題が発生します。自分で適当な感覚で作成するのではなく、税理士などに相談したり、早めに対応して処理する事をおすすめします。ぜひ、収支内訳書の正しく書き方や作り方を身に付けましょう。
インターネット上に収支内訳書の詳細な書き方を順序立てて紹介しているサイトも複数存在しています。そういうサイトを見ながら1つ1つの項目に対して自分に置き換える事で、正確に数字などを記入し行く事が出来ます。何か分からない項目があれば、また調べる事でどのような意味合いで記載しなければいけない項目なのかも見えてきます。