ビジネスシーンで以外に悩んでしまうのが、上司や部下、同僚への呼び方です。社外に向けて自らの会社の人間を紹介する際は、「〇〇は…」といった形で呼び捨てが一般的なのでよいですが、社内や会食などで呼び合う際は、役職名で呼ぶべきか名前で呼ぶべきかと悩んでしまいます。ビジネスマナーにおける「さん付け」の是非について考えていきます。
ビジネスでさん付けする場合は?
ビジネスの場で、誰かにさん付けをするシチュエーションとはどんな機会なのでしょうか。
上司や同僚の異性など
ビジネスの場でさん付けをする場合、基本的には同僚の異性や上司といった形かもしれません。とくに上司を「〇〇部長」などと肩書きで呼ばない会社も少なくなく、当たり障りない呼び方として浸透しています。また、ビジネスマナーとして近年、異性間やジェンダーへの配慮も重視される傾向にあるでしょう。
その際、あまり近しい仲ではないのに以下のような呼び方をしてしまうのは古い感覚だといわざるを得ません。
- 呼び捨てで呼ぶ
- 下の名前で呼ぶ
- 見た目が同性だから呼び捨て
全員にさん付け
一方、誰に対してもさん付けを使う方もいるでしょう。それは部下でも当然ですし、上司だろうが役職構わずにさん付けするといったマナーです。基本的にビジネスマナーとして、とくにさん付けで呼ばなければならないといったものはなく、もし自分がさん付けで呼びたいのであれば自由に呼んでも構わないでしょう。
さん付けが違和感を与える場合
ビジネス的には、部下や上司問わずさん付けを利用しても問題ないとされています。上記でもお伝えしたように、近年ジェンダーの問題も出てきている事から、さん付けを徹底する事自体がビジネスマナーの基本になりつつあるほどです。
しかし、一方であまり使い方やシチュエーションによっては相手に違和感を与える事があります。例えば、上司へのさん付けです。普段、明らかに業務上で立場が違っている相手にさん付けされると、上司としては違和感を感じざるを得ないといった場合があります。
尊敬しているようなイメージもある一方、やや距離感が近い印象も抱くでしょう。例えば、「〇〇社長ですね。少々お待ち下さい」といった対応と、「〇〇さんですか?少々お待ち下さい」といわれた場合、後者はかなり距離感が近い印象を抱きます。
さん付けは危険といった意見
上記のような事例もありますが、基本的にビジネスシーンでさん付けの利用にメリットは多いといわれています。互いの距離感が離れ過ぎないイメージですし、縦社会といった感じがしない事から意見がいいやすい社風となるからです。
さらに、相手の肩書きに縛られる事なく話が出来る事から、より新しい発想を生み出しやすいといったメリットもあるでしょう。しかし、一方でビジネスの場での利用は危険といった意見もあるようです。一体、どういった事なのか解説します。
【さん付けで呼ぶリスク①】平等といった弊害が生まれる
上記でお伝えしているように、さん付けの利用で互いの立場を超えて話が出来るメリットがあります。とくにアイデアを生み出す事が仕事の業種の場合、あまりにもヒエラルキーが徹底されていると、アイデアの動脈硬化を起こす可能性すらあるのです。
とはいえ、業種によってはさん付けで呼び合う事が崩壊に繋がる事もあるといいます。その理由のひとつが、「平等になってしまう」といった部分です。
誰もがさん付けをして呼び合ってしまうと、誰の立場が上で決定権を持っているのか曖昧となり、話が平行線を辿り続けてしまう恐れがあります。誰もが平等で働ける会社は理想的ですが、立場における仕事は定められており、それらを無視したら責任のなすり付け合いに発展してしまう事もあるのです。
【さん付けで呼ぶリスク②】責任感が薄れる
役職が意識しにくくなります。呼ぶ側はよいかもしれませんが、役職を持つ本人があまりそれを意識しなくなる事は問題です。
例えば、「部長」といった肩書きに相応しい人物だから抜擢するといった事があるかもしれませんが、その肩書きが人を育てるといった考え方もあります。その肩書きになった事ではじめて、その人が成長出来るといった内容です。
便利な言葉である一方、こういった危険性も兼ね備えている事を覚えておく必要があるかもしれません。
さん付けで呼ぶ際は会社の文化を観察した上で!
ビジネスシーンでさん付けをする事自体は問題ではありませんが、シチュエーションや会社の雰囲気に合わせて変化させていくべきだと考えられます。社内で上司や部下がどのような呼び方で呼び合ってるのかを観察した上で社内における立ち回りを考えると失礼を働く事もなく安心です。