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拝啓と敬具の書き方とは?正しい使い方や注意点を解説!ビジネスでのメールやはがきをスマートに書こう!



拝啓と敬具の書き方とは?正しい使い方や注意点を解説!ビジネスでのメールやはがきをスマートに書こう!

手紙でよく見る「拝啓」と「敬具」。ビジネスシーンで誤った使い方をすると、ときには先方に失礼にあたる事もあります。ビジネス文書には様々なマナーがあって、覚えるのも大変ですよね。ビジネス文書でも頻繁に使われる「拝啓」「敬具」の正しい使い方や注意点について解説していきます。

拝啓と敬具の意味

「拝啓」は「はいけい」「敬具」は「けいぐ」と読みます。拝啓とは「へりくだって申し上げる」という意味があり、手紙の最初に入れる挨拶です。敬具とは「つつしんで申し上げる」という意味があり、手紙の最後に入れる言葉です。

「拝啓」と始めたら、セットである「敬具」で必ず締めるというルールがあるので覚えておいて下さい。

拝啓と敬具の正しい書き方

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拝啓と敬具の正しい書き方を、以下にて詳しく説明します。

拝啓と敬具の書き方の流れ

  1. 全文は拝啓(頭語)から始める
  2. 時候の挨拶
  3. 先方への気遣い
  4. 感謝や尊敬の念を伝える(必要であれば)
  5. 主文を書く
  6. 要件をまとめる
  7. 拝啓(結語)で締める
  8. 後付を記載

手紙の流れは上記のとおりです。「拝啓」の後は、時候の挨拶をします。時候の挨拶は「秋冷が爽やかに…」と、やわらかい表現である口語調「〇〇の候」と、少し格調高い表現である漢語調の2種類があります。

どちらの挨拶を使うかは、先方との関係性や手紙の内容によって調節して下さい。

時候の挨拶の次には、先方への気遣いの言葉を入れます。その後必要であれば「いつもありがとうございます」など、先方への感謝や尊敬の念を伝えて下さい。

その後、主文には要件(本題)を書きます。要件が伝え終わったら、末文に入ります。締めくくる為には、時候をからめたり、要件をまとめて、先方の今後の健康・繁栄を祈るような言葉を使って下さい。

返信が必要な文書であるなら、必ず期限や返信のお願いについて記載するようにして下さい。

最後に後付で、「手紙を書いた日付」「署名」「宛名」「脇付」などを記載して、いつ・誰が・誰に当てたものかを明記して下さい。

主文に関係ない追記があるなら、ここで記載しても問題ありませんが、目上の方へ向けた文書のであれば避けて下さい。

【正しい書き方①】拝啓・敬具は縦書き・横書きどちらでもOK

拝啓と敬具は、縦書き・横書きどちらでも使えて、いずれも冒頭に書く事がルールです。また、拝啓の後は改行して1文字文のスペースを開けて、時候の挨拶を続けて下さい。そして「敬具」は、結びの挨拶の後に、開業して書面の一番下、横書きであれば右ラインに揃えて書くようにして下さい。

【正しい書き方②】尊重したい先方に

拝啓と敬具は、自分とは距離があり、尊重・尊敬したい先方に使うのが基本です。例えばほとんど接点がない取引先の上役や他部署に所属する上司などには、拝啓と敬具を使う事が出来ます。しかし、取引先へ送る手紙であれば前回送った手紙ではどのようにしているかを確認してから送るのが無難です。

拝啓・敬具の書き方に関する注意点

拝啓・敬具の書き方について、以下のような注意点に気をつけて下さい。

【拝啓・敬具の書き方に関する注意点①】メールには使わない

拝啓・敬具だけではなく、すべての頭語・結語は通常手紙で使うもので、メールにはふさわしくありません。メールでは要件を簡潔に伝える事が重視されるので、どれだけかしこまった先方であっても使う必要はありません。その代わりに「お世話になっております」「お疲れ様です」「よろしくお願い致します。」などの挨拶を使うようにして下さい。

【拝啓・敬具の書き方に関する注意点②身内宛の手紙には使わない

拝啓・敬具は、改まった表現なので、社内や身内宛には距離を感じさせてしまいふさわしくありません。取引先やお客様、目上の方などに宛てた手紙に使うようにして下さい。

【拝啓・敬具の書き方に関する注意点③】前文なしの手紙に対しての返信には拝啓と敬具を付けない

自分宛ての手紙で前文なしの手紙が送られてきたのであれば、その文書に前文および頭語をつけて返信するのはよくありません。先方が親しいと思って省略した可能性があり、わざわざ頭語を付けて返すと距離感を与えてしまう恐れがあります。このケースでは、前文なしで返信を送るようにして下さい。

【拝啓・敬具の書き方に関する注意点④】お詫び状や病気・災害見舞い状などにはつけない

お詫び状は、自分の謝意を伝える為の文書です。謝る事を最優先にする必要があるので、前文と頭語は必要ありません。また、病気や災害見舞い状、死亡通知などには、先方に負担をかけない為にも前文と頭語を付ける事は好ましくありません。

他にも、ハガキで出すような挨拶状(年賀状、寒中見舞い、暑中見舞いなど…)には、前文および頭語を付けないようにして下さい。

拝啓と敬具の類義語

拝啓と敬具には類義語が存在します。それぞれチェックしていきます。

拝啓の類義語

拝啓の類義語には「拝呈」と「啓上」があります。どちらも先方への経緯を示していて、目上の方へも使える頭語です。

  • 拝呈…先方を敬って謹んでお贈りするという意味
  • 啓上…申し上げるという意味

敬具の類義語

敬具の類義語は「拝具」です。拝具は、謹んで申し上げましたという意味があります。

拝啓・敬具以外の頭語・結語一覧

頭語・結語はたくさんあります。ビジネスシーンでよく使われる頭語・結語をシーン別で紹介します。

形式的な手紙

形式的な手紙には、拝啓・敬具よりも丁寧でかしこまった頭語「謹啓」結語「敬白or敬具」を使って下さい。「拝啓・敬具」との使い分けに、明確なルールはありませんが、謹啓・敬白がよく使われるシーンは以下の通りです。

  • 会社から出す手紙(会社設立や移転の連絡、役員の交代を知らせる手紙など)
  • 御礼状・重要手紙
  • 先方が目上で普段直接のやり取りがあまりない人

緊急的な手紙

先方に緊急を要する要件などを伝える手紙には頭語「急啓or急白」結語「草々」を使って下さい。急啓もしくは急白を使った手紙であれば、前文を省略して主文から始めるようにして下さい。主に、お詫び状や災害や病気についてのお見舞いで使えます。

拝啓と敬具の正しい使い方や注意点を踏まえてビジネスでのメールやはがきをスマートに書こう!

拝啓・敬具の書き方について解説しました。拝啓・敬具を使うときは、必ず頭語・結語をセットで使うようにして下さい。日本独特の文化で煩わしいと感じる人も少なくないかもしれませんが、使いこなせると風情もあり知識や教養があるというアピールにも繋がります。

先方に失礼な印象を与えない為にも、注意点や使い方をしっかりと頭に入れてから使うようにして下さい。