人事部で働いている方etc、何らかのタイミングで社員に向けて書類を作成しなければならないという事があるでしょう。中には、テンプレートが既に会社に存在しているかもしれません、懲戒処分関連の書類はそこまで頻繁に作成するものではない為、作成方法が分からないという方もいらっしゃるかもしれません。懲戒処分通知書のひとつである減給通知書についてお伝えします。作成に困っている方は参考にしてみて下さい。
減給通知書とは?
減給通知書とは、どのような資料でしょうか。
まず、減給とは社内規定に違反した社員が受ける懲戒処分のひとつであり、給与を減らされる事です。その旨を伝える書類が減給通知書です。つまり、貴方の給与をこのような形でこの期間は給料が減りますという事を伝える書類です。
しかし、減給通知書が届いたその当日から給与が削減される訳ではありません。また、減給通知書を受け取った社員が納得出来るような内容でないと揉め事に発展してしまうリスクもあります。
懲戒処分は各会社ごとに定める懲戒規定にも関係しており、明確に社内規定etcも確認してから作成する事になります。
また、この懲戒処分の減給に関しては、いくらまで給料を減額して良いか法律で決まっているので注意しましょう。
懲戒処分の種類とは
懲戒処分にはいくつかの種類があります。また、懲戒処分とは従業員を文書で指導する事です。会社によっては、戒告や譴責や訓戒etcの名称が使用されていますが、3つとも同じ意味と考えても問題ありません。
内容としては話し合いetcを通した指導になりますので、経済的な制裁の減給とはまた違います。ただ、懲戒処分として行う以上、全ての社員に対して懲戒を受けた社員の行動が問題で好ましくないという事態が生じた事になる為、個人的な指導とは異なり会社からの通告になります。
「戒告や譴責や訓戒」は最も軽い懲戒処分。始末書の提出が多い
会社によっては、戒告や譴責や訓戒の場合は一番軽い処置として定められており、始末書を提出させる事を就業規則や社内規定で定めている場合が多いです。
「出勤停止」は減給よりも重い懲戒処分
出勤停止とは、社員の問題行動に対する制裁として、問題のある社員に一定期間の出勤を禁じて、その期間の給与を無くす懲戒処分です。出勤停止の懲戒処分のケースは、通常は減給処分よりも問題のある社員が受ける経済的制裁のレベルが大きくなります。例えば、20日の出勤停止という場合、20日分の給与が支給されない事になるからです。この出勤停止の期間については法律上で決まりはありませんが、通常は会社で就業規則で決められているのが普通です。
「降格」は役職手当等がなくなる経済的制裁を含む懲戒処分
その他には降格があります。問題のある社員の立場を引き下げる制裁になります。降格は役職etcについていた社員に通知される場合が多いです。役職を引き下げられる事で、役職手当がなくなり、役職に復帰するまで、経済的制裁がされている事になります。
「諭旨解雇や諭旨退職」はかなり厳しい懲戒処分
その他には、諭旨解雇や諭旨退職があります。会社を辞めなくてはいけないので、かなり厳しい処分になります。退職金に関しては各企業の退職金規定で決まっているので、もらえる会社はもらえるでしょう。最近では、全額退職金を支払っている会社がほとんどみたいです。
最も重い懲戒処分は「懲戒解雇」
諭旨解雇や諭旨退職よりも重い処分が、懲戒解雇になります。退職金も一部受け取れない事がほとんどです。
減給について知りましょう
減給通知書を作成する前に、まず減給における基本的な部分を理解しておく必要性があるでしょう。
減給とは、ある社員の問題行動に対する制裁として、問題のある社員の給与を減らす懲戒処分です。適当な理由で社員に課すのではなく、正しいやり方で行なわないと揉め事の温床になりかねません。
減給のきっかけは様々
給料を減額する対象となるケースは多岐に渡ります。
- 降格人事
- 会社の経営難
- 社員の能力と給与額が見合っていない
基本的に知っておきたいのは懲戒処分における給料の減額なのか、それとも別の理由なのかという事です。どのような事なのか、詳しく解説していきます。
労働基準法について
減給は、社内規定における何らかの問題を起こした場合に摘要されます。懲戒処分のひとつと伝えていますが、懲戒処分には軽いところから重いところまで様々存在しており、減給は懲戒処分の中では比較的軽い類いと言われています。
そんな減給を懲戒処分として行なう場合はかなり注意が必要になります。労働基準法では、懲戒処分における減給は以下のルールが定められているのです。
- 1日の給与が50%以下になってはいけない
- 総額の10分の1以下になってはいけない
仮に、30万円の月収がある社員だった場合、30日で一ヶ月という形になる為一日は1万円の稼ぎというようなかたちになります。つまり、懲戒処分において給料を減額する場合は5000円以下の賃金まで下げてしまうと労働基準法に違反しています。社員を罰する為に行なったのにも関わらず、会社側の立場が危うくなってしまう場合があるのです。
引き下げに下限が無い場合もある!
しかし、懲戒処分ではない場合は減給の下限自体に決まりがありません。
例えば、前述したように降格したり会社が経営難に陥った場合、そして社員の能力と給与が著しく見合わないという場合です。これらは、会社都合といった点もありますが、社員側の同意があればいくら下げても問題はないという事になります。特に、会社が経営難に陥った際はボーナスカットetcを行なえばかなりの給料の減額となります。
しかし、この状況を飲む事を社員側が受け入れればその給料の減額に違法性はありません。ただ、社員側が全く納得していない状態で給料を減額した場合は揉め事になるでしょう。その辺りのバランスを考えて、減給通知書を作成するべきです。
減給通知書のタイミングは?
減給通知書を提出する場合、そのタイミングにも注意を払うべきだと考えられています。
給料の減額がスタートしているのにも関わらず減給通知書が届かず、後で届くという事はあってはなりません。様々な揉め事に繋がる事案となります。
出来るだけ早い段階での減給通知書の提出をした方が当該社員との話合いも可能ですし、社員側もそれに備える事が出来ます。減給通知書が届かず、そのまま給料を減額。さらに、翌日からいきなり給料を減額するとなるとパワハラという形で訴えられてしまうリスクもあります。減給通知書を作成して提出するのは給料を減額する前の余裕をもった時期の方が妥当です。
社員に対する減給は一回だけ!期間も限度あり!
ちなみに、減給通知書における減給は一回だけと決められています。役員etcでない限り、一般的な社員が相手であれば懲戒処分における給料の減額その減給通知書に記入されている一回のみ。期間も、二ヶ月や一年に渡ってetcは不可能だといわれていますので確認しておきましょう。
減給通知書の書き方
減給通知書は労働基準法にも関係してくる書類になる為、正しく正確な内容で作成しなければなりません。ただし、一度も作成した事がない方も少なくなく困惑してしまう場合もあるでしょう。ここでは、減給通知書の書き方の基本的な項目について解説していきます。
差出人や懲戒対象の情報
減給通知書を作成する際、まずは左上部分に差出人の氏名を記入出来る欄をつくります。「○○課○○殿」といった形で、今回の懲戒処分を受ける相手の名前を記入していきましょう。
受け渡し日
そして、右上部分には日付です。作成日ではなく、減給通知書を作成し手渡した日付を記入するようにして下さい。
代表者の情報
その下部に、○○株式会社代表取締役○○だったり、人事部長の名前etcを記入出来る欄を作成しましょう。印も押せる欄があると便利です。
表題
次に重要になってくるのが表題です。今回は、減給通知書ではありますが、懲戒処分通知書という書き方でも問題ありません。ただし、懲戒処分という言葉に強いインパクトetcがある事から、減給通知書と記入した方が相手の精神面には良いかもしれません。
冒頭
基本的な始まりの文言は、「就業規則第○○条の定めにより、あなたを下記のとおり懲戒処分に付します。」という形ではじめて下さい。そして、その下部に「記」という形でその内容について記入していきます。
理由etc
減給通知書で最重要なのが、懲戒処分における理由です。
なぜ、その社員が減給処分になったのか、理由を記入する欄を作成する事が求められます。懲戒該当理由として、○○から○○の時期に会社に損害を与えたetc、そのような形式で記入出来ます。そして、出来るだけ就業規則の第何条に違反したのかという欄も記入した方が分かりやすいでしょう。
そして、期間と基本給のどれだけを減額するのかという文言を付け加えて下さい。
ちなみに、減給通知書について異議etcがある場合は一週間以内に文書で提出するetc注意点etcも記入します。そして、最後に相手が受取承認した事を記入出来る欄を作成すれば完成です。
書き方を更に知りたい方は色々なサイトをチェックしましょう!
上記のように減給通知書の項目と例文を少し紹介しましたが、オススメは、他のサイトも見て頂くという事です。当サイトだけではなく、複数の減給通知書の項目と例文についてみる事で、減給通知書についての理解が深まります。
減給通知書についての理解が深まると自分が書きたい減給通知書がどのようなものかが分かってきますし、気を付けなければいけない部分が分かってきます。様々な理由で減給通知書を作成しなければいけないので、様々なパターンを想定して減給通知書について考えておく必要があるでしょう。
減給通知書のテンプレート
減給通知書を作成する事が普段あまりないという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、ゼロからワードetcで作成すると時間がかかったり、ミスが出たりとトラブルが起こる可能性があります。オススメなのは、減給通知書のテンプレートを利用するという方法です。インターネット上には、減給通知書のテンプレートが数多く存在しており、それらを無料でダウンロードする事が出来ます。
自社に必要なレイアウトにテンプレートをリメイク!
内容としては自社に則していない部分もあるかもしれませんが、ワードやエクセル様式のテンプレートもある為、アレンジして作成する事が可能です。自社の様式に合わせて減給通知書を作成出来れば、時短になる上にまちがいもなく安心です。ぜひ、減給通知書の作成に悩んでいる方は減給通知書のテンプレートを利用してみてはいかがでしょうか。
色々なテンプレートを比べて高い精度の減給通知書を作ろう!
このようにテンプレートを利用して減給通知書を作成する事をオススメしましたが、初めて減給通知書を作成する場合は、1つのサイトのテンプレートだけではなく、複数のサイトのテンプレートを利用する事が良いです。複数のテンプレートを利用するメリットはテンプレートの良いとこ取りが出来るので、かなり完成度の高い減給通知書が作成出来ます。
ここで重要なのが、減給通知書のテンプレートを複数見比べる事です。見比べる事で、共通する部分やそれぞれの違いが見えてきます。そしてそれぞれの項目に対してなぜ記入されているのかを考え、理解する事が重要です。まずは、減給通知書の理解を深めて複数のテンプレートを利用して作成する事が重要である事が分かります。
減給通知書は金額&期限を正確に書こう!
前述したように、減給通知書は労働基準法にも関係してくる重要な書類となります。その為、減給通知書を作成するのであればテンプレートetcを利用したり、顧問弁護士etcに相談するetcして確実に仕上げて下さい。それが、減給通知書を正しく作成する為のコツとなります。
また、社内規定や就業規則や懲戒規則についても見直す事も重要でしょう。労働基準法に違反した作りになってないかよく考える必要があり、間違っている場合は弁護士や社労士etcと作成し直さなければいけません。