工事関係者や工事発注者など、様々なビジネスにて設計見積書を提出する機会が出てくる方も少なくないでしょう。設計見積書は、公共事業の入札などで良く使われており、民間工事では省くような形が多かったです。しかし、近年では、家のリフォームなど注文住宅においても設計見積書が使われるようになってきました。
設計見積書とはどのようなビジネス文書なのか、なんとなく理解している方はいらっしゃるかもしれませんが、難しいビジネス文書の為、作成の機会がある場合は具体的に書き方を知っておく必要があります。設計見積書の書き方や注意点やテンプレートを説明しますのでビジネスシーンに生かしましょう。
設計見積書とは
設計見積書は設計者が行なうべき工事費の算定を記載した文書です。
設計する側が依頼主に見積もりを掲示するビジネス文書!
工事を施行する側ではなく、設計側が「このように工事を行って、これだけの費用が発生します」という事を依頼主に伝える為に作成されるビジネス文書です。
設計見積書によって仕事を受注出来るか否かが決まる!
公共事業の場合、各業者が設計見積書を提出してどこの業者が施工を行うかを決定する決め手の文書となります。業者側にとっては、仕事が請けられるか否かがかかった重要なビジネス文書という訳です。
工事の概算や積算が出来ないと設計見積書は書けない!
設計見積書は、工事の概算や積算などの計算が出来ないと作成する事は出来ません。
設計見積書の発行が必要なビジネスとそうでないビジネスがある
民間工事などは設計見積書の発行が発生しない事が多いです。
一方、以下の工事については設計見積書の提出が求められます。
- 業者間
- 公的なもの
- リフォーム
設計見積書には種類がある!
設計見積書には種類や注意点があります。種類がいくつか存在する文書であるという点もしっかりと押さえておく事も、正しい設計見積書の書き方を身に着けるポイントです。
設計見積書や概算見積書
設計見積書には概算見積書と呼ばれる文書があります。設計見積書は、基本的には計画段階にて作成される見積書であり、実施終了時期に発行される事はありません。
大規模工事の場合は設計見積書は発行されないことが多い!
基本的に、実施設計終了時に発行される設計書は計画が全て終了した後で出されるものです。設計見積書は大規模であったり、要望などが多い場合は発行されません。
企画や設計の段階や見積もり期間が少ない場合に設計見積書は作成される!
基本的に、「設計見積書=概算見積書」となる事がほとんどという事は覚えておくと良いでしょう。
概算見積書とは以下のような工事において、おおまかな種々の方法でその建物や設備や機械などの工事費をざっくり予測して作成した見積書を指します。
- 企画もしくは最初の基本設計の段階
- 設計図が未完成の場合
- 見積期間の少ない場合
設計見積書の注意点
建築ビジネスにおける重要文書となる、設計見積書の書き方における注意点をご紹介します。
競争入札における重要文書!アピールも忘れずに!
設計見積書は、様々なシチュエーションで作成される事がありますが、前述のとおり公共事業の施行にあたっては施行会社の競争入札となる事が多いようです。
その為、入札を行なってもらう事が作成者には求められます。設計見積書は正しく間違いなく記載しなければいけません。
以下のような建築物の利点も加味した上で施工業者が決まります。
- 建築物の設計が有意義
- 環境に優しい材料で作られている
- 金額
「積算」が最大のポイント!
設計見積書でもっとも注意を払うべきは見積内訳書の作成だといわれています。設計見積書の中の見積内訳書を作成する場合、入札参加者側がしっかりと積算しているのかという事が最大のポイントになります。
設計見積書は施工業者決定における重要な判断材料となります。その為、見積内訳書を作成する際は必ず正しい内容で作成する事を心掛けて下さい。
見積内訳書の書き方
設計見積書の書き方において解説します。これらの留意点に注意して設計見積書の書き方を身に着けましょう。入札がある場合の設計見積書は、内訳表の書き方についてもこだわる事をおすすめします。
“数量×単価=金額”という形で表示
まず、“金抜き設計書”というパターンです。本工事費内訳表またはこれらに相当するものに従い、“数量×単価=金額”という形で表示する事が求められます。入札参加者もこれらの事情を知っている事が多い為、あまり自社のやり方などを押し通さない方が得策かもしれません。
最小レベルの直近上位
さらに、最小レベルの直近上位といった記載も出来るので、そちらも前述した計算方法で表示する事を心掛けましょう。
値引表示はNG!
設計見積書の見積内訳書は値引表示が認められていません。要するに、金額を引き下げてしまった部分は、引き下げをした後の単価で見積金額を記載する事が求められるという事です。
賃金も忘れずに!
また、工事する人の賃金も見積書には計算されます。図面のここの場所は2人かかるなど作業する人の賃金も計算されるのです。算方法も決まっており、しっかりと勉強すればよく理解出来る内容になっています。
リフォームにおける設計見積書の書き方
設計見積書は、リフォームを行いたい依頼主に提出する事があります。依頼者が理解しやすく、さらに納得出来るような書き方で設計見積書を作成する必要があります。
リフォームする人にとっては全く詳しい事が分からないので、ちゃんと材質や工事の手法が伝わるように説明出来るような書き方で設計見積書を作る事が後々のトラブル防止に繋がります。
リフォームにおける設計見積書は、基本的には3部構成になっている事が少なくありません。
一枚に無理矢理まとめるのではなく、まくまでバランスよく全体をまとめる事を目的に作成して下さい。
リフォームにおける設計見積書について考えていきましょう。
表紙
表紙は、表題として大きく設計見積書や御見積書という記載をします。提示された方が、どのような書類なのかをすぐに理解出来るような書き方が望ましいでしょう。
見積番号や作成日
そして、右上部分には見積番号や作成日がわかるように記載して下さい。見積制作日:令和○年…といったかたちで記載すれば問題はありません。
差出人名
そして、左上部分は差出人の名前です。○○様という形で差出人の名を記載します。
見積金額(消費税も忘れずに!)
下部に「下記の通り御見積り申し上げます」といった文言をプラスしましょう。設計見積書の見積もり金額は大きく記載します。消費税などが発生すると思うので、そちらも記載しましょう。
作成者側の情報
その下部に作成者側の情報も記載しましょう。
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- 担当者の印
工事内容が分かる表も添付!
設計見積書の表紙には前述した基本的なインフォから、どのような工事内容を行なったのかが分かる表も必要になります。
ただし、以下の情報が分かるようなシンプルな書き方で問題ありません。
- 件名
- 支払条件
- 工事場所
- 内容
- 見積有効期限
- 工期
備考欄に添付資料がある事を明記!
まリフォームにおける設計見積書は2部から3部用意されている事から備考欄にはほか書類、そして注意点などを記載しておくと親切です。
基本的ではありますが、常に相手を思いやった書き方で書類を作成しましょう。見辛い書類や分かりにくい書類は、相手から信頼を得る事を遠ざけてしまいますので気を付けましょう。
設計見積書の明細の書き方
リフォームにおける設計見積書の二部目は、基本的には明細です。
何にいくらかかっているのかを記載するので大変重要な書類といえます。トラブルが起こりやすい部分ですので、細かく信頼出来るようにしっかりと記載するようにしましょう。
明細に必要な項目
設計見積書の明細に記載すべき項目は以下の通りです。
- 場所
- 部品名
- 仕様
- 摘要
- 型番号
- 数量
- 単位
- 単価
- 金額
- 備考
細かな仕様について理解できるように詳しく記載しましょう。
例えば、項目には「仮設工事」として、以下を記載します。
- 片付け費
- 養生費
上記項目に沿って、以下も埋めていきます。
- 数量
- 単価
- 合計金額
- 備考欄
これらを正しく記入する事で、受け取った側も安心して設計見積書の金額を支払う事に同意出来ます。
曖昧な工事名、また設計見積書に記載していない施行をされないよう相手もしっかりと厳しくチェックしてきます。信頼を得れるような設計見積書の書き方を心がけましょう。
設計見積書のテンプレート
設計見積書は、シチュエーションによっても書き方が変化していきます。業種によっても見積内容は大きく変わってきますし、書き方によってはトラブルを引き起こしてしまう事もあるでしょう。しかし、そのようなトラブルが生じないよう作成する為に設計見積書に対する知識や書き方の理解が必要になります。
ただ、そのような知識が今のところなく、そして時間もないという方の場合はどうすれば良いでしょうか。
無料テンプレートをチェック!エクセルやワードも!
実は今、インターネット上には数多くのテンプレートが存在しており、扱っているサイトに無料登録をすれば利用出来るような場合もあるのです。
設計見積書のテンプレートは、色々な様式が用意されているので自分が気に入ったものを利用する事も可能です。さらに、PDFなどではなく、ワードやエクセルといった様式のものを利用すれば、自分の作りたい項目などをアレンジして作成する事も可能です。
シンプルで見本となる設計見積書のテンプレートをご用意しております。設計見積書の例文や書き方やマナー&無料テンプレート用途に合う場合は無料ダウンロードにてご利用ください。ExcelやWordで編集が出来る素材です。
設計見積書は、初心者にとってハードルの高いビジネス書類のひとつとなります。注意しながら作成する為にも、テンプレートを上手に利用して作成してみてはいかがでしょうか。単純に設計見積書を作成する場合は、テンプレートを利用して作成する事が効率的でしょう。
テンプレートをチェックする際はいくつも目を通そう!
ただ、オススメは複数のサイトから設計見積書のテンプレートをダウンロードする事です。なぜなら複数の様々なテンプレートを見る事で、設計見積書のテンプレートに記載されている項目がなぜ、どのような意味合いで記載されているかを理解出来るようになるからです。ただ見るだけでは理解出来ませんが、1つ1つの項目に対して疑問を持ってなぜ記載されているのか調べながらチェックしていくと、設計見積書の項目についての理解が深まります。自分が作成したい設計見積書の書き方が見えてくるのです。
このように複数のテンプレートをダウンロードする事で、テンプレートの良いとこ取りが出来るので、非常に効率的ですし、完成度の高い設計見積書が作成する事が出来ます。1つのサイトだけを頼りにするのではなく、様々なサイトの考えを1つ1つ吸収して理解していく事で、自分に必要な情報を効率よく拾っていく事が出来ます。設計見積書についての情報を得られる事が出来れば設計見積書を作成する事が苦ではなくなります。
調べても分からない場合は、先輩への確認を忘れずに!
また、設計見積書は高い知識がないと書けないビジネス文書です。見積もり設計書の書き方が分かっても、計算方法が分からないとどうにもなりません。これについても設計見積書に必要な計算の仕方もしっかり調べる事で、理解出来るようになってくるでしょう。それでも不明点が残る場合は先輩に確認しましょう。
建築ビジネスでの重要文書「設計見積書」を見やすく正しい書き方で仕上げよう!
設計見積書は、入札に使われたり、リフォームなど幅広いシチュエーションで作成が求められるビジネス文書です。その為、曖昧であったり、相手から不信感を持たれるような内容であってはなりません。依頼する側にとっても高額な買い物ですので慎重に双方が納得いく内容で見やすく分かりやすい書き方で仕上げる必要があります。
設計見積書のテンプレートなどを上手に利用し、バランスの良い設計見積書を作成出来るよう努力しましょう。
ユーザーの事を考えた分かりやすい設計見積書の書き方をマスターすれば、意見の食い違いも出ずにトラブルのないスムーズな取引が実現します。
このように素人でも理解出来るような設計見積書を作成するには、ご自身が専門的に設計見積書について理解していなければ不可能です。当サイトに来て頂いた方には、設計見積書に対する理解を十分に深めた上で、相手の事を思いやれる設計見積書を作成出来るうようになって頂けると幸いです。