部下を持つと、時には部下を昇格させる為に昇格推薦状を書く時が来るシチュエーションもあります。無事に昇格が出来るよう課長をはじめとする上司が正しい推薦状の書き方を理解しておく必要があります。
昇格推薦状はそう頻繁に作成機会のある資料ではない為「書き方がいまいち分からない」「どのような事を書けば良いか分からない」と悩む課長も少なくありません。部下を昇格させる為の昇格推薦状の効果的な書き方やフォーマットを例文を添えて紹介します。
部下を昇格させる昇格推薦状とは?
昇格推薦状は、その名の通り昇格を推薦する資料となります。昇格推薦状の内容は主に、推薦対象の人物がどのような人物なのか?を書き込みます。推薦先は、昇格推薦状を見てその人物がどのような人なのかを判断を下す判断基準の一つとして利用します。
その為、推薦された人は「推薦をしてくれるほど信用をして頂いている」という状況をしっかりと理解すべきです。推薦をする側の課長をはじめとする上司は、推薦する人がこの先しっかりと推薦先で活躍していけるような内容での推薦状の作成が大切です。
推薦理由の書き方ポイント
部下を昇格させる昇格推薦状で最も重要になる部分が、推薦の「理由」についての書き込みです。理由の書き方について紹介します。
実績や能力は具体的に
推薦状の主な内容は、その人物の実績についてが大半を占める事となります。その実績についてありのままを出来るだけ相手に伝わりやすく、具体的に書く姿勢が大切です。他人の実績や能力について具体的に書き込むのはとても難しいです。
主観的にならずに客観的な視点を心がけて、誰が見ても人物像を思い浮かべられるような書き方が求められます。
なかなか具体的な理由が書けなくて止まってしまっている課長は、考えすぎてしまっている事が原因になっている可能性もあります。難しく考えずに一旦頭をリセットするのも良いです。単純シンプルに「その人物の推薦状を書くに値すると思った理由」を書く事がポイントです。
過大評価や過小評価になってしまわないよう注意して下さい。
嘘の理由はNG
もちろんですが、嘘の理由はNGです。推薦状を書いた後には、部下の面接が行われます。嘘の理由を書いてしまうと、その場で推薦状との相違が出てしまいます。嘘は簡単にバレます。
虚偽申告をしてしまうと、部下だけではなく自分の信用も落ちてしまいますので要注意です。推薦状を作成=本当にその人物を推薦したいという思いがなければ作成出来ません。その為、推薦状は推薦したい人物がいるケースのみに作成して下さい。軽い気持ちで推薦をしようと思い立つのはNGです。
昇格推薦状の書き方
それでは、昇格推薦状の書き方について具体的に紹介します。
基本構成
昇格推薦状の基本的な構成は、以下のような流れで昇格推薦状を作成します。
- 資料作成日
- 宛名(〇〇部署 ●●様)
- 所属部署や氏名(〇〇部署 ●● ●●)
- 表題(昇格推薦状)
- 挨拶
- 本文
アピールポイントははっきりと
例えば「●●さんには素晴らしい行動力があります」と書いているのに、「人に合わせる事も得意」としてしまうと矛盾が生じてしまいます。これでは、最終的には「一人では行動が出来ない」と認識されてしまう可能性もあります。内容に一貫性を持たせる事が大切です。
推薦理由ばかり書かない
少しでも有利になってもらいたいという一心で、長所ばかりを書くのもNGです。採用を決める側としては短所を知って、その短所をどうカバー出来るのか、カバー出来る能力があるのかというポイントも知りたいのです。
パーフェクトや完璧な人間はこの世に存在しません。自分の短所や弱点を知った上で、どう対処出来るのかが大事なポイントなのです。
例文
◯年◯月◯日
〇〇部
●●様
〇〇部
●● ●●
昇格推薦状
拝啓
時下益々ご清栄の事とお喜び申し上げます。日頃は多大なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、早速となりますが本状にて当社の〇〇〇〇(氏名)を紹介したく存じます。
〇〇は当社にて◯年間勤務をしており、現在は私が最も信頼をしている部下として活躍をしております。今期営業成績は第一位を取得しており、故人能力だけではなくチームワークを意識している為に、同僚からの信頼も非常に厚く信頼に足る人物だと認識しております。
その中で〇〇は年内を目処に〇〇県にて新事業を開始しますが、そこでは〇〇として活躍を行ってほしいと考えております。
つきましては今回昇格を推薦したく考えております。
ぜひともご検討下さい。
末筆ながら、ご高配賜りますようお願い申し上げます。
敬具
推薦をしたい理由をたくさん書きたくなる気持ちはわかります。しかし、あまり長々と書いてしまうと大切な事が伝わりにくくなります。推薦理由は一つに絞って、より詳細な情報を書き込むと良いです。
提出前に必ず打ち合わせを
上司が気づいている長所でも、本人が気づいていないケースも多々あります。嘘では無いのに面接の際にそこで相違が出てしまうと、虚偽の推薦状とみなされてしまうリスクもあります。こういった事態を避ける為にも、部下と事前にどのように推薦状を書き上げるのか打ち合わせや認識合わせも欠かせません。
封筒
基本的には会社の封筒を使用して送っても問題はありません。会社で使用している封筒の種類が複数あるケースや、個人で用意しなければいけないケースは白封筒に入れて送るようにして下さい。茶封筒は基本的にビジネスや事務etcで使用される比較的安い封筒です。
絶対にダメという事はありませんが、好印象とは言えない為に茶封筒は控えるようにして下さい。
シンプルに推薦理由を分かりやすく伝えるのがポイント
部下を昇格させる為の昇格推薦状では、下記の4つが重要なポイントとなります。
- 推薦の具体的な理由を書く
- 理由は出来るだけ1つに絞る
- 虚偽の申告はNG
- 推薦状を出す前に本人と打ち合わせを行う
理由は単純に「その人物を推薦した理由」を考えると書きやすくなります。推薦した理由を書く際には、その人物がいかに魅力的かを伝える為に、具体的に伝えるよう書くのが肝心です。
部下のこの先の人生を左右し得る大切な資料でもあります。しっかりとした知識を身に付けた上で、作成して下さい。