「さて」の書き方を例文を交えて解説します。ビジネス文書やメールでよく目にする「さて」という言葉は、お便りや挨拶文などの多方面で使われている言葉です。よく使われているし、大まかな意味は分かるからなんとなく使ってる、いまいち「さて」の使い方が分からない、のような事で悩んでいる方も少なくありません。
特ににビジネスシーンなどの、大切な文書を作成したり、スピーチをする機会では正しい日本語の使い方が重要になります。目上の人に失礼を働かない為にも知識として身に着けておくに越した事はありません。「さて」の意味や使い方について詳しく解説します。注意点やポイントも紹介しています。
「さて」の意味とは?
「さて」は、転機・転換をする際に使える言葉です。文章だけではなく、日常会話でも良く聞く言葉ですが、実は大きく分けて3つの使い方があります。
- 楽しみにしていた土曜日になった。さて、準備するか。
- この仕事が終わらなければ、帰れない。さて、終わらせてしまおう。
- もうこんな時間。さて、仕事に向かうとするか。
上記のように「さて」は、直後に来る言葉を修飾する際に使われます。
「さて」の敬語表現について
「さて」をそのまま変えて敬語にする方法は、ありません。なぜなら「さて」は接続詞(つなぎ言葉)であるからです。しかし「さて」に似ている敬語表現にする事で、目上の人に好印象を持ってもらえる文章に仕上げる事は出来ます。目上の方へ使える「さて」の敬語表現は、以下のとおりです。
- 早速ですが
- つきましては
- ところで
- お話は変わりますが
- ここでもう一つ、~~の件につきまして
- この度
- ~~におきましては
- 本題の件につきまして
「さて」「ところで」などという言葉は日常的に使われていて、ビジネス上でも使われています。しかし、ビジネスメールや会議など、とくに改まったシーンでは「つきましては」「早速ですが」「お話は変わりますが」などの丁寧な口調での表現をおすすめします。「さて」は相手の立場や状況に応じて、使い分けが出来るよう心がけて下さい。
「さて」に似ている言葉の使い方の違いについて
「さて」に似ているが、微妙な使い方の違いがある言葉は以下のとおりです。
- ところで
- また
これらの言葉は、使い方に微妙な違いがあるので注意が必要です。
それぞれ、違いと使い方について解説していくので、チェックしていきます!
「さて」「ところで」の違いについて
「さて」「ところで」は、文章の話題を変える際に使う言葉としては、同じように使えます。
しかし、以下のような微妙な違いがあるので、使い分けには注意して下さい。
- さて:これまでの話題や話の流れ関係なく、使える言葉
- ところで:これまでの話題や話の流れから分岐するような形をもち、話の転換をするときに使える言葉
- 昨日はお世話になりました。さて、今回の企画についてですが…
- 昨日の企画案につきまして、拝読させていただきました。ところで~~の企画立ち上げに際しましてご提案があるのですが…
このように、全く別の話題へ移行する場合は「さて」、関連する話題に切り替えるときには「ところで」を使う事が出来ます。
「さて」「また」の違いについて
「また」は前の話題や話しの流れに従う形で「別の見方・考え方によると」という形容、前の話題に関連する、別の話題に切り替えるというような使い方がされます。では、具体的な例を見ていきます。
- 本日~~についての企画書類を拝見させていただきました。さて、この企画とは別案件になりますが…
- 本日~~についての企画書類を拝見させていただきました。また、~~の企画について別のプランになりますが…
上記のように「また」は、前述の話題を引き伸ばしたうえで、関連する別の内容や主張を伝えるようなときに使われる言葉です。
「さておいて」の意味や使い方について
「さておいて」とは「さておき」という言葉の略語で「さて」という言葉の変わりに使われる事もあります。「さておいて」の正しくは「さて置いて」と表記し「その事は分かったけど、それは置いといて別の話になります」と、明確な話題の転機を伝える際に使えます。
「さて」「さておいて」どちらを使ってもOKですが、短くまとめる必要のある文書やスピーチの場合は「さて」を使うといいです。
「さて」の類義語について
「さて」に似ている言葉はどんなものがあるのか。
- さておいて
- さておき
- 一方(一方では)
- それはともかく
- とにかく
- それとは別に
- ときに
- いずれにせよ
- また
- ところで
「さて」に変わって使える言葉を知る事で、さらに丁寧な敬語表現が出来たり、トークの中での言葉の置き換えもスムーになります。
ビジネスシーンでよく使われる「さて」の例文
ビジネスシーンでよく使われている「さて」の例文について、一つずつ解説していきます。
さて、今回の議題につきまして
ビジネスシーンで良く使われる1つ目が「さて~~につきまして」です。「さて」は敬語表現がない為「つきまして」という相手へ敬意を示す表現を入れると、全体的に丁寧な文章になります。
また、メールなどでは文章を長々と書くと読みづらく、相手に手間や時間を取らせてしまいます。そんなときに「さて」と使う事で、早急に本題へ入る事が出来るのです。
さて、先程の件でございますが
ビジネスシーンでよく使われる2つ目が「さて~~の件でございますが」です。こちらも「さて」に「ございますが」という敬語表現を使う事で、早急に本題ヘナ入り、相手に早速用件を伝えたいという意思を、経緯をしっかり込めて丁寧に伝えられます。
とくに文章では相手に敬意が伝わりにくい事もあるので、こういった細かいところで丁寧な言葉遣いが出来ると良いですよ!
「さて」の書き方を押さえてビジネス文書やメールで目上の人に失礼のないように!
「さて」の文章の書き方について、解説していきました。「さて」は接続詞であり、敬語表現はありません。つまり「さて」を使うときに、相手へ敬意をはらった使い方をする場合は、前後の文章がとても重要になります。相手へ不快感を与えないよう、接続詞以外の言葉遣いに気をつけて下さい。また、普段より丁寧に対応しなければいけないシーンでは、別の言葉に置き換えるのもおすすめです。