ビジネスメールではかなり重宝されている表現があります。それが「今後とも引き続き宜しくおねがいします」の「今後とも…」です。日常生活でもよく聞く表現ですが、いざ自分で使おうとしたときに「なんとなく意味は分かるけど使い方がわからない」「そもそも意味を知らない」という方もいらっしゃるかと思います。
ビジネスシーンでは、表現の使い方が間違っているだけでも印象が悪くなってしまう事があるので、正しい意味や使い方は知っておきたいところです。付き合いを良好にするビジネスメールに使える「今後とも」という表現について、正しい使い方や使う際の注意点について紹介します。
「今後とも」とは？
「これからも変わらず」「これからも続けて」などという意味です。また、「とも」には「一緒・また・同時」などの意味があります。つまりビジネスシーンでもよく聞くフレーズ「今後とも宜しくお願い致します」は「これからも変わらず、宜しくお願いします」という意味で「これからも、いい関係を築いていこう」というようなニュアンスが含まれています。
「今後とも」の使い方は締めの表現に使う
メールの締めの表現に使われる事が多いです。ビジネスシーンでは、メールの締めの表現が必要でマナーでもあります。
「今後とも」をより丁寧にする為に付ける表現
一言付け加えるだけで、より丁寧になる一言がいくつかあります。使う相手によって使い分けが出来るように覚えておきましょう。
切に
- 今後とも変わらぬお力添えを下さいますよう切にお願い申し上げます。
- 今後ともより一層のご厚情を賜りたく切にお願い申し上げます。
「切に」は「強く願う」「ひたすら」という意味があります。先述の例文「今後とも変わらぬお力添えを下さいますよう切にお願い申し上げます」の文章を略すと「これからも変わらぬ力添えを強く願います。」というような意味になります。
伏して
- 今後とも末永いご高配を賜りたく伏してお願い申し上げます。
- 今後ともご支援のほど伏してお願い申し上げます。
「伏して」は、低頭平身に何かをお願いしたい「切実な気持ち」を意味しています。切実にお願いをしたい際に使う事が出来ます。先述の例文にある「今後ともご支援のほど伏してお願い申し上げます。」を略すと「これからも支援を切実にお願いします」というような意味になります。
何卒
- 今後とも何卒宜しくお願い致します。
- 今後とも何卒ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
- 今後とも何卒倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
「何卒」は「どうか」「なんとかして」などの意味を持っています。先述の例にある「今後とも何卒宜しくお願い致します。」を略すと「これからもどうか宜しくお願い致します」というような意味になります。
「今後とも」を使ってはいけないケース
万能な表現ですが、使ってはいけない場合が主に2つあります。詳しく解説していきます。
謝罪やお詫びでは使えない
トラブルやミスなどで相手に迷惑をかけてしまった場合に、ビジネスシーンではメールでまずは謝罪をする事があります。謝罪やお詫びメールの締めの表現に使うのは失礼になるので使わないようにして下さい。
今後の付き合いがない場合
これからの付き合いがない相手に対して使うと、定型的な印象を与えてしまいます。この場合は「また次回ご縁がありましたら宜しくお願い致します」などとする方が適切です。しかし使うのは間違いではないので、状況によって締めの表現を選ぶようにしましょう。
例文
後につながる例文は以下のとおりです。
- 今後とも宜しくお願い申し上げます。
- 今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
- 今後とも宜しくお願い致します。
- 今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げます。
- 今後ともご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
- 今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。
- 今後ともご協力下さいますようお願い申し上げます。
- 今後とも宜しくお力添えのほど、お願い申し上げます。
- 今後とも末永いご支援を頂きますようお願い申し上げます。
- 今後ともご利用下さいますようお願い申し上げます。
- 今後とも一層のご支援を賜りたく、お願い申し上げます。
- 今後とも変わらぬお引き立てを頂ますようお願い申し上げます。
- 今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
- 今後ともどうぞご厚誼下さいますよう、お願い申し上げます。
- 今後とも末永いお引き立てを下さいますようお願い申し上げます。
- 今後ともご愛顧のほど宜しくお願い致します。
- 今後ともお付き合いのほど宜しくお願い致します。
付き合いを良好に維持する為にもメールの締めを丁寧にしよう
「今後とも」は日常生活やプライベートでは良く使われる付き合いを良好にする為の締めに便利な表現です。メールのみでなく多くのシーンで使う事が出来るので、ビジネスマンは覚えておきたいフレーズの一つです。ですが、謝罪やトラブルの対応などやこれからの付き合いが無いと分かっている相手に対して使うのは不適切です。
特に謝罪やトラブルの対応の際に使ってしまうと「本当に反省しているのか」と印象が悪くなってしまう恐れもありますので気をつけて下さいね。相手に失礼にならないよう、正しい使い方が出来るようにしましょう！
