会社経営には欠かせない「請求書」ですが、正しい書き方を知らずに書くと、後にトラブルとなるリスクも孕んでいる重要な資料す。また、請求書の間違いは会社の信用問題が問われてしまうリスクも!
ビジネスの現場では頻繁に目にし多くの機会で使用される資料ですが具体的に何に気を付けてどういう情報を書くべきか知らない人も居ます。重要性、正しい書き方、送付方法を紹介します。
請求書について
知っておくべき基礎知識をご紹介します。
請求書とは?
必須ではないが重要な資料
取引を行う上で、当たり前のように発行される請求書ですが、実は無くても口約束のみで取引を行うのは一応可能ではあります。
取引相手への働きかけの手段!
請求書は、取引相手に対する以下のアクションがメインの役割です。
- 提供した商品を知らせる
- 請求金額を知らせる
- 決まった期日に支払を催促する
自社の管理業務にも使える!
それ以外にも、商品提供側企業は請求書を発行する事によって自社としても、以下の情報を把握、証明する事にもなります。
- 何に対する料金を
- 誰に請求したか
- いつ請求したか
企業間にて月末締めで翌月末に支払いをして頂く決まりになった取引先が出来たら、ひと月の間に何度も注文があり、その都度納品をされる状況になります。そうした時、通常注文を受ける側も注文を行う側もその企業ごとのつけ方で管理する事柄が膨大になります。
- この会社にいつ何をいくつ注文したかやされたか
- 注文履歴
- 発注履歴
- いつ納品したか
- 納品書etcを注文側に提供したか
- 金額はそれぞれいくらか
上記の色々な情報を、相手の企業ごとにまとめて管理するべきです。翌月末の支払日に入金がなかったら、たまたま発注側も支払が漏れてしまうケースもありますが「請求書がなかったから支払う義務がない」etc言われてしまう可能性もあります。
監査にも有用!
企業間での不正な取引や支払が行われてないかetc会計監査の観点からも実際のビジネスシーンでは肝心な資料である事は明白であります。いつも納める商品が同じで数も金額も決まっているetc、または請求書を発行しないのが慣例になってしまってる取引以外は請求書を発行する事は当然になっております。
万が一、普段から請求書を発行してない取引先企業に税務署が入り、たまたま他社に対して不正な入出金が確認されたetc、徹底的に取引先の入出金は調べられます。
自社としては当然不正とは一切関係なくともその取引先を調べる中で請求書のない出金がされていれば自社にも必ずと言っていいほど行政の調査が入ったりもします。調べられても不正ではないので大きな問題こそなりませんが、その間、時間もとられますので避けられる事としては避けるに越した事はないです。
よって、ビジネスにおいて請求書は必須ではないものの、後の当事者間のトラブルや行政(主に税務署や警察)の調査が入った際でも、全く不正がなくとも自社が不利とならない為には、請求書を発行しておくべきなのです。
請求書は何の為に作成?
請求書は上記で述べたように、後のトラブルを避ける目的がある他に、以下のように請求書の発行は自分の為だけではなく、支払を行う相手の為でもあります。
- 支払をスムーズに行う為
- 請求漏れを防ぐ為
- お客様の為(金額の間違いを防ぐ、支払忘れを防ぐetc…)
よって、請求書の発行を要求してこなかったケースでも、こちらで作成して渡す事が最低限のビジネスマナーだと言えます。
請求書に欠かせないもの
請求書を作成する前に欠かせない物を揃えておかなければいけません。
PCで作成するならエクセルやワードetc
法的に決められている様式が無い為、初めからPCに内蔵されているメモ帳etcの機能を使って作成する事も可能です。しかし、メモ帳だと作り辛い面もある為、PCで作成するならエクセルやワードを使っての作成をおすすめします。
エクセルやワードで作成したケースでも、自社のシンボルとなるロゴマークおよび社判をあしらったオリジナルの請求書を作成出来ます。
手書きでなら請求書用紙を
手書きでも作成可能です。手書きの請求書を作成するなら用紙を購入するか、PCでテンプレートをダウンロードして印刷を行う方法があります。尚、取引企業によってはメールにて送付するケースもあるかと思いますが、そのパターンでは保存形式をPDFや画像ファイルに変換して送るようにすると良いです。
エクセルやワードのケースでは、そのまま送るだけですと第三者からしたら数字を変更出来てしまいます。
そのような事は通常あり得ませんが、先に述べたように後々のトラブルを避ける為にもメールで送付を行うetcは注意が肝心です。
市販のソフトやアプリでも
市販のソフトも販売されています。ビジネスにおいて見積書や納品書や請求書は一連の取引の中で交わされる書類であり、ひとつの取引にこの3つは紐付いてきます。
見積書や納品書や請求書と一つの取引において標題こそ違えど当然その中身の金額や数量や商品等内容は同一です。これらの書面が連携され使用出来るソフトが販売されております。
請求書の用紙サイズ
決まったサイズは特にないです。各企業において電算のシステムで出されたかなり大きめの請求書もありますし、市販でB5位の大きさを使用されてる企業と様々であります。しかしパソコンでテンプレートをダウンロードしてご使用になられる時etcパソコンで作成するならA4サイズが一般的です。
また相手企業も各社から送られてくる請求書は整理保管する為、自社でまだ特に決まってなく特に制約がないならA4サイズを選ぶのがおすすめです。
印鑑
請求書の捺印は必須ではない為、印鑑が無くても効力無効とはなりませんが、最低限のビジネスマナーとして印鑑を押すのは一般的です。印鑑は社印や個人の印鑑どちらでも構いませんが、法人のケースでは社印の使用をおすすめします。
封筒
封筒のサイズに決まりはないですが、一般的には長形3号が使用されています。A4サイズの請求書をそのまま郵送致しますと封筒が大きくなり、切手代も高くなってしまいます。A4サイズの請求書なら三つ折りにして長3サイズの封筒に入れ郵送して下さい。
【請求書在中】のスタンプ(手書きも可)
請求書を郵送するなら、封筒に手書きで【請求書在中】と書いておくか、スタンプを押しておくと良いです
企業にはいろいろな郵送物が届きます。自社ではそんなになくても取引先には毎月大量の郵送物が届いてるかもしれません。そこには社員さん宛のものもあれば、広告もあります。または行政機関からのもの、銀行や取引からと可能性をあげれば様々な郵送物がございます。
当然届いた郵送物は全てなんの郵送物かは確認しますが、そこで両社にとっての請求書は重要な資料です。よって相手に瞬時に請求書だと判別頂く為にも【請求書在中】との記入、もしくはスタンプによる押印を心掛けて下さい。
紙か電子化されたものかを両者で事前確認!
また現状ではまだほとんどの企業が紙による請求書で処理しているのが現状であります。
ただ昨今ではペーパレス化や郵送コストの削減etcの為、電子化された請求書をソフトやアプリetcを使い取引企業にダウンロードしてもらい受け渡しを行うような流れもありますので、最初のお取引のシチュエーションetcは取引先に確認をとり請求書を郵送して下さい。
切手
郵送の際に欠かせないのが切手です。
普通郵便や速達便etcで郵送をおすすめ
信書にあたりますのでメール便では送る事は出来ませんのが、知らずにメール便を使いますと取引先に常識を疑われかねないので普通郵便で送ると良いです。
請求書の注意点について
請求書の書き方や取り扱いにおける注意点もチェックしておくと安心です。
控えは必ず作成!
控えは必ず作成して下さい。手書きの請求書用紙で販売されているものは通常複写出来るようになっていますが、PCで作るなら控えを印刷しておくべきです。作成して押印してある物を印刷して保管しておくと良いです。
また、PC内で保管する事も可能ですがそのケースではデータ破損etcの万が一の事を考え、USBetcにコピーしておく事をおすすめします。
完成後のチェックは入念に!
書き上げたからといってまだ安心は出来ません。お金に関わる慎重に取り扱うべき資料なので、最終確認も怠ってはなりません。
- 請求先の社名
- 請求者の氏名
- 商品名
- 単価
- 合計金額
- 消費税額
これらを間違えてしまうと失礼にもあたりますし、信頼性を失ってしまうリスクにも繋がりかねない為、最終チェックは入念に行うようにしてください。
請求書の送付先を確認
請求書発行後、メールやFAXetcで報告してから原紙を郵送する会社や、報告せず完成後すぐに郵送する会社etc、方法は様々です。メールetcで報告するケースではメールやFAXの送信先を間違えていないか、郵送で送る際には住所や氏名が間違えていないかetcも確認しておくべきです。
請求書の書き方
請求書に肝心な項目やポイントetcをご紹介します。
欠かせない項目
表題
表題には分かりやすく「請求書」と書きます。
作成年月日
作成した年月日を書きます。
請求先の会社名や氏名
請求する会社や氏名を間違いの無いように書きます。
請求元の情報
社名や氏名や住所や電話番号etcを書きます。
捺印
社印を捺印します。
支払期限年月日
お支払い期限を年月日で書きます。
商品名
商品名や品番etcを間違いの無いように書きます。
数量
数量を間違いの無いように書きます。
単価
単価を間違いの無いように書きます。
金額
数量×単価の合計金額をそれぞれ書きます。
商品小計
商品のみの小計を書きます。(税抜金額)
消費税
消費税額を算出して書きます。
合計
小計と消費税額の合計を書きます。
備考欄
備考欄には、お知らせや振り込み先etcの情報を書きます。
書き方のポイント
請求書の作成時に知っておきたいポイントは以下の5点です。
- 請求先の宛名書きは担当者名、所属している部署まで書くと親切な請求書になる。
- 請求書番号を付けておくと管理がしやすくなる。
- 振込先を書くとより親切な請求書になります。
- 振込手数料について書くとより親切な請求書になります。
- 合計金額の後ろには「-」か「也」を入れておく(例:¥のケースでは【¥10,000-】円のケースでは【10,000円也】)
特に振込手数料の負担についてや振り込み先、締め日や支払日は契約時に一度お話している事が一般的ですが、請求書に毎回書く事で請求先の業務も円滑に進める事が出来るので親切です。
請求書はテンプレートの使用もおすすめ!
会社で決まった様式がある状況を除き、請求書の作成が滞っているならテンプレートをダウンロードして使う事をおすすめします。テンプレートは無料にてダウンロードが行えるサイトにて簡単にすぐダウンロードが行えます。