通夜や葬式などで頂いた香典のお返しとなる、香典返し。お供え頂いた香典へのお返しという事もあり、出来るだけマナーを守ったものにしたいところです。香典返しにおける挨拶状の書き方を簡単に例文を交えて解説します。葬儀後に渡す流れで合っているのか、横書きと縦書きどちらが正しいかについても触れます。
香典返し
香典返しは、香典を頂いた方への感謝の気持ちや四十九日法要が滞りなくおこなわれた事を報告する為に送られるものです。さて、香典返しに挨拶状が必要か否かですが、以下の通りです。
- 直接手渡し…不要
- 郵送…必要
香典返しの挨拶状はお礼である為、直接会う事でそれを口頭でも伝えられます。しかし、郵送であればお礼を口頭で伝えられない為、挨拶状を添えるのがマナーとなります。遠方の方やなかなか直接会えない相手であれば、挨拶状を添えて香典返しを行って下さい。
香典返しの挨拶状の書き方
お礼を伝える事が目的である事は基本であり、香典返しの挨拶状の書き方にはマナーがあります。簡単過ぎたり、カジュアル過ぎたり、相手の事を気遣っていない文章を書いてしまうとマナー違反と思われてしまいます。香典返しの挨拶状の書き方ポイントをまとめてみました。
- 頭語や結語を忘れずに正しく作成
- 句読点は避ける
- 出すタイミングを守る
- 相手に応じた言葉を使う
それぞれ解説しています。
頭語や結語を忘れずに
香典返しの挨拶状を作る際、必ず頭語や結語を忘れないように作成して下さい。頭語とは、“敬具”といったような言葉で、“どうもこんにちは”などそういった簡単でカジュアルな書き出しは避けて下さい。また、言葉遣いも敬語を正しく使う事が求められます。
句読点は避ける
日本語の縦書き文章であれば句読点を使わない事がマナーとされています。香典返しの挨拶状は基本的に縦書きで作成される事、また法事が滞りなく進んだ事などをふまえ句読点の使用は出来るだけ避けるべきです。
出すタイミングを守る
香典返しの挨拶状を出すタイミングは、基本的に四十九日法要が終わった後が理想的です。例外的に葬儀当日に香典返しを渡す事もありますが、基本的には四十九日法要の後といわれています。
相手に応じた言葉を
香典を頂いた方の全てが同じ宗派や宗教といった訳ではありません。仏教やキリスト教や神道など四十九日法要の名称に違いがあります。その為、挨拶状を作る際、お相手の宗派に合わせた言葉を使うのがマナーといえます。また、忌み言葉なども避ける事が求められるので、どの宗派などにおいてもこれらは避けるべきです。
香典返しにおける挨拶状の例文
香典返しの書き方を参考に、香典返しの挨拶状の例文を紹介します。
謹啓
ご尊家益々御清祥の事とお喜び申し上げます
先般 亡父〇〇 葬儀に際しましては ご多用のところ ご会葬頂き 謹んで御礼を申し上げます
おかげをもちまして この度●●(戒名)四十九日法要を滞り行いました事をご報告いたします
生前故人が賜りましたご厚誼に対し 御礼申し上げます つきましては追善の微意を表し 供養のしるしとして 心ばかりの品をお送りいたしました
何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます
本来であれば拝趨の上お礼申し上げるべきところ大変失礼ではございますが
略儀ながら書中をもって ご挨拶申し上げます
謹白
令和●年●月●日
喪主 ●●
あくまで例文なので、ご自身のシチュエーションに合わせてアレンジ頂ければ幸いです。基本的には、以下の流れで作る事でマナーが守られます。
- 頭語
- お礼
- 四十九日法要を終えた事の報告
- 香典返しを送った事
- 直接合わずに挨拶状での報告であるへのお詫び
- 結語
- 日付
- 喪主氏名
挨拶状を書く紙にも注意
香典返しの挨拶状を作る為には、どのような紙に書くのかも重要になります。状況によってはマナー違反になってしまう恐れもある為、注意して作るようにして下さい。基本的には以下が一般的であり無難です。
- 奉書
- カード
- はがき
送る側の人の立場に立って、どのような紙で作るか考えてみて下さい。
香典返しの挨拶状はマナーを守って送ろう
香典返しの挨拶状など、普段書き慣れていない文面で作成しなければならず苦労してしまうかもしれません。しかし、パターンを覚えれば安心して作成出来ますしマナーも守れます。ぜひ、マナーに意識しながら香典返しの挨拶状を作成してみて下さい。