お世話になった人や支えてくださる方に感謝の気持ちを伝えたい…そんな時は「感謝の念に堪えません」という言葉がおすすめです。意味や読み方や使い方や注意点や言い換えなどを詳しく紹介します。これを機会に「感謝の念に堪えません」を正しくスムーズに使えるようになりましょう。ビジネスシーンでスマートに使えるとカッコいいですし評価もアップするかもしれません。
「感謝の念に堪えません」の意味とは
「感謝の念に堪えません(読み方:かんしゃのねんにたえません)」という言葉を耳にした事がある方も多いでしょう。かしこまった表現ではありますが、ビジネスはもちろん、それ以外のシーンでも度々登場します。まずは「感謝の念に堪えません」の意味を分かりやすく解説していきますので、この機会に覚えましょう。
意味を解説するにあたって、「感謝の念に堪えません」を分解して順に説明します。
1つ目は「感謝」です。馴染み深い言葉でしょう。ありがたいと感じて礼を言う、ありがたいと感じる、といった意味を持っています。「感謝しています」「感謝しきれません」などの使い方があります。お礼の言葉として定着しています。
2つ目は「念」です。常に心の中にある思い、という意味があります。つまりずっと忘れず覚えているほど強い気持ちという事です。普段は「怨念」「概念」などで使われています。
最後は「堪えません」です。抑えるや持ちこたえるという意味です。「感謝の念に堪えません」では抑えるが使われています。
そして3つを合わせた「感謝の念に堪えません」は、感謝の気持ちを抑える事が出来ない、ありがたいと強く思っていて気持ちを抑える事が出来ない、という意味になるのです。相手に溢れるばかりの強い感謝を伝える素敵なフレーズです。
「感謝の念に堪えません」の使い方や例文
意味が分かったところで、次は「感謝の念に堪えません」の使い方や例文を紹介します。決して難しい言葉ではない為、普段から使えるようになりましょう。
- 何も知らない私に1つひとつ指導してくださり、感謝の念に堪えません。
これは、退職や異動の際の挨拶での使い方です。これまで享受した教育や指導に関するエピソードを語りつつ、「感謝の念に堪えません」を入れると気持ちが伝わります。また、「ありがとうございました」も併用して大丈夫です。
- 〇〇様には日頃から良くして頂いて、感謝の念に堪えません。
お世話になった人にも使えます。ビジネスシーンはもちろん、先輩や先生が相手でも問題ありません。しかし固い表現ではあるので、「そんなにかしこまって…」と気を遣わせてしまう可能性があります。その為、近しい先輩や先輩に使うとかえって距離を感じさせてしまうかもしれません。逆に、年配の目上の方に対して使用すると好感度は上がるかもしれません。
- この度は新プロジェクトにご支援賜り、感謝の念に堪えません。ありがとうございます。
何か協力をして頂いた際のお礼言葉です。大規模なプロジェクトであったり、時間や労力を割くイベントであったり、そのようなシーンにおける感謝を述べる際に特に適切な言葉でしょう。他にも「協力賜り」「ご支持を賜り」などでも使えます。状況に合わせて例文を入れ替えてみて下さい。
- 会社の発展に大きく貢献されました事、感謝の念に堪えません。よってあなたの成績を称え、ここに表します。〇年○月〇日…
表彰や感謝状を渡す際にも使えます。ビジネスにおいて上のポジションにならなければ言えませんが、このような感謝の言葉がスッと出るリーダーは博識や知見が広いという印象を抱かれて慕われます。しっかり覚えておきましょう。
- 〇〇様には大変お世話になり、感謝の念に堪えません。
手紙での挨拶文です。「今後ともよろしくお願いいたします」など付け加えると良い仕上がりになります。もちろんメールでも使って大丈夫です。
- 楽しい時は一緒に笑い、辛い時には支えてくれて、本当に感謝の念に堪えません。
交際記念日やプロポーズで恋人に言う際の例文です。少しかしこまりすぎていますが、強い感謝の気持ちが相手に届きます。ただ「ありがとうございます」と言うだけで済ませたくない!と考えるなら使いましょう。義理のご両親が居る前での挨拶でも好印象を与える事が出来るかもしれません。
間違えると失礼!「感謝の念に堪えません」の注意点
お礼を伝える言葉である「感謝の念に堪えません」。ありがたく思っている時は言っても大丈夫ですが、注意点もあります。使い方を誤ると失礼に当たる事もある為、正しく使えるようになりましょう。
文章で使う際の注意点
手書きもメールも「感謝の念に堪えません」を使う際に「耐えません」「絶えません」と誤字をしやすいものです。どちらも間違いなので、しっかり「堪えません」と書きましょう。意味が変わってきてしまいます。
話し言葉で使う際の注意点
「感謝の念に堪えません」と言う前に、お礼する理由を入れましょう。どうして感謝の気持ちを伝えないのかがハッキリしていた方が、相手によく伝わります。ただ「感謝の念に堪えません」と言うだけでは何に対してなのか分からないので、突然かしこまって感謝をされた相手は混乱してしまうかもしれません。分かりやすくエピソードなどを語りましょう。
シーンに合わせられる!「感謝の念に堪えません」の言い換え
「感謝の念に堪えません」はお礼の言葉としてはかなり丁寧です。しかし固い表現でもあります。その為、日常的に使えるか?と言われると一概にそうとも言えません。友人や少しお世話になった人には別の表現の方が向いています。ここからは「感謝の念に堪えません」の言い換えについて紹介するので、シーンに合せて使い分けてみて下さい。
感謝申し上げます
「感謝の念に堪えません」よりも、少しだけ柔らかい言い換えです。「感謝」、つまりお礼の気持ちを申し上げています。
「この度は素敵な機会を与えてくださり、心より感謝申し上げます」
「〇〇様には大変お世話になりました。感謝申し上げます」
上記のように使いやすい言葉です。重たくなりすぎたくないけど、真剣さは必要…。なんてシーンにマッチします。また、「感謝申し上げます」には「ありがとうございます」が含まれているので注意しましょう。
お礼申し上げます
「感謝申し上げます」と同じように使える言い換え表現です。ちなみに「お礼」には感謝の気持ちという意味があります。感謝を申し上げるという意味合いがあります。柔らかく感じますがしっかりした言葉なので、ビジネスでも日常でも使えます。
誠にありがとうございます
日常でも目にする機会の多い言葉ですが、これも「感謝の念に堪えません」の言い換えです。「誠」は「本当」を意味します。つまり本当にありがとうございます、という意味になります。
「この度はご利用頂きまして、誠にありがとうございます」
「わざわざお越し頂き、誠にありがとうございます」
このように使います。
深謝(しんしゃ)いたします
あまり使われない表現ですが、「深謝いたします」も言い換えです。字の通り深く感謝する、という意味を持っています。
「ご支援賜り、深謝しております」
「ご贔屓頂き、深謝いたします」
上記のような文章で使うのが一般的です。
心より感謝しております
少し柔らかめの言い換えです。「心より」が「感謝しております」を強調させている為、相手に想いが伝わります。ビジネスシーンではもちろんですが、お世話になった人や先輩などにお礼を言う際に向いています。
本当にありがとう
友人や親しい人に感謝を伝えたい時は「本当にありがとう」がおすすめです。柔らかい表現なので互いに気を遣いませんし、それでいてしっかり気持ちが伝わります。先輩には「本当にありがとうございます」にしましょう。
感謝してもしきれない
こちらは感謝の言葉だけでは済ませられない、心より感謝をしている、という表現です。シンプルで相手に伝わりやすい為、お世話になった人に使いましょう。
「〇〇さんには感謝してもしきれないです」
「支えてくれてありがとう。感謝してもしきれない」
上記のように使いましょう。
感謝の気持ちでいっぱいです
感謝したい気持ちで胸がいっぱいになっている、という様を伝える言葉です。「ご指導してくださった皆様への感謝の気持ちでいっぱいです」と使います。ビジネスでも通用しますが、少し柔らかすぎるので相手に合わせて考えましょう。
シーンに合わせて「感謝の念に堪えません」を使いこなそう!
お世話になっている人にお礼を言える事は素晴らしいです。相手も嬉しいですし、感謝の気持ちを伝えた側も気持ちが良いです。せっかく覚えたので「感謝の念に堪えません」を使ってみて下さい。喜んでもらえます上に好印象を与えられます。
最後に改めて重要ポイントをまとめて紹介します。
- 「感謝の念に堪えません」は感謝の気持ちを抑えられない、という意味
- 「感謝の念に堪えません」を使う際はお礼を言いたい理由をつける必要がある
- 「堪えません」の誤字に注意
- 言い換え表現が多いのでシーンによって使い分けられる