自治会に入っている方であれば、何らかのタイミングで予算書の作成を依頼されることがあるかもしれません。自治会はその街などに住む人たちによって運営されている議会のようなものですが、町内会などから集金していることから、その使い道や次期繰越金などをしっかりと提示しなければなりません。自治会予算書の作り方や書き方を解説します。
自治会における会計の重要性
自治会での業務は仕事ではなく、基本的にはプライベートです。とくに何らかの報酬が出るわけではなく、あくまで運営費として受け取っている予算を動かし、町内のための活動をするといった団体です。
さて、そうなると自治会で予算書などかしこまったものを作成する必要があるか否か、疑問に思う方もいるかもしれません。たしかに、プライベートを削ってまでそれをやることなのか、毎回不思議な気持ちで手掛けている方もいるでしょう。しかし、自治会は多くの人たちから会費を得ていたり、場合によってはその区役所などから助成が出る場合もあります。
自治会の会計の仕事とは?
自治会予算書を作成する際、1年に一度だけ何もまとめていない状況で予算書を作成するのは避けるべきです。何も情報がないままでフォーマットは作成できるものの、自治会予算書に書き込む内容が虚偽ばかりになってしまう恐れがあります。
そのため、自治会予算書を作成する担当になった場合、日々の活動をしっかりと継続していく必要があります。まず、日々の活動について帳簿を必ずつけると良いです。以下のようなお金の動きを全て帳簿で管理しておく必要があります。
- 会費を集金
- 補助金の申請
- 利用費用
さらに、決算報告書と会計監査を受けるなどすることで不正が防止できますし、後でミスをしたといった形でトラブルを避けることができます。そして、予算書などを作成した後はそれをベースに総会で決算報告をおこないましょう。予算案の決議などを自治会総会で話合い、それが可決されたら報告書などを作成します。
その後、新役員になる方などの引継を行い、基本的には業務は完了です。
法人税が発生する場合もあるので注意
自治体予算案などを作成する重要のひとつが、法人税が発生する恐れがあるといった部分です。そもそも、自治会は任意団体のひとつであり法人ではありません。そのため、予算が余ったからといってその分が課税されることはなく、翌年に引き継げる形になるのが一般的です。
しかし、一方で注意したいのが物販などをして収益を出した場合です。自治会によっては何らかの商品を作成したり、屋台などで食品や飲料などを販売するなどして、収益を出す場合があります。その収益で自治会で何かイベントを開催したり、旅行などにいったり、そういった形で消費することもあり得ます。
この際、しっかりと予算案や収益がわかる帳簿をつけていないと、トラブルが発生することがありますし、自治会自体の名誉の問題にもなるでしょう。仕事ではないプライベートな業務だからといって、手を抜いた作業をすると大きなトラブルになるため注意するようにしてください。
自治会予算案の作り方と書き方
自治会予算案は、自治会で必要となる予算をまとめた書類です。とくに作り方に決まりはありませんが、一般的な予算案と同じフォーマットで作成されていることが重要です。自治会予算案の作り方や書き方について解説します。
自治会予算案の作り方
自治会予算案は、まずA4サイズの用紙に誰もが見やすいように作成されていることが必要になります。基本的には横書きで、各項目などが枠となっているように作成できるように作成していきましょう。
まず、一番上には自治会名を記載して下さい。「〇〇区〇〇一丁目」など、どこの自治会予算案か一目でわかるようにします。
そして、タイトルとして大きく自治会予算案といった形で作成しますが、「令和○年度 自治会予算案」といった形の標題だと分かりやすいです。そして下部には、「令和○年○月○日〜令和○年○月○」といった記載をし、(単位:円)などといった記載もしておくことをおすすめします。
収入の部と支出の部を作成
自治会予算案は、収入の部と支出の部のふたつの項目を作成する必要があります。この合計部分をしっかりと合わせることが自治会予算案の基本的な作成方法です。
まず、自治会予算案の収入の部には、以下を作成してください。
- 科目
- 前年度決算
- 予算
- その差引増減
- 備考欄
それらに対応するように、科目に以下を作成していきます。
- 繰越金
- 正会員
- 準会員
- 建設準備金
- 交付金
- 雑収入
それに対応するように予算などの数字を書き込みます。
支出の部は、以下の科目を作成します。
- 総務文化費
- 環境防災費
- 出張旅費
こちらについても以下を作成します。
- 前年度決算
- 予算
- その差引増減
- 備考欄
とくに備考欄には支出について詳しく記載しておくことで、具体的な使い道を提示できるため安心です。
自治会予算案は何度もチェックする
自治会予算案を作成する際、あとは数字を間違えないように作成していきます。基本的にマイナスになった部分は、「▲」などの記号を使うことで見やすくなることから、スマートな書き方を心がけて下さい。自治会予算案は、間違いがあると全てをチェックし直さなければならない書類です。そのため、自治会予算案を作成したら必ず第三者のチェックを何度も受けるようにして下さい。
自治会予算書の作り方を把握して時期繰越金などのお金の管理をしっかりと!
自治会予算案は、普段あまり作成することのない書類です。そのため、作成に手間取るかもしれませんが、前年度のものを活用したり、フォーマットを利用しながら書き方を身に付けていくと良いです。何度もチェックして不備がない書き方を実現して、時期繰越金をはじめとする金額の正確な管理に繋げて下さい。