教育実習や研究授業etcの際に、製作に悩まされるのが学習指導案書です。考える事が多く、製作に時間がかかる為多くの方が苦手としている学習指導案書は、そもそも何を書けばいいのかというお悩みを持つ方も多いかと思います。学習指導案書の書き方について必要な項目を主に解説します。小学校および中学校および高校で生かして下さい。
学習指導案書とは?
学習指導案書とは、主に小学校および中学校および高校や塾etcで製作される書類です。学習指導案書には大きく分けて3つの役割があるのです。
学習指導案書の役割その1:授業の設計図
授業は、生徒たちにいかなる力を身につけさせる為に、いかなる学習指導を行っていくのか、というゴールを詳細に考え、達成する必要があるのです。学習指導案書には、これらのゴールを達成する為の設計図の役割があるのです。
学習指導案書の役割その2:授業研究の為
小学校および中学校および高校では公開授業があるのです。公開授業では授業の狙い、工夫点、公開授業の観点を明確にする事がとても重要になります。その他にも予め知っておいてほしい事etcもあるかと思います。そんな時に学習指導案書は、共通理解を図る為の資料として、とても大切な役割を果たしています。
学習指導案書の役割その3:記録
授業を終えた後は、生徒の様子、自分自身の指導に関してetcを振り返り、成果や今後の課題、反省点etcを明らかにする事が重要です。学習指導案書は、このような記録も書き込む事で授業記録としての役割も果たします。
学習指導案書に記入する項目
学習指導案書には最低限下記の項目を記入して下さい。
- タイトルと授業の情報について
- 単元(題材)名
- 単元のゴール
- 単元の評価規準
- 指導観
- 年間指導計画における位置付け
- 単元の指導計画と評価計画
- 指導に当たって
- 本時案
小学校および中学校および高校によって、様式が異なります。決まった様式がないですので、学習指導案書を作るときはまず、小学校および中学校および高校に専用の用紙があるかどうかを確認しておいて下さい。また、小学校および中学校および高校によっても書かなければいけない項目が異なります。そちらも同時に確認して下さい。では、詳細な趣旨について下記にて紹介致します。
タイトルと授業の情報
タイトルは小学校および中学校および高校、学年、何の科目かを記入します。
中小学校および中学校および高校第◯学年〇〇科学習指導案
期日:令和◯年◯月◯日
時間:第◯校時
対象:◯学年◯組
小学校および中学校および高校名:◯◯◯中小学校および中学校および高校
授業担当者:〇〇 〇〇 ㊞
単元名
授業が含まれる題材名を記入して下さい。
例:
〇〇を収穫して、〇〇の成長過程を想像しよう。
教材名:〇〇〇〇(教材の作者・筆者・出版社名etcを記入)
単元のゴール
授業全体を通して、生徒にいかなる力を身に付けてもらいたいのかを記入して下さい。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主観に取り組む態度
上記の3つについて盛り込めるのが理想的です。
単元の評価規準
評価基準=ゴールですので、ゴールに書いた3つの項目と趣旨は同じです。ただし、全く同じ趣旨にはせずに、語尾や言い回しは変更しておいて下さい。例えば「〇〇を取り組む」→「〇〇を取り組んでいる」
指導観
- 単元(題材)観
- 教材観
- 生徒観
上記の3つの項目に分けて記入して下さい。どれも詳細な根拠をはっきりと説明出来るように記入して下さい。
年間指導計画における位置付け
各学年の年間指導計画の「どこの位置付きがあるのか」を簡単に説明して下さい。単元の場合は、1年間分の単元名・ゴールを表形式にすれば見やすくなるのでおすすめです。
単元の指導計画と評価計画
単元を通し、何がしたいのかを簡単に記入して下さい。
項目は下記の通りです。
- 時
- 主な学習活動
- 指導上の留意点
- 評価
指導に当たって
主に、題材に対してとくに工夫する点を記入して下さい。
- いかなる視点(いかなる観点)
- 何を工夫するのか
上記の2点を詳細に記入する事が大きなポイントとなります。
本時案
本時案の項目は、1時間いかなるフローで授業を行うかを詳細に書きます。学習指導案書の中でも最も重要な項目なのではっきりと考えて記入するようにして下さい。
本事案に記入する項目は下記の通りです。
- 本時のゴール
- 本時の展開
- 板書計画
学習指導案書を作る際のポイント
学習指導案書を作る際のポイントは下記のとおりです。
学習指導案書の製作のフロー
学習指導案書は何から手を付ければ良いのかわからないという方が多いです。製作フローは人それぞれですが、下記のようなフローで作ると製作しやすいです。
- 単元を決める
- 学習箇所に対応している学習指導要領の該当箇所を読む
- 本時のゴールを決める
- 本時ゴールを達成する為の問題を考えてみる
- 授業のフローを想像して指導案を記入する
- 他の人の指導案を読んでヒントに
単元を決める
まずは、教科書の何ページから何ページまでの授業を行うと決めて、単元を決定して下さい。
学習指導要領を読む
学習指導要領には、単元についての考え、授業の際の留意点etcが詳しく書かれているので読んでいるとヒントになります。
本時ゴールを決める
ゴールは1つの授業につき1つが妥当です。生徒の実態に合わせてゴールを決めて下さい。
授業を参観する人たちは、下記の視点で授業を見るので、上記の視点に応えられるようにゴールを考えるといいですよ。
- 授業を行う人がいかなるゴールを立てたのか
- ゴール達成の為にいかなる授業を行うのか
- 授業終了後、ゴールは達成出来たのか
本時ゴールを達成する為の問題を考えてみる
本時のゴールに対して、対応しているかどうか、必要感のある問題かを考えるのは、指導案作りの中でも最も重要と言っても過言ではないです。生徒がなぜ、やってみたいと思えるような問題になっているかどうかをチェックしてみて下さい。
授業のフローを想像して指導案を記入する
授業のフローを想像し、想像したときに思いついたフローをメモしてみて下さい。メモしたフローをヒントに指導案を作るとより書きやすくなります。
他の人の指導案を読んでヒントに
他の人の指導案は、一度一通り学習指導案が完成したらヒントにして下さい。そこで使えそうなところがあれば盛り込んでいくと良いです。他の方の指導案はネット上でもたくさん閲覧出来ますので、チェックしてみて下さいね!
小学校から中学校から高校までと幅広く用途がある学習指導案書をゴールを立ててはっきり書こう!
学習指導案書を初めからうまく製作出来る方はそういません。数をこなす事で慣れていき、一度製作のコツを掴めばその後はスムーズに製作出来るようになるのです。ここで紹介したポイントもヒントにし、自分の作りやすい書き方を見つけてみて下さい。
子供たちの成長のゴールを見据えた上で小学校および中学校および高校というそれぞれの成長のステージに合わせた学習指導案書を記入して下さい。