上司や社長などの永年勤続における祝賀会が開催される事があります。長年、会社に貢献し続けた方を表彰する大切な会ですので、心のこもった祝辞の挨拶が必要となるでしょう。そんな永年勤続の祝賀会で、立場は違えど挨拶をする機会があるかもしれません。いきなり任されてあたふたしないようにどのような挨拶が適切なのか、今回の記事では永年勤続表彰式における挨拶について例文やポイントを交えてご紹介していきます。
永年勤続対象者の挨拶
自分が社長やそれなりの役職についている方で永年勤続を祝われる側だった場合の挨拶について解説します。
自己紹介を忘れずに!
基本的な挨拶として自己紹介をする事が重要視されるでしょう。そもそも、大きな組織であれば社長に出会った事がない方もいますし、違う部署の方であれば顔も合わせたことがないという場合もあります。
自分の所属や役職、そして名前などを自己紹介してから永年勤続の挨拶をする事を忘れないようにしましょう。
勤続何年目か、入社年を伝える!
永年勤続という事は「長く同じ会社で勤めていた」という事になります。そういった背景からも、必ずいつ入社して何年勤続していたのかを挨拶に盛り込む事も重要になってくるでしょう。
例文:永年勤続対象者の挨拶
この度は、永年勤続について、表彰して頂き、誠にありがとうございます。この表彰は、私にとって身に余る光栄であるだけでなく、この勤続10年を振り返る良い機会となりました。
入社以来、仕事での付き合いの場で数え切れないほどの多くの方々と出会う事が出来ました。上司や先輩の諸氏、同輩や後輩の皆さん、そして取引先の方々。たくさんの方から仕事や人生において、多くの事を教わり、さまざまな経験をさせてもらいました。
今日の自分があるのは、その方々のお蔭と言って過言はありません。皆様に感謝するとともに、身の引き締まる思いもあります。勤続10年はまだ道半ばです。
これからも出会えた人との絆を大切にし、これから起こる新しい出会いや出来事に期待して、仕事に邁進していく所存です。今後とも皆様、宜しく申し上げます。
乾杯の挨拶
永年勤続の祝賀式などで司会を勤めたり、乾杯の挨拶を任される事もあると思います。そのような場合、部下が上司に向けて乾杯の挨拶をするパターンが少なくないようです。
軽い自己紹介
まずは軽く自己紹介をします。
相手の名前やお祝いの言葉
「○○部長。このたびは、勤続10年を迎えられて本当におめでとうございます。」と、相手の名前と祝いの言葉をプラスするようにします。
尊敬の気持ちを伝える
そして、「○○部長は、長年私たちに社会人としてだけでなく、人としての…」といったように相手の存在の大きさを褒め称えましょう。さらに、少しユーモアを加えながら本当に尊敬しているという旨をプラスするのも良いでしょう。
乾杯の号令
最後に「おめでとうございます」の唱和を促し、その後に乾杯の挨拶をしましょう。また、ある程度年齢が近い管理職の方が乾杯の挨拶をする場合は、相手の労をねぎらって会社に貢献した事をプラスしながら乾杯の号令へと繋げていくとスムーズに進む事でしょう。
例文:乾杯の挨拶
総務部の●●でございます。永年勤続の表彰を受けられた皆様、この度は、誠におめでとうございます。本日は、長い間当社の為に働いてくださった方々の表彰式という事もあり、支えてきてくれたご家族と一緒にお集まり頂きました。
皆様が入社された●●年となります。●●事件などが大きな社会問題となり、世の中が騒然としていた事を思い出します。あの激動の時代から、ずっと当社の為に誠実に職務をこなし、会社を支えて来て頂いた諸先輩方は、私たちに会社員のあるべき姿というものを教えてくれました。
私も、諸先輩方のように後輩の手本になれるよう努力に努め、諸先輩方に対して恥ずかしくないよう職務に邁進して行く所存です。それでは、皆様の長年の会社や人へのご貢献に敬意を表して、乾杯をさせて頂きたいと思います。
おそれいりますが、お手元のグラスをおとりになって、ご起立下さい。皆様、ご唱和、お願いします。
「皆様に感謝し、皆様のますますのご健勝を祈願しまして、乾杯!」
永年勤続祝賀会での乾杯の挨拶の例文をご紹介しました。上記でご紹介した例文が正解ではありませんので、乾杯の挨拶をされる方の立場などを考慮した上で、例文を参考に適宜挨拶文を組み立てて下さい。
永年勤続の手紙による挨拶
永年勤続に関して、表彰される側が手紙を出すというシチュエーションも少なくないでしょう。そのような時、スピーチとは違うパターンで挨拶をする事になるので注意が必要です。
冒頭の挨拶
冒頭は季節の挨拶を入れると自然です。「拝啓、桜見物の…」といった感じで季節を感じさせると良いでしょう。
勤続年数を伝える
「私におきまして12月末をもちまして勤続40年を迎える事が出来ました」と、いつ何年目になったか…というところをプラスすると相手にわかりやすいかもしれません。
感謝の言葉
表彰式に出席して表彰状をもらったり、社長や目上の方から表彰を受けた事も感謝の気持ちとして記載すると好印象でしょう。
今後の意気込み
強く感謝しているという言葉をプラスし、最後にこれからも努力していくという内容で締めくくるとキレイにおさまります。
例文:永年勤続の手紙による挨拶
拝啓、春光うららかな季節を迎え、いかがお過ごしでしょうか。さて、私におきましては、この4月1日に勤続10年を迎える事が出来ました。
その事に関して永年勤続表彰を頂く運びとなりました。この表彰におきましては、社長の方からありがたいお言葉を頂く事が出来ました。
私以外にもこの表彰を受けるものがいましたが、社長は常に我々社員の事を見て頂いている事を感じる事が出来ました。本当に感謝の気持でいっぱいです。この10年というのは、私達が10年間働いてきた結果なのでしょう。
私達が会社の為に頑張って来る事が出来たのは社長であったり、周りの諸先輩方々や同輩、後輩、取引先の皆様からのお力沿えがあったからこそです。素晴らしい仕事を頂いているからこそでしょう。
これからもこの職務を真摯に頑張っていきたいです。最後に、会社幹部の方、諸先輩方、同僚の皆様に心より感謝を申し上げる事で、お礼の言葉とさせて頂きます。今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
敬具
社長の挨拶
永年勤続を表彰する際、部長などの上司が表彰の対象になるケースもあるようですが、社長が表彰の対象になるケースも多くあるようです。祝賀会など、数多くの人たちが集まり、中には取引先の社員が集まる事もある為、永年勤続の挨拶が難しいと感じてしまうかもしれません。
確かに、部下やちょっとした上司の永年勤続の話ではなく、社長が部下などに向けて永年勤続の挨拶をするパターンになる為、あまりくだけたり個人について語るという事は避けた方が無難でしょう。
自己紹介
まず自己紹介をします。
入社日や勤続年数
入社日と今勤続どのくらいになったかを伝えます。
振り返りエピソードや感謝の気持ち
会社が大変だった事や、大きなプロジェクトによって成長した事などを踏まえて、その社員が私を支えてくれた…というようなニュアンスで感謝を述べると好印象です。
【注意点】自慢話は控えて!
あまり自分の功績ばかりを自慢したような挨拶になってしまうと“ワンマン社長”といった印象を与えてしまいます。周囲に感謝をして、これからも自らのビジネスを成長させるには多くの部下の力が必要だという挨拶で最後を結ぶようにすると好感をもたれるでしょう。更には、会社の団結力がより一層強まるというメリットも生まれます。
永年勤続のお祝いの挨拶は感謝の気持ちを添えるのがポイント!
永年勤続の挨拶をお祝いする際、基本は自己紹介をしてから何年勤続したかという事を明確に伝える事がポイントです。あまり長くならないように気を付けましょう。永年勤続の祝賀会の主役ではありますが、自分を主張し過ぎるのはナンセンスです。
最初はいろいろと迷惑をかけたが皆が助けてくれた、そして成長した今でも部下や周囲の人たちのおかげで今があるというような感謝の気持ちを忘れない挨拶にする事も心掛けましょう。
今の部署で何をしているか、そして今の部署で自分が将来どのようになりたいかなど、そういった今後のビジョンも加えて挨拶する事が重要です。
支えてきたや支えてくれた家族への感謝にも触れるような挨拶をする事も重要です。働かせてくれた会社や助けてくれた会社の仲間たちに感謝するのはもちろんですが、誰の為に頑張ってこれたかというのは、間違いなく家族の為でしょう。少しで良いので、家族への感謝の言葉があると単なる定型文ではなく、血の通った内容のある挨拶になります。
最後は、話を総合的にまとめて感謝の気持ちを表し、締めるとよいでしょう。
永年勤続のお祝いの挨拶は、勤続年数が10年でも20年でも感謝の気持ちを忘れない事が大切です。うぬぼれず、これからも邁進していくという旨が相手に伝わる事がもっともネックになります。このような思いはそのまま例文を使うのではなく、例文はあくまで参考にして自分の言葉で感謝の気持ちを表した方が心のこもった挨拶が仕上がります。永年勤続の挨拶を上手にまとめてみましょう。