社内文書にはさまざまな種類があります。その中にも、社内の中だけに提出される注意喚起の文書の作成を依頼される事があります。普段、社内文書で注意喚起を作成していない方にとって、意外にハードルが高くどういった文書を作成すればよいか悩んでしまうものです。社内文書での注意喚起やお願いの書き方や例文を解説します。メールなどによる情報漏洩の再発防止で安全を図る例文も紹介します。
社内文書による注意喚起の例文
社内文書による注意喚起の例文を紹介します。あくまで例文になっている為、ご自身の作りたいメールや周知したいお願いの内容に合わせた形でアレンジしてみて下さい。
文書番号 〇〇部署
〇〇社員各位 日付
作成者○部○○
新規取引先を謳った不審者による注意喚起
近頃、当社に新規取引をした〇〇だが、〇〇の資料も見せてほしいといった形で資料請求を行う事案が多く発生しています。〇〇部が聞き取り調査を行ったところ、そのような新規取引先との関連性は一切なく、連絡者が何らかの目的があって行っている可能性があります。
今後、そのような電話やメールが届いた際は、取り合わず〇〇部〇〇にまでご一報下さい。
連絡先 ○ ○
以上
社内文書による注意書との違い
社内文書で注意喚起を作る際、注意書と混合してしまう方もいるかもしれません。たしかに注意喚起は社員宛だけでなく、個人に向けて出されてもおかしくないドキュメントである事から、混合している方もいらっしゃいます。注意書の例文を紹介します。
文書番号 〇〇部署
〇〇社員各位 日付
作成者○部○○
注意書
貴殿は、これまで口頭で注意を受けていながらも、勤務態度に改善が見られず、勤怠不良といわざるを得ない状況です。貴殿の勤務態度は、ほか従業員への重大な支障を与えかねません。つきましては、今後このような勤務態度を改善されるよう、本書を持って注意いたします。
注意喚起と注意書の違い
注意喚起とは社内で起こっている何らかのトラブルや社員全体の行動への注意喚起を行う為に作成されます。
例えば、上記のような不審者による注意喚起といったパターンだけでなく、社員全体が本来正門から出勤しなければならないところ、裏門から出勤する人が増えている、そういった場合に社員の勤務態度を引き締める為の再発防止を呼びかける事もあります。
一方で注意書は個人に向けて出されるもので、すでに本人の勤務態度や何らかの過失による注意になります。注意書は、上記で簡単な例文を出しましたが、基本的にその注意書に対する反論の期間を設けたり、その注意書に従わなかった場合の処分も記載されます。
実際に注意喚起に関しては反論のドキュメントを促す事はありませんし、誰かを名指しで処分する事を載せるドキュメントではありません。注意喚起は、あくまで注意をお願いしているもので、注意書とは性質が違っている事を忘れないようにして下さい。
社内文書による注意喚起の書き方
社内文書による注意喚起文の書き方について解説します。社内文書による注意喚起は、しっかりと要点を押さえる事が重要になってくるので書き方を押さえてくようにして下さい。
簡潔に作成されている
注意喚起を作る際、あまり回りくどいようなドキュメントで作成しないように心がけて下さい。注意喚起の際、何がどのようになっている事から、その注意を促しているのかがわからないと、受け取った社員側も何に注意すべきかわかりません。
仮に、注意喚起であるにもかかわらず、関係のないエピソードが取り入れられると再発防止にも繋がらなくなってしまいます。注意喚起に限らず、社内文書は簡潔に作成される事が基本ですので注意しておいて下さい。
事実を書く
注意喚起文を作る際、憶測だけでドキュメントを作成しないように注意して下さい。例えば、匿名で社員から「〇〇を使っている社員がいるような気がする。実際に自分は見た事はないが、そんな雰囲気を醸している社員が数名いる」といった通告があったとします。
とはいえ、それだけでは社内文書として社内全体に注意喚起を出すには勇み足といえます。事実として気をつけるべき事象が起こっているのか、また本当にその事実で困っている人たちがいるのか、そういった部分を調べてから注意喚起文を作る必要があります。
特定しない事
注意喚起の際、社員の誰かが何かをしている事から、全体に再発防止を呼びかけるといった事もあります。社内文書は、犯人探しの為のドキュメントではない為、個人が特定されるような書き方は避ける事が基本です。
もちろん、個人名を出さなくても、どこの部署の人間が関連しているとか、具体的にどこで発生している事なのか、あまりに具体的に書くと特定されてしまう事もあります。社内文書による注意喚起はあくまで再発防止が目的であり、犯人探しの手がかりといった形ではない事を心得ておく必要があります。
注意すべき事がしっかりと記載されている
注意喚起のドキュメントを作る際、ただ「注意して下さい」といった文面だけでは意味がありません。具体的に、どのように注意すべきか、さらに注意を払う事によってどういった効果があるのかも記載すべきです。
例えば、社内で飲酒している痕跡が見つかったので…といった形の注意喚起を社内文書で作るとします。その際、規定によって飲酒は禁止されている事や、今後その部屋で飲酒している事が見つかったら処分を下す事も記載します。
そして、そういった現場を見かけたら連絡する事も記載して下さい。再発防止の呼びかけだけでなく、行動をお願いするような文面に仕上げるのも重要なポイントになります。
注意喚起を行って情報漏洩をはじめとする問題の再発防止に繋げて安全を図ろう!
社内文書で注意喚起文を作る機会がない方にとって、こういったドキュメントはハードルが高いイメージを与えます。まずはテンプレートを参考に注意喚起文を作成し、第三者にチェックしてもらって下さい。そこから、最終的に正しく書けるよう努力してみると良いです。
会社は情報漏洩や社員の怠慢といった幅広い原因が元で信用問題やブランドに傷が付いたり、社員がなかなか定着せず退職者が続出するというような難しい事態に転んでしまう可能性も十分あるのです。
大事になってしまう前に再発防止のお願いおよび注意喚起メールを周知して社員ひとりひとりと会社全体の安全に繋げて下さい。