何らかのタイミングで、作文の作成を頼まれる事があるかもしれません。それは読書だったり、日々の生活、何らかの指定の物語かもしれません。そんな作文の中でも取り分け小学生・中学生・高校生、また就職試験の際に求められる事が多いのが福祉作文です。福祉作文は、日常的に書くものではありませんので、どうやって書いたらいいかわからない方も多いでしょう。福祉作文の書き方や作り方について考えていきます。
福祉作文とは？
福祉作文とは、福祉にまつわるテーマをベースに書かれた作品です。障害のある方・被災された方・何らかの要因で不自由な立場におかれている方などに対し、書き手側が感じた事を作文として仕上げます。福祉作文は公的な文書ではありません。また、正解などが存在している訳でもありません。
基本的には、自分がそのテーマについて感じた事を心のままに記載する事が求められます。しかし、注意すべき部分もあります。それは、障害者などへの思いやりのない冷たい言葉をかけたり、相手側が傷つくような内容は常識的に記載していはいけないという事です。常識的な内容に収める事が重要になっていきます。過激でデリカシーのない攻撃的な文章は避けましょう。
そもそも福祉とは？
福祉とは「幸せ」を意味する言葉です。人間が「幸せ」になるために活動する事を、福祉活動・社会福祉援助と呼びます。例えば、高齢者の方を補助するための福祉施設や福祉サービスなど様々なものがあります。大きな枠組みで言えば高齢者だけではなく、身体的に不自由な方であったり、小さな子どもだったり、誰かの助けがないと生きていけない何らかの事情を抱えた方を救済するのが福祉です。
つまり、福祉イコール高齢者への援助などと、一括りに決められている訳ではないのです。広い意味を持つのです。困っている人を「幸せ」にするのであれば、それは立派な福祉活動です。
福祉についての大まかな知識を身に付けよう
例えば、高齢者の方の福祉について作文を書くのであれば、高齢者の方がどんな事に困っているのか・どんな事に対して不便があるのかを知る必要があります。広い目で見ると社会福祉という分野に目を向けるのであれば、世の中にはどのような福祉サービスや福祉活動を行っているのかを知っておく必要があるでしょう。福祉作文を作成するにあたり、まずは自分がどのような福祉について書きたいかを決める必要があります。
福祉作文のテーマの決め方
小学生・中学生・高校生で福祉作文のテーマを決める事が難しい場合があります。では、福祉作文においてのテーマはどのようにして決めれば良いのかチェックしましょう。一般的に作文のテーマとは、簡単に言えば作文を見てくれる人にどのような事を一番伝えたいのかという事です。自分が作文を書く事で、このような事を主張したいなど自分が大切だと思う事がテーマになります。
テーマの大小はどちらでもＯＫ！
一般的な考えでは、その作文のテーマの範囲は、大きく捉えても小さく捉えてもどちらでも問題ありません。自分が書きやすいテーマを選ぶ事が良いでしょう。テーマの大小に関わらず、書く場合に理想的なものは実際に自分が福祉体験をした事などです。体験談であれば唯一無二でありリアルを表現出来ます。
大きいテーマの場合
例えば、障害者福祉という大きいテーマにするならば、障害者福祉について自分はどう考えるのか、現状はどういうものが障害者福祉なのかを説明しながら書きます。それが肯定的な文章であっても、否定的な文章であっても問題ありません。小説や論文を書いているのではないので、あくまで自分がどう感じたかが一番重要なのです。
小さいテーマの場合
小さい範囲となると、例えば福祉施設の老人ホームについて焦点を絞ります。焦点を絞ったテーマの中で、自分の考えや感じた事などを書くのです。表現は基本的には自由です。
福祉作文の書き方
福祉作文を書くにあたって、良い福祉作文を作成する・ストレスなく作成する書き方のコツをご紹介します。
起承転結・おもいやりを盛り込む
福祉作文を書く際、重要になってくる事は起承転結がしっかりとしている事だけです。ストーリー性が弱く物語として成り立っていなくても、中学生や小学生であれば気持ち・思いやりが全面に出ている事によって評価される事もあるので思い切り書きましょう。
テーマによっても切り口が大きく変わってきます。障害のある方の生活に密着する事なのか、被災者の方の気持ちを思って書く事なのか、高齢者に対して社会がどういった優しさを持つのか。こういったテーマから大きくぶれる事がなければ、福祉作文を作成した後でも評価される事があります。
自分の書きたいように書く
型にはまりすぎずに自分の書きたいように書くという事も重要です。実はこれが一番重要かつ一番難しい書き方なのです。作文とは、自分の思い・考え・感想を文章にする事です。これらの事を口にするのは意外と簡単であり誰もが分かってはいる事ですが、いざ文章を書くとなると途端に書けなくなってしまう方がいます。そういう場合は、文章を通して自分以外の人に話をしていると思って書くと書けるようになる場合があります。
変に気負う必要はありません。むしろ、上手に作文を書こうとすればするほど陳腐・量産型な論文のような文章になってしまい、読んでいて人に伝わらない作文になってしまいます。作文に正解はありません。正解がないからこそ難しいと捉えがちですが、まずは自分の書きたいように書いていく事が重要です。
箇条書きでブレーンストーミングをする
作文の書き方として箇条書きにして書くという方法もあります。どうしても文章がまとまらないという方は、まずは書きたいテーマについて思った事を全て箇条書きに書き出すとアイデアや書きたい内容が溢れてくる場合があります。ブレインストーミングをして作文に取り入れる事が出来る内容かどうかという事は考えずに、ただ思いつく事を列挙します。このように箇条書きで書き出した文章を点と点を繋げて線にするように繋げそうなものがあればそれを絡めて文章にしていきます。
また、箇条書きにしてみたものの、使わないものがあれば削除して使わなければ良いのです。箇条書きを沢山書き出す事が出来ない場合は、テーマを考え直してみる必要もあります。
出来上がった福祉作文は第三者に読んでもらう
作文の書き方で重要な事が、出来上がった作文を他人に読んでもらうという事です。自分の中では、上手に書けたと思っていても、他人から見たら文法が間違っている事や、何が言いたいのか伝わっていない場合もあります。そのような事がないように、作文が出来上がった場合は、まず他の人に読んでもらう事をおすすめします。可能であれば違和感のある部分を指摘してもらい、自分の考えや感想がちゃんと伝わっているかを確認してみましょう。
他人に読んでもらのうと同じように時間をおいて後から自分で見直すという作業も必要です。これは、書いている時には自分では気付けなかった誤字脱字に気が付けますし、前述した文章の起承転結の構成を見直す事でより良い文章に修正する事が出来る場合もあります。そして一番重要な自分の書きたい事がちゃんと人に伝わるように書かれているかを確認出来る事です。作文は、テーマについて自分の考えや思っている事を他の人に伝えるものです。その事をしっかりと考えて見直してみましょう。
福祉作文の起承転結
福祉作文の起承転結を考える時、あまりに難しい事を考えてはなりません。出来るだけシンプルに読みやすい構成が望ましいです。読み手の事を考える事が出来ている読みやすい内容を意識した書き方が求められます。
例えば、障害者の方の生活に寄り添った福祉作文を作成するとしましょう。そういった場合は、はじめはなぜその人たちをテーマに作文を書こうと思ったのかという事です。作文が募集された事で、あらためて考えるキッカケにしたかったとか、身近に障害を持っている方がいるので密着したかった…など、いろいろなキッカケがわかれば問題ありません。
次に、実際に生活をしてみた時の苦労などを感じたように書きます。排泄だったり、食事、そういった事などをしている風景を見て、自分だったらとても生活する事が出来ない…というようなレポート的な内容であれば問題ありません。
福祉作文の上手な書き方
福祉作文をレポートに終わらせないためには、ここからの書き方がポイントになります。起承転結の転の部分ですが、自分だったらこういった生活はなかなか厳しいと伝えながらも、その当事者たちはとても楽しそうに暮らしている、という事です。そして、馴れているから苦労はないなど、自分が思っている以上に彼らは明るく精一杯生きて来た…という事を記載しましょう。そして、自分はまだまだ恵まれているのに、贅沢ばかりを求めてしまい成長が足りない。と、いった感じで自分を戒めたり、社会を戒めるような一文があると刺さる事でしょう。
最後は、シンプルに今回どういった事をしたのか、そして自分がどう感じたのか、そしてこれからどういった部分を生活に生かしていくのか。こういった部分をしっかりと取り入れる事で、福祉作文を上手に仕上げる事が出来るでしょう。
福祉作文のコンクール
福祉作文は、小学生や中学生が対象としてコンクールが開催される場合が少なくありません。日本中、さまざまな団体や企業、組合などが福祉作文のコンクールを開催しています。こういったコンクールで受賞して入賞作品に選ばれるよりは、参加する事に意義があると考えるべきでしょう。例えば、福祉作文のテーマに日頃の生活やボランティアをした際に感じた事などをテーマにしている事があります。
小学生の場合、400字程度でまとめろという感じで字数が決められているので、それに沿った内容を起承転結あるように記載しましょう。中学生になれば、福祉作文も800文字になる場合があるので、作文の制作に慣れるきっかけに繋がります。福祉作文のコンクールにおいて入賞作品に選ばれた場合は朗読会などで読む事もあります。しっかりと声を出し、自信を持って自分の作品を読むように心掛けましょう。
福祉作文は自由に書く
福祉作文を作る際、深く考え過ぎたり狙ったりするのではなくシンプルに自分が感じた事を書く事が大切です。ポイントは、相手に自分の気持ち・思いやりが伝わる事です。福祉作文を作っていろいろなチャレンジをして、様々な発見に繋げましょう。
