不動産会社の方々が、お部屋の管理を行う際や、業者がリフォーム業務を行う際etc、何らかの理由にてキーを借りなければいけないケースがあります。その際に発行される書類が「鍵借用書」です。業者間ではもちろん、個人でのやりとりでも使用出来ます。返却時のトラブルを回避する役割もあります。鍵借用書に関して作り方や作成時のポイントや注意点をご紹介しますので参考にして下さい。
鍵借用書について
作り方を知る前に、鍵借用書の概要を把握しておきましょう。
鍵借用書とは?
キーを貸し出したや借りたという事を証明する書類です。主に、留守中のお家や工場etc、何らかの理由でキーを使って室内に入る必要がある場合に使用します。
鍵借用書と鍵預かり証の違い
似ている文書に、鍵預かり証があります。違いを説明します。
鍵借用書
鍵借用書は、鍵を条件同意の元で貸し出している事を証明する書類です。貸出人がキーを貸し出す際は、「鍵借用書」を作成しましょう。
鍵預かり証
鍵預かり証はキーを預かっている旨を証明する書類です。基本的に預かり書は預かる側が発行する書類です。
鍵借用書の必要性について
通常の借用書(金銭借用書や物品借用書etc)と同じ効力があります。キーの貸し借り時には様々なトラブルが発生し得ます。
- キーを貸し出したのに「借りていない」と主張されてしまう場合
- 無くしてしまっても、無くした際の処置について「そのような内容は確認していない」と、主張された場合
借用書が無ければ、貸した側にとって不利となってしまうケースが多いです。そのようなトラブルを未然に防ぐ為にも、キーを貸し出しする際は、鍵借用書を作成しておきましょう。トラブル対処にかかる時間やコストが本業に影響を与える可能性もある為、出来る事は事前に準備しておきましょう。
鍵借用書の作り方
作り方を概要とひとつずつの項目に沿って確認していきましょう。
用紙
基本的にはA4で作成される事が多いですが、鍵借用書はテンプレートや様式が決められていません。極端に言うと広告の後ろに書き込んでも借用書として使用する事が出来ます。よって、用紙のサイズも自由です。
手書きでも可能?
手書きでも可能です。しかし、鉛筆や消せるボールペンetc消せてしまうもので書いてしまうと偽造される恐れがあります。手書き作成をする場合は、必ずボールペンで作成しましょう。
記入項目や内容
記入すべき項目とその内容についてご紹介します。
表題
何に関しての書類なのかが見てすぐ分かるように記入します。キーの借用書の場合は「鍵借用書」を表題にしましょう。
貸出人氏名
キーの貸出人の基本情報を記入します。
個人の場合
名前や住所や連絡先を記入します。
会社の場合
会社名や会社住所や電話番号を記入します。
借用者氏名
借用者氏名はサイン欄を作成し、そこに記入をしてもらいます。押印も必要ですので、押印欄も作成しましょう。
借入する旨を文章に表す
借入をする旨を文章で記入します。
- 「下記の通り借り入れいたします。」
- 「契約事項を厳守する事を約束します。」
キーの種類
貸し出すキーの種類やナンバーを記入します。
貸し出すキーの本数
返却時に確認をする為、貸し出すキーの本数を記入します。
使用目的
キーが必要な理由を詳しく記入出来るように、少し大きめに欄を作成しておきましょう。
貸出期限
キーの貸出期限がある場合は、期限の記入をしましょう。期限の日付は必ず和暦や西暦から記入するようにしましょう。
契約事項
キーを借りる際に条件がある場合etcは記入しましょう。
鍵借用書の契約事項例
キーを貸し出す際に事前に伝えておきたい契約における重要事項は具体的に記入しましょう。
記入例を、いくつか挙げます。
- 例1)返却の申し出があった場合、速やかに返却する事。
- 例2)キーの複製は許可なくおこなう事は禁止です。
- 例3)キーを紛失や破損した場合は○○○円を弁償する。
- 例4)貸出期間終了時に速やかにキーを返却する。
その他重要項目
その他、キーの貸し出しの際に重要な事項がある場合は必ず記入しましょう。
鍵借用書の作成時ポイント
作成する時に心がけると良いポイントをご紹介します。
意識して作成するポイント
種類によっては、少し難しい内容のものもあります。しかし、鍵借用書に関しては特に難しい内容は不要です。キーの貸し借りにおける事項を記入しておけば、特に問題ありません。
- いつ
- 誰が
- 誰に
- 何を(キーの種類とナンバー)
- どのような条件で
- どのくらい(期間)
借用条件は別紙記入でもOK
条件が多く、1枚にまとまらない場合は、条件のみ別紙で記入しても問題はありません。別紙に記入する場合は、本紙に「借用条件は別紙1に記入」「別紙1に記入の借用条件に同意しました□(チェックする欄を作成する)」のように別紙の存在を記入しましょう。
鍵借用書の作り方における注意点
押さえておきたい注意点についても触れます。
返却に関する内容は忘れずに!
借りる事実のみを記入して返却に関しての記入がない場合、返却に関してトラブルがあった際に不利となってしまいます。このようなトラブルを防ぐ為の鍵借用書です。必ず返却に関する詳細を忘れずに明確に記入しましょう。
借用条件は偏った内容や法的違反となる内容は記入しない!
例えば、以下のように借りる人一方だけに不利な内容を記入してしまうと、借用書自体が無効となってしまう場合があります。
- 「キーを紛失した場合1,000,000円の弁償金を支払う。」
- 「キーの返却を1分でもオーバーした場合、弁償金と同額を支払う。」
鍵借用書は法的強制力がない!
キーの貸し借りの事実を証明するetcの法的効力はありますが、借用書の内容に基づいて強制執行が出来るほどの法的強制力はありません。
鍵のコピーがある場合
借りる人が何らかの理由でキーをコピーしている場合は、防犯上コピーしたキーも回収しましょう。理由によってキーのコピーを許可している場合は、借用書にキーのコピーをする場合は報告が必要や返却時はコピーも返却しないといけない旨を記入しておきましょう。
借りる人の控え
借用書の内容によっては、控えを渡す必要がある物もありますが、鍵借用書の場合は控えを渡す決まりはありません。特に心配がなければ渡さなくても大丈夫です。条件がいくつかある場合や借りる人の要望があれば、コピーを控えとして渡しておきましょう。
ひな形ダウンロードサイトで簡単作成!
鍵借用書は、無料でダウンロードが出来るテンプレートやひな形サイトで簡単にダウンロード出来ます。ひな形には事前に必要項目が組み込まれていますので、安心して使用する事が出来、追加条件etcも簡単に入力出来るので大変便利です。鍵借用書を作る時間が無い方や、作成が難しいと感じる方におすすめです。