忌が明けるタイミングの事を指す言葉、忌明け。この忌明けのタイミングと共に、お世話になった方たちに挨拶状を作る方も多いのではないですか？しかし、一口に忌明けの挨拶状といっても、いつ出すべきか？香典返しに添えて良いか？挨拶状のみでも良いか？というような色々なマナーが存在します。四十九日を迎えた忌明けの挨拶状の書き方や例文を紹介します。
忌明けについて
忌明けの挨拶状を正しく書く為には、忌明けの意味も理解しておくべきです。まずは忌明けについて考えていきます。
忌明け
忌明けとは、個人が四十九日を迎えた後、遺族が喪に服す期間が終わった事を意味する言葉になります。四十九日法要（満中陰法要）が四十九日のタイミングで執り行われますが、これを節目に忌明けとする場合が多いようです。喪に服している期間を中陰と読んでおり、この期間が終わった時期を忌明けといいます。
忌明けの挨拶状について
一般的に忌明けの際に遺族は香典返しや納骨を行います。特に重要になってくるのが通夜や葬式で香典を頂いた方たちへの、香典返しです。参列者に返礼品を送る事がマナーといわれています。大きく分けて二つの送り方があるのです。
- 香典返しに添える
- 挨拶状のみ送る
香典返しに添える
お礼や四十九日法要が無事終わった事を報告する為に、香典に挨拶状を添える事があります。 直接会う機会がある方や通夜当日に返す「即日返し」をした場合に挨拶状は不要とされていますが「忌明けの挨拶状」だけでも出すのがマナーといえます。
挨拶状のみ送る
前述したように、香典返しの必要がない方もいます。また個人の意向で香典を寄付したり何らかの理由で生活費に当てる、香典返しができない方もいるかもしれません。そういった理由であっても、忌明けの挨拶状のみでも送るべきです。
忌明けの挨拶状を作るポイント
ここからは忌明けの挨拶状の書き方について考えていきます。書き方にはマナーが存在し、それを守る事が重要になります。それらポイントをいくつかまとめました。
- 忌み言葉や重ね言葉は避ける
- 句読点は避ける
- 頭語と結語の入れ方に注意
忌み言葉や重ね言葉は避ける
忌明けの挨拶状であっても不幸を表す忌み言葉は避けるべきです。さらに、再三、ますますといった言葉が繰り返される重ね言葉もマナー違反といわれているので注意を払うべきです。
句読点は避ける
法事が滞りなく進められるように、忌明けや弔事の挨拶状では句読点の使用を避ける事がマナーとされています。さまざまな理由があるといわれていますが、どんな理由にせよ使わないのが無難です。どうしても文章が長く読みにくくなりそうであれば、半角分を空欄にしておけば問題ないです。
頭語と結語の入れ方に注意
頭語と結語を必ず利用します。マナー的には省略をしてもよいのですが、利用すれば文章がとてもキレイにまとまります。ただし時候の挨拶ではなく、「謹啓」なら「謹白」、「拝啓」であれば「敬具」といったセットで利用して下さい。
忌明けの挨拶状の例文
例文を紹介します。仏式を想定した例文にします。
拝啓
先般 祖父●● の葬儀に際しましては
ご多用中にもかかわらずご鄭重なるご厚志を賜りまして誠にありがとうございました
故人に代わりまして厚く御礼申し上げます
●月●日 四十九日の法要を滞りなく相済ませました
つきましては供養として 心ばかりの品をお届け申し上げました
ご受納頂ければ幸甚に存じます
まずは略儀ながら 書中をもちまして 謹んでご挨拶申し上げます
敬具
これらは仏式ですが、神式の場合は「五十日祭」、キリスト教のプロテスタントであれば故人の命日から1か月後の「召天記念日」が、忌明けの挨拶状を送るタイミングとなります。宗派や宗教、出す側においてもいつ送るかのタイミングに違いが出てくる為注意を払うべきです。
ちなみに無宗教という方も珍しくはないですが、お葬式をおこない香典を受け取っている場合、香典返しや挨拶状の送付は行う事がマナーですので注意を払うべきです。
忌明けの挨拶状のマナーを守って香典返しや挨拶状の送付をしよう！
四十九日明けの忌明けに香典返しや挨拶状を送るのは骨の折れる作業です。とはいえ、長くお付き合いし続ける方とのやり取りである為、マナーを守る姿勢は重要です。無礼にならない書き方を押さえていつ出すべきかのタイミングも押さえて余裕を持って作成をして下さい。
