年賀状には様々なマナーが存在し、それをすべて把握していない方も多くいらっしゃるでしょう。特に、近年ではメールやラインなどのSNSで新年の挨拶を済ませる方も多く、年賀状を出す方も昔に比べ減少しています。しかし、会社やお客様に対してはしっかりと年賀葉書で挨拶する事が社会人のマナーです。マナーを知らずに間違った内容で送ってしまうと失礼になる場合もあります。年賀状の「句読点」や「赤文字」の使用マナーについて解説します。
年賀状のマナーとは?
年賀状には基本的なマナーがあり、マナーが守れていないと失礼にあたる事もあります。
年賀状のマナーは基本的に、以下の通りです。
- 句読点は使用しない
- 赤文字は使用しない
- 敬称を正しく使用する
- 賀詞を正しく使用する
- 忌み言葉は使用はしない
- 意味の重複はしない
- 文字の間違いは修正する
- 喪中の場合基本的には送らない
- 到着が1月7日をすぎる場合は寒中見舞いを送る
この中でも句読点や赤文字の使用マナーを中心にご紹介します。
年賀状マナー句読点の使用について
年賀状のマナーに「句読点の使用は原則NG」とされています。句読点は「終わり」「区切り」という意味を持っているという事から、その人との関係が終わるという意味も含まれている為、年賀状にはふさわしくないと言われています。その他にも昔の日本人には句読点を書く習慣がなかったという文化が残っているというのが、句読点を使用しない事の理由とされています。
句読点の代わりに使うものは?
句読点を一切使ってはいけないと言っても、句読点を使用していない文章は区切りが全く無いので読み辛いです。文章だけでは目がチカチカしてしまいますし、どこで区切れば良いのか分かり辛いです。改行や空白を利用して読みやすい文章に仕上げる事を意識しましょう。
- 「あけましておめでとうございます昨年中は大変お世話になりました今年もよろしくお願いいたします」
- 「あけましておめでとうございます
昨年中は大変お世話になりました 今年もよろしくお願いいたします」
改行や空白を使用するだけでも文章が読みやすくなるので、工夫して文章を作成しましょう。
句読点の有無を気にしなくていい場合
「関係性が終わる」と言われているだけで、本当にそうなってしまうわけではありません。あくまで「縁起が良い・悪い」の話ですので、こういった言い伝えを気にしない親しい友人・年の近い家族に送る場合は、句読点を入れても問題ないでしょう。しかし、身内であった場合でも年配の方や目上の方には使用しないのが無難です。失礼になりかねないグレーゾーンな相手に対しては、マナーを厳しく守って書く事をおすすめします。
年賀状における赤文字の使用マナーについて
赤色(朱色)は昔から、邪気・魔を払い幸運を呼ぶ色として使用されてきました。良く「謹賀新年」などの賀詞に赤色の文字を採用している年賀状を見るのですが、謹賀新年などの賀詞だけであれば、使用する事は問題ありません。しかし、宛名面の場合は黒もしくは青という規定が郵便上で決められているので、使わないようにしましょう。
年賀葉書以外の葉書で年賀状を出す場合のマナー
年賀葉書以外を使用する場合は、宛名面に赤文字で「年賀」と記載する必要があります。この記載がなければ、年賀状として扱われず一般の郵便物として扱われて年内に配達されてしまう恐れがありますので注意しましょう。
年賀状には修正ペンを使わない!
年賀状を作成していると、誤字や脱字など間違いがつきものです。ミスをした時に修正テープや修正ペンを使いたいですが、修正テープや修正ペンを使用する事はNGとされています。相手にとって失礼になる行為です。間違えてしまった箇所は修正せずに新たに作り直す必要があります。「親しき仲にも礼儀あり」というように、たとえ仲の良い友達に送る年賀状であっても、修正せずに新しい年賀状を使って書き直す事をおすすめします。
間違えた葉書は交換可能!
間違えた葉書は捨てずに保管しておきましょう。郵便局へ持参すると1枚5円で交換出来ます。
下書きをしてミスを減らそう!
間違えた葉書は交換してもらえますが、出来ればミスなく書きたいです。そんな時は鉛筆で薄く下書きをしてから作成する事をおすすめします。鉛筆で下書きをしておけば、下書きの段階で何度も修正する事が出来るのでミスを大幅に減らす事が可能です。この方法であれば修正ペン・修正テープを使わないで済みます。
その他、マナー違反行為について
句読点や赤文字のように、その他年賀状で気をつけなければいけない点をご紹介します。
使用する漢字の注意点について
メッセージなどを追加する場合に特に気をつけなければいけないのが、使用する漢字についてです。
避けたい漢字は以下のとおりです。
- 去
- 戻
- 倒
- 別
- 離
- 消
- 負
- 敗
- 流
- 失
- 破
- 滅
- 枯
漢字を見ていると「別れる」や「離れる」などの意味を持つ漢字ばかりです。このように関係性が終わるというニュアンスが含まれた漢字は使わないようにしましょう。
忌み言葉の使用の注意について
漢字と同じく、言葉にも避けるべきものがあります。
- 去る
- 失う
- 病む
- 滅びる
- 絶える
- 衰える
- 枯れる
- 倒れる
近状を一緒に伝えたいという方もいらっしゃるかと思いますが、その際は使用する言葉は選ぶようにするか、近状報告は別の機会にしましょう。よくある間違いで「去年は大変お世話になりました」という言葉ですが、去年の「去」には忌み言葉ですので「昨年」「旧年」などの言葉を選びましょう。
句読点・赤文字という細部までマナーを守って年賀状を送りましょう!
年賀状には、いくつか守らなければいけないルール・マナーが存在します。その中でも、句読点・赤文字の使用については特に知らない方も多くいらっしゃいます。最近では、デザインが既に出来上がっている年賀状を使用している方も多いので、句読点や忌み言葉などについて気をつけなくても失礼に当たらないようになっています。しかし、メッセージ部分を自分で編集したり、手書きでメッセージをつけようと考えている方は特に注意して作成するようにしましょう。失礼のない、縁起の良い年賀状を作成して、気持ち良く新年を迎えましょう。