住んでいる地域の自治体や会社の上司へ、意見や提案を作成して提出を行う要望書ですが、どのように書いたらいいのか、なぜ作成しなければいけないのか、疑問に思っている人もいらっしゃいます。また、口頭で意見や要求を伝えても取り合ってくれないが、要望書を提出を行うえば取り上げてくれるというシチュエーションもあり得ます。要望書の書き方や提出方法や署名の要否を解説します。
要望書
どんな資料なのか?作成を行う事に意味はあるのか?を解説します。文字通り、誰かに宛てて何か要望や意見があるシチュエーションにて、相手にそれを確実に伝える為に作成を行う資料です。
要望書の提出を行う事情や状況には実に様々なものがあります。書き方やテンプレートといった決まった様式は無いです。作成義務もありません。
色々なシチュエーションにおける例文
「要望や意見や提案がしたいシチュエーションで作れば良い資料だ」というポイントを理解した上で、具体的にどのような状況にて作る資料なのかを例を交えてチェックしていきます。仕事の場だけではなく、学校やや生活の場においても様々な使用方法があります。
伝えたいポイントがあるケースでは、以下をを具体的に書き込んで下さい。
- どう改良してほしいのか
- なぜ改良してほしいのか
【例1】自治体における地域のゴミ出しルール改良
現在町内のゴミは路上で収集されている。しかし、ごみ袋が破れて中身が散乱してる事例が多発している。その為、町内の要望として町にゴミ収集ステーションの設置を求める要望書を提出した。
【例2】市道の整備促進(標識や信号の設置)
ある市道の道幅がかなり狭くなっている。車が走行してると、歩行者が身を避けるスペースがなくかなり危険。いつ事故が起こってもおかしくない状況が続いている。早急に道路の改良工事(標識や信号の設置)を実施して頂けるように要望書を提出した。
【例3】助成金の継続
町内で高齢者の増加してきている。イベントや会合の開催を行う為の自治会の財政負担が多い。助成金にて補助していたものの期間が終わる為、さらなる継続を要望した。
【例】その他
上記の例以外に考えられる他の例も列挙します。
- 会社での期間雇用社員の待遇改良
- 職場の人員増員
- 会社における事務商品の常備
- 学校のクーラー設置
- 学校のいじめ問題解決
会社や学校や自治会と要望書が使えるシーンは幅広く多岐に渡ります。
要望書の目的
要望を伝えるだけならば、口頭でもいいのでは?と思う人もいらっしゃいます。しかし、口頭で沢山の情報を伝えてしまうと、以下のようなリスクを孕みます。
- 内容をよく理解して貰えない
- 要望が通り辛い
- 話した内容を覚えていてくれていない
- 言ったや聞いていないのトラブルに
要望書として資料に残す事で、伝えたい事を正確に伝える事が出来るだけでなく、採用してもらえる可能性も高くなるというメリットがあります。
要望書や嘆願書や請願書の違い?
要望書と嘆願書と請願書は、こちらのお願いを聞いて欲しいというリクエストを伝えるという意味では一緒です。ただ、同じような言葉ではありますが提出を行うシーンや状況によって、どの資料として仕上げるべきかが変わってきます。
要望書と同じように使われる「嘆願書」と「請願書」との意味の違いや重みの差も紹介しますのでチェックしておけば正確に使い分けられます。
嘆願書とは?
嘆願書の嘆願とは「事情を述べて願う事」です。嘆願書とは嘆願が書かれた資料なので、事情を説明した上で、ある事柄の実現を願う資料です。
主に行政や税務署に対して何かを求める際に、事情を説明した上でこうして頂きたいと願う旨を伝える資料です。具体例を以下に列挙します。
- 交通事故で加害者の刑事罰を軽くする目的で、被害者側が嘆願書を提出してくれた。
- 慢性的に保育園の空きが無く、困るので行政に嘆願書を提出。
- 税務調査で、何らかのミスがあった事情を説明して情状酌量を求める為に嘆願書を提出。
請願書とは?
請願書の請願は自分の希望が赦してもらえるように、目上の人や役所に資料で願い出る事です。請願書は、主に国や又は地方公共団体(役所)に宛てて希望を出す資料です。
請願を行う権利、いわば請願権というのは日本国憲法にて基本的人権のひとつとして認められておりますので、どなたでも請願を行えます。請願書を提出を行うための手続きとしては請願法によるものになり、日本国憲法16条で保証されます。
請願書の提出には1人以上の議員の紹介が不可欠です。請願書は、議員の紹介によって国や地方団体に提出を行う資料となります。具体例を以下に列挙します。
- 損害の救済
- 公務員の罷免
- 法律や命令規則の制定や撤廃
政治に対する要望や意見や苦情を直接国会や地方議会に図れる制度です。また、請願書は、要望というよりも自分の正当な権利を伝えるという意味で作成される事が多い点も要望書とは違う意味合いとなってきます。
資料の重みも、要望書や嘆願書より請願書の方が強くなります。
いずれにしても、書き方における基本的な項目は同じです。要望書と違う点は、請願書のケースでは、紹介議員の氏名や捺印が必須という点です。
要望書の書き方
要望書には、決まった様式や書き方はありませんが、不可欠な項目について紹介します。また、自治体や会社etc提出先によっては、フォーマットが用意されているケースもあるので事前にチェックしておけば安心です。
要望書の項目
書き方において不可欠な項目を列挙します。
提出先
要望書を提出を行う先の会社名や団体名etcを書き込みます。部署や役職があるケースではその情報も書き込みます。
タイトル
タイトルは「要望書」のみでも問題ありません。しかし、要望書の内容をシンプルにタイトルへ書く方が読み手に伝わりやすいです。
例)社内の安全対策改良に関わる要望書
本文(要望の内容)
要望の内容は、分かりやすく完結に書き込みます。長々と書いてしまうと、伝わりにくくなってしまいます。沢山あるケースでは、箇条書きにして提出を行う事をおすすめします。
提出した日
提出した日にちを年月日で書き込みます。
提出者情報
提出者が個人であれば。以下の情報を書き込みます。
- 提出者氏名
- 住所
- 電話番号
提出者が団体のケースであれば、以下の情報を書き込みます。
- 団体名
- 代表取締役指氏名
- 住所
- 電話番号
社内へ提出を行うケースであれば、以下の情報を書き込みます。
- 提出者氏名
- 所属
押印
押印は提出者情報の氏名の横etcに押しておいて下さい。
要望書の本文を書くポイント
要望書の要望内容は、いかに相手に伝わりやすく書くかが肝心です。せっかく作成して提出した要望書でも、内容が分かりにくいと相手にきちんと伝えたい事が伝わりません。資料作成に要した労力や時間が水の泡となってしまっては勿体ないですし、何より悔しいです。
①要望書の目的etcが伝わるタイトルを
要望書のタイトルを見るだけで、要望書の中身が想像出来るような見栄えが大切です。タイトルはこの要望書に限った事ではありませんが受け手側がその後に中身を読んで頂く前に中身、内容が伝わるようしておくと良いです。そうすれば、重要性や相手への伝わり方が違ってきます。
②提出に至った経緯
要望書の内容が、どれほど肝心な事なのかを伝えるためにも、なぜ要望書を提出を行うに至ったのかの経緯を簡潔に書き込みます。経緯の内容がどうしても、多くなってしまうなら別紙に書き込んで一緒に提出して下さい。
③問題の現状を書き込む
問題の深刻さや不利益や今後のリスクetc、漏れの無いよう全て書き込みます。要望書を提出を行うにあたり、現状での問題点における情報を以下のような観点で具体的明らかにしておくべきです。
- 深刻度
- 被害状況
- 将来にわたるリスク
問題点が多くて長くなってしまうケースでは、箇条書きだと読みやすくなります。
④要望を具体的に
どこをどのようなに改良をすれば、今後良い方向へ進むのかを具体的に書き込みます。改良策を書き込んで、改良にあたっての道筋を書き込む事で要望実現の可能性がUPする結果に繋がります。その他、参考資料や写真を一緒に添付しておくと、より伝わり易い要望書になります。
②~④を詳しくチェックした上で、提出先の方は以下のポイントを踏まえて実現に優先順位をつけます。
- 緊急性があるのか
- 実現は可能か
- 予算はどのくらいか
仮に自治体に提出を行うケースでは、かなり危険な環境であり酷い状況だとその地域の住民が思っていても、現時点では自治体には伝わっておらずにそのままの状態で放置されている訳です。仮に要望書を提出しても、改良策が何もなく「現状をどうにかしてほしい」といった漠然とした要望書もあるかと思います。
それでも当然構わないのですが、現時点で被害状況を感じ得ていない自治体の方に「状況がこうだからどうにかして」と要望して、改良点を要望書を受け取った側で考えて欲しいと伝えるだけでは、案が採用されるのは厳しいです。
受け取った側は現在における被害の深刻さを感じておらず、そもそも熱量が薄いですので改良策を一から考えなくてはならないですし時間がかかってしまいます。
「酷い状況なんだな」「具体的にどういう手順で対応すれば改善するんだな」というポイントが伝われば円滑に動いてくれる可能性は格段にUP!
要望書は要望を伝える資料であり、答えて頂けるよう提出側はより丁寧な書き込みが欠かせないと考えます。提出先の方が、より早く判断しやすいように具体的に書き込む事をおすすめします。
要望書作成事の注意点について
要望書作成前に、注意しておきたい点を把握しておいて下さい。
言葉使いは丁寧に
要望書は、こちらからお願いしたい内容を伝えるための資料です。「~すべき」「~しろ」というような強引性のある言葉使いはNGです。優しく丁寧で誠意のある礼儀正しい言葉使いが大切です。
署名を添付
要望に関して、複数の賛同者がいるなら署名にして提出を行うと効果的です。ひとりの声ではなく大勢の声だという事実が証明出来るだけでも、意見がぐんと通りやすくなるので署名を集めない手はありません。積極的に署名を集めましょう。署名して貰える人がいるか、予め確認しておいて下さい。
また、地方自治体へ要望書の提出を行うケースでは、個人から個人への手紙とは違います。個人の要望ではなく自治会や町内会や市民団体を代表して提出を行う事をしっかり認識して下さい。
その為に、提出前にその組織内でしっかり話し合いを行って要望書の中身についても共有し組織の総意としての資料に仕上げるのが肝心です。ケースバイケースで話し合いの場に地方自治体の担当者にも入ってもらうと実現してもらう為の資料を作る為に効果的に手段を用いれます。
別紙の添付忘れには要注意
別紙の添付忘れには要注意です。また、別紙があるケースでは本紙に「別紙参照」etcの補足を書き込んで下さい。
虚偽内容はNG
例えば、いち早く改良してもらいたいがために、起こっている問題を大袈裟に書いてしまったり、起こっていない問題までも書き込むという行為はもちろんNGです。より、提出先の方へ強く伝えたいのであれば、今後の起こると考えられるリスクとして書き込む事をおすすめします。
控えを保管
何らかのトラブルが発生した際に対応出来るように、控えを必ず保管しておいて下さい。
相手にいかに分かりやすく伝えるかが採用可否の分かれ目!
要望書は、相手に要望を伝え、実現してもらうために提出を行う資料です。言葉遣いには充分注意して作成後、以下のポイントをチェックして提出を行うようにして下さい。
- 抜けが無いか
- 誤字脱字は無いか
- 提出先の団体名や氏名etcに間違い無いか
- 添付資料がきちんと添付されているか
また、要望書のテンプレートは無料でダウンロード出来るテンプレートサイトで簡単にダウンロード出来ます。ぜひ利用してみて下さい。