「追伸」という言葉は日常生活にも使われている為「聞いた事はある」という方も多いのではないでしょうか。ですが「書き方を知らない」「そもそも意味がわからない」という方もいらっしゃるかと思います。「追伸」は、ビジネスシーンでは正しく使わなければマナー違反として、相手から信頼を損ねてしまう可能性もある為注意が必要です。ビジネスメールに使える「追伸」とは?書き方や正しいマナーや例文および言い換え表現に関して紹介します。
追伸とは?
主に手紙やメールなどで活用される言葉で、文章を一応書き終えた後に書き加えるシチュエーション、本来の要件とは別の要件を伝える時に書く言葉です。
「追伸」の書き方における注意点
書き方における注意点は以下のとおりです。
【書き方注意点①】感謝・謝罪の言葉
「追伸 先日の〇〇の件、有難うございました」「追伸 先日は私のミスでご迷惑をおかけして、申し訳ありません」など、感謝や謝罪の意味を伝えると相手によっては「軽い」などとマイナスの意味に捉えられてしまう恐れもあるのです。
【書き方注意点②】重要な内容
例えば、会議などのアポや見積りに関しての情報など、追伸に肝心な事が書かれてあると「なぜこんな肝心なないようなのに追伸に書くのだろう、意味が分からない」と印象が悪くなってしまう恐れもあるのです。中には「追伸」の後の内容は、読む事を後回しにされてしまう事もあるので、重要な内容は追伸の後に書かないよう注意が必要です。
【書き方注意点③】目上の人に対して書くシチュエーション
「追伸」は書き直しが面倒だと捉えられてしまう恐れもあるのです。相手を気遣う一言を入れる以外の内容で追伸を書くシチュエーションでは出来る限り作り直し・書き直し、もしくは別でもう一通作成するようにしましょう。
「追伸」はビジネスシーンで書くのはマナー違反!
一般的にビジネスシーンで書く事はマナー違反となるのでおすすめしません。とくに、メールや手紙を送る相手が目上の人なのであればなおさらです。ですが、使っても失礼にはならないケースもあるので、書くシチュエーションを選んで正しく使えるかどうかが肝心です。
【書き方注意点④】相手への心遣いの意味で書くのはOK
例えば「追伸 寒暖差が激しい時期になりました。お体ご自愛下さいませ。」というように、本題とは関係のない相手への気遣い・心遣いを伝える為に「追伸」や「P.S.」とするのは、問題ありません。
私的な内容を含む内容で「追伸」や「P.S.」を書くのもNGです。
ビジネスシーンでも使える「追伸」の言い換えとは
ビジネスシーンで使える「追伸」の言い換えが「末筆ながら」という言葉です。この言葉は目上の人に対しても問題なく使える言葉です。「末筆ながら」に続く言葉の例文は以下のように、ビジネスシーンでは「末筆」と書くほうが適切です。
- 【末筆では御座いますが】皆様のご多幸をお祈り申し上げます
- 【末筆ながら】今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします
- 【末筆では御座いますが】季節の変わり目です。どうかお体ご自愛のほどお祈り申し上げます
- 【末筆ながら】向寒の折から、くれぐれもお体を肝心になさって下さい
- 【末筆では御座いますが】この度の無礼につきまして重ねてお詫び申し上げます
- 【末筆ながら】お返事が遅くなりました事を深くお詫び申し上げます
相手を気遣う言葉の他、謝罪の言葉を最後に書く際にも使えるので覚えておくと良いです。
「追伸」の例文
例文を紹介ます。
【例文】食事に誘う
件名:会議資料の送付
〇〇さん
お疲れ様です。〇〇です。
明日、◯時◯分から開始される会議に関しての資料を送付しておきます。
明日までに目を通して、ある程度の内容を頭に入れておくようにしておいて下さい。
また、今後はこのように事前に会議資料を送付して当日スムーズに会議が進められるようにしたいと思います。
わからない事があれば、〇〇まで気軽に質問して下さい。
追伸
本日◯時から、〇〇で〇〇部の食事会をする事が急遽決まりました。予定があいていれば、ぜひ参加して下さいね。
~署名~
【例文】相手を気遣う
件名:見積書の送付
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇です。
この度は弊社〇〇製品に興味を持って頂き有難うございました。
〇〇製品に付きましての見積書が完成いたしましたので、送付いたします。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
追伸
新型コロナウイルス感染症が貴社でも流行っていると伺いました。どうぞお体には十分お気をつけ下さいませ。
~署名~
【例文】その他
その他にも、追伸の後に続く例文は以下のとおりです。
追伸 先日頂いたお土産のお菓子、とてもおいしかったです。部署内で食べたのですが、皆さん美味しいと言ってあっという間になくなりました。有難うございました。
追伸 先日は議事録の作成を手伝って頂き有難うございました。御礼に次のランチは奢らせて下さいね。
追伸 先日はこちらのミスであなたにお手間を取らせてしまいました。お詫びに、〇〇で食事でもいかがですか?連絡お待ちしております。
食事の誘いや、お土産の御礼で書く事も出来ますが、一般的には目上の人や社外に対してのメールでは活用しないようにするのが無難です。
追伸とはどのような意味を持つ表現なのかを理解した上でメールや手紙で使いこなそう!
追伸とは本文とは関係のない話題の後に続けて使います。本来はビジネスシーンで書くのはマナー違反です。「絶対に書くな」までとは言いませんが、活用しないほうが無難でしょう。もし、ビジネスシーンで使いたいシチュエーションでは「末筆ながら」と言い換えて書く事をおすすめします。
メールおよび手紙で失礼にならないように、適宜言い換え表現も取り入れてビジネスシーンでは相手に対して失礼のないようなメールを作れるように、心がけましょう。