自動車を取扱う業者の方の中には、点検整備記録簿の作成をゼロからする方もいるのではないですか。安全運転をするためにはドライバーの心構えはもちろんですが、車両そのものの安全性が担保されている事が重要です。12カ月と24カ月の種類がある点検整備記録簿とはどんな書類なのか?書き方を解説します。車検でも必要なので要チェックです。
点検整備記録簿について
記録簿を作る上で重要になるポイントは、そもそも“点検整備記録簿”について知っている事です。理解しておらず作成してしまうと、思わぬ部分が抜けていたり大きな事故に繋がる恐れがあります。
点検整備記録簿とは?
点検整備記録簿は、12ヶ月、24ヶ月に法定点検をおこなった内容を記載しておく記録簿の事です。
車両に常時携帯する事が義務づけられている書類です。プライベートで車両に乗る方はもちろんですが、職務として何らかの車両に乗る方などは点検整備記録簿を無視している、持ち合わせていないといった事がないようにとくに気をつけるようにしたいところです。
車検時に必要
記録簿を作成しないといった方もいるかもしれません。実際にユーザー車検など陸運局に車両を持ち込む場合、記録簿は必須ではないため、詳しい方は作成しないかもしれません。しかし、安全な運転をするためにも重要な書類であり、仮に事故を起こした時に不利になる事は間違いないです。
点検整備記録簿の書き方
基本的に大枠の項目をいくつか作成し、レ点などでチェックを入れていくといった作成の仕方で問題ありません。ここで紹介するのは、あくまで一例ですので、ご自身のシチュエーションに合わせた形で作成してみてください。
点検整備記録簿のシンプルな書き方
エクセルなどで作ると追記修正しやすいのでおすすめです。12ヶ月、24ヶ月といった種類があるためシチュエーションに合わせた方を作るようにして下さい。ここでは、24ヶ月定期点検整備記録簿について解説します。
まず、タイトルに24ヶ月定期点検整備記録簿と記載し、「分解整備記録簿」などとタイトルを記載します。チェックの入れ方の表記を記載し、点検の結果及び分析整備の概要といった欄の下部に各種項目を記載していきます。シチュエーションによっても変わってきますが、主にこれらを大枠にそれに関与する細部のチェックリストを作成します。
- エンジン
- ルーム
- 室内
- 足廻り
- 下廻り
- 外廻り
- その他
例えば、足廻り点検の大枠だあった場合はホイール・アライメントなど、その項目に対応したチェックリストを作成していきます。また車両によっても機能が変わってくる事から、どういった車両の点検かも理解した上でこれら項目を作成しておく必要があります。
ほか項目について
点検整備記録簿を作る上で、上記のような項目だけで作成は終わりではありません。とくに整備士などであれば、整備した後でのアドバイスなどを記入できる項目を作成しておくべきです。
当然、点検や整備をした方の氏名・住所欄・点検日時など細かな部分を記載できるようにしておきます。そして、その他の点検項目等・主な交換部品などを記載できる余白は必ず作成します。
法定点検すべき項目がチェックできればイラストなどが入っていて問題ありません。必要事項が作成されている事が重要なので、まずはその部分をしっかりと押さえるように注意して下さい。
点検整備記録簿の書き方は?
基本的には、空欄には事実を書き込んでいくのですが、点検整備記録簿はひとつ特徴的なポイントがあります。それが、チェックできる枠にレ点など、さまざまな記号を作るといった部分です。
例えば、点検整備記録簿でのレ点は、異常がなかった事を指し示す記号として記入されます。しかし、場合によってはレ点以外の記号も利用される事があるため、そのほかの記号と意味も書き込む必要があるのです。例えば、記号にはこれらがあります。
- / 点検項目なし
- P 距離項目を省略
- A 調整
- T 締付
- × 交換
- △ 修理
これらがチェック項目に記載されていれば、どこをどのように整備してもらったのか理解しやすいといったメリットがあります。
点検整備記録簿にはメリットが多い
点検整備記録簿をする際、安全面などに関連するメリットが大きいわけですが、さらに車両を売却する際にも大きなメリットがある事で知られています。記録簿をしっかりと保持している事で、安全性が高まる事から車両が高価買取に繋がりやすいといわれているのです。
車検をはじめとする様々なシーンで必要な点検整備記録簿は12カ月と24カ月の種類を使い分けた書き方で作ろう!
点検整備記録簿は、専門的な内容が多いハードルの高い書類と思われています。しかし、基本的な部分をしっかりと押さえておけば、さほど作成に手間のかかるものではありません。車検でも必要であったり身近な文書とも言えます。12カ月と24カ月と種類があるので用途に応じた書き方で完成させてください。テンプレートなども上手に利用し、ぜひ安全を守る記録簿を作成してみてください。