言葉・意味・使い方

社内の尊敬語や謙譲語の使い方は?自分の会社での立ち位置を考えて上司や部下にスマートな言い方で接しよう



社内文書を作る際、どういった文書の書き方でまとめればよいか悩んでしまう方も少なくありません。カジュアルな職場の人はもちろん、上下関係が厳しい職場であっても、社内文書はどの程度の丁寧さで作成すればよいか迷ってしまうものです。そんな社内文書の中でもとくに難しいのが、尊敬語の使い方です。社内の尊敬語や謙譲語の使い方を解説します。自分の会社での立ち位置を考えて上司や部下にスマートな言い方で接すると良いです。

敬語には種類がある事を知る

社会人になりたての方は、まず言葉遣いに悩んでしまう傾向があります。普段、自由に友人や家族と自由に話をしていた方が、いきなり丁寧な言葉遣いを強いられるわけですから、どこかあやふやな言い回しになってしまうのも理解出来ます。

とはいえ、社会人になった以上、新人もベテランも取引先からすれば一緒です。丁寧な敬語が使えないと、その企業自体に不信感を抱かれてしまう事もあり得ます。まず、社内文書の尊敬語を理解した上で、敬語の種類をまとめていきます。

丁寧語

まず、社会人として最も多く活用されるのが丁寧語です。丁寧語は、その名の通り丁寧な印象を与える言葉遣いですが、基本的には「です」「ます」「ました」とか、「ご丁寧」といった全体的に柔らかい丁寧な印象を与えるような言い方になります。

社内文書の多くは丁寧語で作成されます。

社内文書では、あまりかしこまり過ぎる言い回しは不向きといわれているので注意して下さい。

尊敬語

敬語の中で社外文書でよく活用されるのは尊敬語です。尊敬語は、その名の通り尊敬している相手といった意味から目上の方であったり、上司に向けて活用されるのがスタンダードです。また、上司や目上の方でなくとも、いつもお世話になっている方だったり、立場が相手の方が上であった場合は尊敬語を使うのがスタンダードです。

例えば、社外の取引先に優秀なデザイナーがいたとして、その方が自分より年齢がずっと下だったとします。とはいえ、デザイン能力が高く、さらに自社からお願いして発注をしていた場合、その方への社外文書は尊敬語を使う機会が増えます。

このように、尊敬語は目上や上司、また自分より立場が上だったり尊敬している相手に使う敬語と覚えておいて下さい。

謙譲語

謙譲語は、自分の動作や状態に対して使われる敬語です。もう少しわかりやすく伝えると、自分の立場を下にした言い方で、相手を立てるような言い方の文書やシチュエーションで利用されている敬語です。

尊敬語と少し混合してしまう部分がありますが、尊敬語は自分より相手を高くするイメージの敬語であり、謙譲語は自らを下げるような言い方になります。

例えば、取引先と話している際、打ち合わせをやる事になったとします。その際、相手の取引先に「行く」のではなく、「伺う」といった言い方での表現です。立場がさほど変わらないとしても、少し自分を下げた言い方はビジネスシーンではよく見られる表現です。

上手に使う事で、対外的な関係性もバランスよく出来るので覚えておくべきです。

尊敬語の使い方

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敬語は、頭で覚えていてもなかなか実践出来るものではありません。とにかく覚えて、使い続ける事でしっかりと自分のものに出来ます。尊敬語の基本的な使い方について解説していきます。

尊敬語を理解する際、スタンダードな丁寧語と比較しながら作るとわかりやすいです。例えば、行くといった動詞は尊敬語を覚える上では理解しやすいものです。文例を見ると、「どこのお店に行きますか?」といった丁寧語を尊敬語にした場合、「どちらのお店にいらっしゃいますか?」といった言い方に変換出来ます。

また、取引先と飲食店に立ち寄った際「どこに座りますか?」といった丁寧語は尊敬語で「どちらにお座りになりますか?」といった言い方になります。知っていますか、ご存知ですか、聞きましたか、お聞きになりましたかといったスタンダードな丁寧語よりも相手を敬うような言い方で利用されているのが尊敬語といった言い方になります。

尊敬語を社内文書で使う場合

社内文書は、上記で解説したように基本的には丁寧語で作成されます。とはいえ、新人社員だったり上司に向けて文書を作る方、またさまざまな目上の社員に向けて文書を作るといった場合、尊敬語を使いたくなるものです。社内文書における尊敬語の使い方について考えていきます。

過度な尊敬語は不要

社内文書で尊敬語を作る際、主に上司への何らかのお願いやメールに使う形になります。例えば、とある取引先との打ち合わせに上司も来てほしいといったお願い文の場合、「明日、〇〇との打ち合わせに来れますか?」といった言い方ではなく、「明日、〇〇との打ち合わせにいらっしゃる事は可能でしょうか?」といった言い方になります。

また、「部長から一言、相手に〇〇と伝えると効果的です」といった事を伝える場合、「部長から一言、相手に〇〇とお伝えになると効果的だと考えております」といった言い方で丁寧な言い回しの表現が求められます。

一方、あまりに尊敬語や謙譲語を利用し過ぎると読み手に違和感を与えますし、相手との距離感的におかしいと思われる事もあります。

社内文書の種類によっては不要

また、目上や上司に出す社内文書であっても、全体に送るお願いメールや休業のお知らせの案内文で、尊敬語を使うのは違和感を与えます。

文例として、「社員各位 明日の終業時間は○時からになる為、注意して出社するようお願いします」といった案内分を、「社員各位 明日の終業時間は○時からとなっております。皆様、出社のお時間にご注意頂きますようお願いいたします」といった言い方は、社内文書としては違和感を与えてしまいます。

社内文書とはいえ、シチュエーションに則した言い方で作成されている事をチェックして下さい。

社内文書における謙譲語や尊敬語の言い方には要注意

社内文書は、丁寧な言葉遣いで基本的には作成されるべきです。とはいえ、尊敬語や謙譲語はシチュエーションによっては違和感を与える事から、全体のバランスを見ながら作成されている事を確認して下さい。

自分の立ち位置を考えつつもあまりへりくだり過ぎず、上から目線になり過ぎず、他の方の作成した社内文書を参考にするのが一番安全策とも言えます。