近年では、職場におけるセクハラに関してとても厳しくなっていて、意識されている人も多いです。会社によって処罰はかなり厳しくなっている所も存在し、セクハラを行った従業員には「セクハラ誓約書」という書類にサインが必要になるケースもあるのです。
誓約書の書き方と例文を解説します。セクハラは会社は「個人間の自己責任だ」と対応を拒否してはいけないセンシティブで肝心な問題なのでしっかり対応して下さい。
セクハラに関わる誓約書とは?
性的な嫌がらせを行った従業員etcに対して、今後一切性的な嫌がらせを行わない事を誓約させる為の文書です。
セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは?
セクハラとはセクシュアルハラスメントの略で性的な嫌がらせ(言動)を指します。ニュースに取り上げられる程、現代では問題視されている問題です。具体的にどんなアクションがセクハラになるのかを見て行きます。
セクハラの定義
性的な嫌がらせの定義は以下のとおりです。
- 職場で従業員に対して性的な言動を行う
- 性的な言動を拒否や抵抗された報復としてその従業員に不利益になる事を起こす
- 性的言動によって職場環境が悪くなってしまい、その人の仕事に悪影響が生じる
簡潔に言うと性的言動によって下記のような影響が出ているかどうかが、セクハラの判断基準になります。
- 相手に不快な思いをさせてしまっているかどうか(労働者の意に反している)
- 就業環境を害されている
セクハラ以外の「ハラスメント」
セクハラに加え、「パワハラ」「マタハラ」の三大ハラスメントにも気をつけなければいけません。
パワハラ
「パワーハラスメント」の略で、上司が部下に対して嫌がらせを起こす事です。上と下という立場の差から生まれる力を悪用する非道徳的な言動です。
マタハラ
「マタニティハラスメント」の略で、妊婦さんや出産後の女性に対して嫌がらせを起こす事です。セクハラに続いて職場で起こりやすいハラスメントです。少子化が加速する原因のひとつとも言えるかもしれません。
セクハラで会社が問われる責任
社内で性的な嫌がらせがあれば、会社側にも被害者から会社に対して損害賠償請求をされるリスクも無きにしも非ずです。性的な嫌がらせをした当事者ももちろん悪いですが、そんな事態が起こってしまった状況に関して、会社側も適切な対応を取るべきです。
会社に法的義務もある為、対処せずに放っておくと違法行為になってしまいます。対応のとり方一つで大きな問題に発展してしまうリスクもゼロではないので、注意を払うべきです。また、性的嫌がらせを行った加害者をむやみに解雇してしまうと、解雇無効として訴えられるリスクもゼロではないです。
また「会社で性的嫌がらせがあった」と、むやみに公表してしまうと名誉毀損として訴えられる可能性も無きにしも非ずです。
セクハラ防止の為の注意点や対処法とは?
性的嫌がらせ予防の為には、以下のような対処法や注意点を再度見直すべきです。
セクハラ防止措置をチェック
会社によってはセクハラ防止措置を講じているところも存在します。そういった会社であれば定期的にセクハラ防止措置をチェックすれば、未然に防げます。
事実関係は早急にチェック
もし、性的嫌がらせに関して被害者から相談があったら、以下の項目を早急や正確にチェックして下さい。
- いつやどこでや誰にやどういう事を受けたのか
- どれくらいの頻度で(一度きりなのかや継続されているのか)
- いつから
- 被害者はどんな行動を取っていたのか
- 相手はどうしたのか
- 目撃者の有無
聞いた内容は必ずメモに起こして記録に残すようにして下さい。
適切な対応を取る
セクハラが判明したら、適切な対応を早急に取るべきです。
- 被害者と加害者を引き離す
- 証拠化
まずは、一刻も早く被害者と加害者を早急に引き離す措置を取って下さい。被害者にとっては恐怖を覚えるトラウマにも繋がってしまう恐ろしい体験なのです。例えば、座席を移動したり、自宅で待機させるetc、トラブルがこれ以上続かないように措置を取る事が大切です。
次に、性的嫌がらせの証拠を残す為に、目撃者はいないかどうかや、被害者の相談内容を録音や記録をしておくetcをして証拠化をします。また、被害者のみではなく加害者からも話を聞くようにして下さい。冤罪の可能性も疑うべきなのです。
職場内で起こりやすい具体例
これまで実際に、職場内で発生した具体例は以下のとおりです。
- お尻や胸や脚といった相手の体を触った(ボディータッチ)
- 性的な発言をした
- 性的関係を求められた
- 性的嫌がらせ行為に反抗したら仕事場で嫌がらせを受けた
- 性的な話題を大声で話す
- 「結婚しないの?」「色気がないね」etcの発言
- 不倫の噂を立てられた
- 頻繁に食事に誘われる
- 頻繁に個人的な連絡が来る
- 「女のくせに」「だから〇〇はダメなんだ」という発言
どこからが性的嫌がらせに当てはまる分からないという人もいらっしゃるかと思います。基本的に相手に不快な思いをさせてしまう行動や言動は「ハラスメント」に当てはまりますので、気をつけなければいけません。
被害者に対して自己責任だと言って突き放すのは言語道断です。新たな被害者を産んでしまう負の連鎖が始まるリスクにもなり得ます。
セクハラの誓約書の書き方と例文
セクハラ誓約書に限らず、誓約書は正しい書き方で記述しないと無効になるケースも存在します。誓約書には守ってもらう必要のある事項を漏れのないようにしっかりと記述出来るようにしておく事が大切です。誓約書に書く内容とその書き方は以下のとおりです。
- 当事者の氏名と捺印
- 誓約書作成日
- 事実関係
- 禁止行為
- 禁止行為をした時に課せられる罰
〇〇株式会社
〇〇殿
セクシュアルハラスメントに関する誓約書
セクシュアルハラスメントとは同職場で働くものに対して…(簡単にセクハラとは?について記述)私は、過去に行ったセクハラ行為を深く反省し、今後一切のハラスメント行為をしない事を約束いたします。万が一、以下のような誓約を破った場合には…(処分を受け入れる旨を記述)
記
1. 誓約の内容
2. 〃
3. 〃
4. 〃
5. 〃
6. 〃
以上
◯年◯月◯日
氏名 〇〇 〇〇
印
誓約の内容は漏れの無いよう正確に記述し、最終チェックを怠らないようにして下さい。
個人間の問題だが「自己責任だ!」と会社が対応を拒否してはいけない!
セクハラは個人間で発生しますが、非常にデリケートな問題となります。相談に乗る人はもちろん献身的に話を聞き、問題を解決出来るように対策を考える事が大切です。第一にセクハラを起こさないような対策を取る事がとても肝心です。
また、セクハラが発覚したら会社は拒否せずに、早急な対応と適切な対応が取るべきです。人事部では特にセクハラに関しての対応方法をしっかりと把握しておく事が大切です。