プライベートでもよく使われる【念の為】という言葉は、ビジネスでも重宝したい言葉の一つです。特にビジネスでは正しい言葉遣いを心がけなければいけません。正しい使い方を例文を交えて解説します。念押しの確認メールetcで活用して下さい。言い換え表現や類語も紹介します。
念を押すとは?
【念の為】という言葉は日常的にもよく聞く言葉ですが、ビジネスでも同様によく使われる言葉です。以下のような意味があります。
- 十分に確認を行う
- 繰り返し慎重に確認を行う
- 重ねて注意を払う
ひとくくりにしてまとめると万が一に備えてというふうに捉えると分かりやすいです。ビジネスでも以下のような使い方があります。
- 念の為に●●しておきますね
- 念の為に●●お願い致します
【念の為】の敬語
上記でも解説したとおり、【念の為●●~】は目上の方にはふさわしくありません。敬語ではないからです。目上の方へ用いるなら、後に続く文章を敬語にしなければいけません。たとえば以下のような使い方です。
- 念の為ですが、●●の資料の準備をお願い致します
- 念の為報告ですが
念の為の使い方
主に以下のようなシチュエーションで用います。
- 確認や催促
- 連絡や報告
例えば、以下のようなシチュエーションです。
- 作成を頼んでいた資料を頼んでいた相手にチェックしてもらう
- 書類が届いているかチェックをしてもらう
- 業務の進み具合や会議の内容の連絡や報告時
どちらにしても、目上の方やお客様に対してはあまり多用しない事をおすすめします。
NGな使い方
ビジネスシーンでもよくある間違った使い方は以下のとおりです。
- 念の為、恐れ入ります。
- お忙しい所恐れ入りますが、念の為~
- 念の為、無理を承知でお願いがあるのですが~
- 念の為、お言葉を返すようですが~
ビジネスで用いられる【念の為】は本来の意味である【念を押す】という意味で使われます。上記のようなNG例では【一応】【多分】といった曖昧な表現で使われている為、ビジネスシーンでは適切な使い方とは言えません。
念押しのビジネスメールのポイントや注意点
ビジネスメールを送る際のポイントや注意点を紹介します。
【一応】【とりあえず】の代わりに使える言葉
ビジネスでは不適切と言われている【一応】や【とりあえず】といった言葉の代わりに【念の為】を用いる事も出来ます。ですが、この使い方で【念の為】を用いるなら、部下→上司はあまり適切だとは言えませんのでおすすめは出来ません。
ビジネスメールでは【念の為】は避ける
口語なら問題ありませんがメールや手紙というようなビジネス文書では避けて下さい。
多用はNG
ビジネスでの【念の為】は、念を押したい時に使います。その為、多用してしまうと【自分は信頼されていない】と言う印象を与えてしまうので多様はNGです。【念の為確認しておきます】と自分自身に対して用いるなら問題ありませんが、相手には多用しないよう注意が必要です。
【為念】もNG
念の為を【為念】と略す人もいらっしゃいますが、これもNGです。上司が部下へ使う分にはあまり問題はありませんが、部下→上司や外部へのやりとりではメールではもちろん口頭でもNGです。
【例文】念押しのビジネスメール
確認の念押しをしたいメールで使える例文は以下のとおりです。
- 引き続き宜しくお願い致します
- 今後とも宜しくお願い致します
- ご確認のほど宜しくお願い致します
- ご検討宜しくお願い致します
- ご連絡お待ちしております
- ご返信お待ちしております
- それでは宜しくお願い致します
- ●●につきまして、念の為にご報告致します
- 念の為お知らせ致します。〇日の会議につきましては~
- 念の為ご確認致します。明日は◯時のご来店でお間違い無いでしょうか
- 念の為ご住所を伺ってもよろしいでしょうか
また、会議日時をはじめとする確認メールなら、代わりに【それでは◯月◯日◯曜日◯時から●●(場所)にて…】と最終決定した日時を文章の中に入れておくと良いです。
言い換え例文
言い換えに使える類語を紹介します。
尊敬語
- 体調が悪いので【大事をとって】
- 【万一の為に】備えて
- 【万が一に】備えて
- 【念には念を入れて】
- 相手に失礼の無いよう【万全を期します】
謙譲語
- 【万一の状況に備えまして】明日の予定も伺っております。
- 明日の会議につきましては、事前に調査した内容を正確にまとめ【万全を期して参ります】
念押しの言い回しは言い換え類語を使って適切に使いこなそう!
【念の為】をビジネスでは【念を押す】という意味で使います。【一応】【とりあえず】という曖昧な表現の言い換えで用いるのは、ビジネスでは不適切なので避けて下さい。また【念の為】をビジネスで用いるなら、メールではなく【口頭】で用いるように心がけて下さい。
メールで使うなら別の言い換えの類語を使うように意識して文章を作成して下さい。