長年勤めた勤め先を辞めたい、また何らかの理由がありその勤め先から離れる時、「辞表」を出す事があるかもしれません。しかしそもそも辞表って何?と思う事やいつまでに出すの?出し方は?と悩まれる方も多いはず。人生の中でそこまで数多く作成する文書ではない事からも、書き方やフォーマットを熟知しているという方も少ないのではないでしょうか。
辞表の書き方や例文やフォーマットやテンプレート、いつまでに出すべきか、出すタイミングは、手書きで良いのか、退職届や退職願との違いetcを解説していきます。辞職の予定が今のところ無い方も、一般常識として見ておいて損はありませんので、是非参考にて下さい。
仕事や職場を辞めたいからと何でも辞表を出せば良い分けではありません。辞表や退職願などの違いを知り適切に仕事を辞めましょう。退職願の書き方を解説!退職届との違いは?どんな封筒や用紙が良い?手書きOK?も参考にされて適切に退職願や退職届や辞表を提出しましょう。
辞表とは?
そもそも辞表とは一体どんな文書なのでしょうか。
漫画や本を読まない方やドラマを見ない方は、あまり聞いた事のない言葉かもしれません。
辞表=退職時に出する文書?
辞表と聞いてみなさんが漠然と思う事は仕事を辞める時に出す文書の事だと思っていると思います。
実際それは正しいです。
しかし、辞表と同じような文書があります。
使い方によって恥をかいてしまいますので、正しく覚えていた方が良いでしょう。
辞表は役員や公務員が出す文書!会社員は違う!
では辞表とは、正しくはどのような事なのでしょうか?
辞表とは、経営層や役職etcを辞める際に出す文書であったり、公務員etcが辞める際に出す文書とされています。「経営層」、要は役員の事もしくは労働組合に入ってない層という事です。
勤め先を辞める時は全て「辞表」で大丈夫だと思っていた方も多いかと思います。
また、「公務員」はなぜ辞表なのでしょうか?と思った方も多いかと思います。それは後々紹介しますので、見て下さい。
辞表と退職届や退職願が全く同義語かと思っていましたが、少し性質が違うという事に驚かされたのではないでしょうか?それではその違いetc使い方、書き方etcを見て行きましょう。
「辞表」と「退職届や退職願」の違いとは?
まず、辞表と退職届の違いはどこにあるのか考えていきます。
辞表=役員や経営者や公務員の出す文書
辞表というのは「辞を表す」と書きます。
前述した通り経営者や役員、公務員が辞めるという時に出されるものです。
雇う側の経営者層が「退職します」はおかしな話
単純に経営者が退職願を出すと聞くと何か違和感を覚えるでしょう。それは経営者は雇用者側であり、自分に退職したいですとお伺いをたててる事になってしまいます。役員も同じで雇用者側になるという理由で「退職届」「退職願」は使いません。
公務員は「雇用」ではなく「任用」だから
公務員はなぜかというと採用試験を受けて働いていると思うのですが、これは諸官庁etcで任用されているという事になるそうです。任用というのは委任されて職に就くというイメージです。そういう考えだと「退職届」「退職願」というと少し違ってくるのかなという印象です。
【注意】市役所や区役所の所員も「辞表」
また、勝手なイメージではありますが、市役所や区役所の所員は公務員でも「退職願」でもありなのでは?と思いますが、地方公務員も委任されて職に就いている事になりますので、辞表という事になるのです。
民間の会社員は「退職願」「退職届」
民間雇用されている側が退職する時、勤め先に出すのは「退職願」「退職届」という事になります。
【注意】委任契約の場合は「辞表」
委任契約を企業としているケースでは、「辞表」という事になるので間違いのないように作成するように考えてみましょう。
「退職願」と「退職届」の違いは?
退職願と退職届の違いは簡単に説明すると以下の通りです。
- 退職願やや退職したいのですが、いかがでしょうかというお伺いを立てるニュアンス
- 退職届やや勤め先を辞めるという意思表示
退職願なら、これは勤め先の同意があれば退職という思いを無しにして復職出来ます。
一方、退職届は一旦出したら退職を取り消す事が出来ません。
一般企業に勤める方も退職届と退職願の使い方も理解しておくと便利です。
公務員はなぜ「辞表」なの?
先述でも言いましたが、見て行きましょう。そもそも公務員はなぜ辞表というカテゴリになるのでしょうか。
公務員は「労働契約を結んでいない」から
まず、考えられる内容としては公務員は労働契約を結んでいないのです。要するに、行政からの任意行為によって働いている事から、行政から委任されているという形式になると考えられています。
こうなった時、賃金等の労働条件を当事者たちで決められていない為、辞表の提出になるようです。国家公務員、地方公務員が辞める際は諸官庁から委任されている仕事を自ら辞するというニュアンスになりますので、任用を辞するという事で辞表を出す事になります。
【豆知識】ドラマでよく見る「辞表」の封筒を出すシーンは「間違い」
余談ですが、一般企業の方で特に役職がない方が上司に辞表を出す。という行為は勘違いですので注意して下さい。正しくは、「退職届」「退職願」という事になります。
アニメや漫画やドラマetcで辞表を間違った形で使っていたら、「あ、間違ってる…!」と一人ツッコミを入れましょう(笑)そのような創作物において「辞表」が使われているのは、スタンダードに勤め先を辞める時に使う文書は「辞表」と世間一般に間違った解釈で理解されてしまっているからなのかもしれません。
辞表の書き方
辞表を作成する際、どのようなフォーマットや書き方が良いか分からないという方も多いでしょう。スタンダードな事例を見ながら書き方をチェックしていきます。
辞表の提出もビジネスマナーの一環ですので、最後はきっちりと「立つ鳥跡を濁さず」の精神で細部まで気を使って書きましょう。
サイズはB5かA4で!
用紙や紙というのは特に決まった用紙はありませんが、B5サイズやA4サイズがスタンダードです。
手書きの場合は白い便箋や封筒で!
手書きで作成するのであれば白い便箋がスタンダードでしょう。
※手書きで書くのも良いですが、自分の名前以外はPCで作成して、直筆で名前を書いて、判子を押すというところまでやった方が伝わります。もしくは後述していますが、インターネット上にある無料のテンプレートをダウンロードして記入するというやり方もあります。
封筒選びも大事!
封筒のサイズは用紙サイズにもよります。
例えば辞表をA4サイズの紙に書いたらA4サイズの横幅が入るような封筒を用意しなければいけません。
辞表は三つ折りにして封筒にいれますので、封筒の事まで考えて用紙の大きさは決めましょう。
封筒に「〆」の記入を忘れずに!
封筒を閉じる時は、ボールペン、もしくは、筆ペンで締め切りの意味を示す記号を封筒にしっかりいれましょう。
綺麗な文字でバランス良い書き方を!
バランスよく、文字が配列されている事が重要になってくるので注意して下さい。
横書きより縦書きがスタンダード!
横書きよりも縦書きがスタンダードです。
記載内容は必要最低限でOK!
基本的に、感謝の気持ちetcを配する必要性はなく、シンプルに辞職するという事を伝える事が大切です。
辞表のフォーマットで必要な項目は?
辞表のフォーマットには必要な項目がいくつかあります。
- 辞表という事が分かるようなタイトル
- 勤め先etcを去る事が分かる文章
- 退職の日付
- 誰が誰に出すのか
一般企業では社内規定や役員規則etcがありますので、そのルールに則って期日を記載する事が重要です。
辞表の出し方は?いつまでに出す?
完成したらいつまでに出せばよいのでしょうか。1ヶ月前に出す事がスタンダードです。規則を確認し、周りの迷惑も考えて期日を書くようにしましょう。公務員も辞める期日はスタンダードには1ヶ月前に出すのが通常のようです。
勤め先にとっては新たな人員の補充etcの手続きが必要になるので、なるべく周りの迷惑にならないような期日を記載する必要があります。
辞表の例文
実際に例文をチェックしていきます。
適切なサイズでタイトルを記載!
まず、大きな文字で辞表という事がわかる文言を出します。ただし、大き過ぎる文字で書くと相手にもいろいろと勘違いされる為注意して下さい。
白い封筒にも、辞表という文字を記載するだけでも相手にどんな文書なのか伝わるのでこだわってみましょう。
文章を分かりやすい書き方で!
以下のような形式で文章を記載して下さい。
「私○○は、このたび一身上の都合により、○○をもって退職いたします」
また、先に退職出来る事が定められていて公式に辞表を出す時はいいですが、まだ認められていない内容を記載する時は以下のような文章を作成しておくと相手に伝わりやすいでしょう。
「○○をもって退職いたしたく、お願いいたします」
退職の詳細を細部まで書かなくて良い!
なぜ辞職するのかという理由を記載する必要はありません。
仮に、相手が辞めてほしくないというのであれば、別途話し合いという場で細かな部分は語られる事でしょう。
宛名を書く!
管理本部○○といった管理する部署の方の署名と印鑑、代表者への○○殿という書き方で記入しましょう。
期日も忘れずに!
先述で記載したように期日も記載しますが、1ヶ月後の期日を記載しましょう。
「勝手ながら○○年○○月○○日をもって退職いたします。」
辞表のテンプレート
辞表を作成する際に注意したいのが、内容が間違っていないかや誤字脱字etcがないかです。これは一番気を付けないといけないポイントです。
間違いの度合いによっては正式な文書として受け取れないと突き返されてしまったり、どのような項目で記載すればいいのか分からないetc、様々な問題が起こります。
先述で記載した辞める期日についてもそうですが、相手側が納得する期日でなければ受理されない可能性も出てきますので、一度書いたらず見返しましょう。
記載ミス予防のためにテンプレートを使おう!
このような辞表の書き方に頭を抱えている時間は取れないetc、業務や転職活動で業務多忙であったり、退職予定日まで日が少なく間に合わないという方もいるかもしれません。または、書き方が全く分からないという方もいらっしゃるでしょう。
インターネット上の無料テンプレートを使う事で、どういう書き方をすれば良いのか理解出来る上に、ダウンロードするだけで、手軽に作成する事が出来るので便利です。ぜひ、テンプレートをアレンジしながら自らに合わせたものを作成して下さい。
縦型や横型、縦書き、横書きなどシンプルなデザインの辞表のテンプレートをご用意しております辞表の無料テンプレートをダウンロードされたい場合はコチラ作成方法を間違わない様に用途に合わせて編集しダウンロードする事が可能です。
辞表や退職届や退職願を混同せず、丁寧な書き方で出そう!
辞表は、退職届や退職願etcとは少しニュアンスが変わってくる文書です。落ち着いて、自分はどちらの文書を出すべき立場なのかを考えながら作成にとりかかりましょう。
辞表を書く立場の人は人から任されている地位だという事をよく認識して書くべきです。責任を取って辞めるときも、細部までこだわって間違いなく書き上げましょう。