実際に看護師の仕事を体験する事が出来る看護実習では、実習中お世話になった病院関係者へお礼状を出すのが基本的なマナーとされています。病院実習のお礼状の書き方について、例文や注意点も紹介します。時候の挨拶および便箋の使い方についても触れています。抱負や心構えを伝えると尚好印象です。
初めてお礼状を書くから書き方がわからない、どういった内容で書けばいいのかわからない、誰に宛てて書けばいいのかわからない、いつ送ればいいかわからないなど、お礼状の作り方について悩む方もいらっしゃるかと思います。
病院実習のお礼状の目的
病院実習のお礼状は、将来資格取得の為に実習させて頂いた後に出すお礼状の事を言います。実習をさせて頂いた事へのお礼を伝えるのが本来の目的なのですが、今後同じように実習を受ける後輩の為にも、きちんとお礼状を出しておく事が大切です。
病院実習のお礼状4つのマナー
病院実習のお礼状のマナーについては以下の通りです。作成する前に必ずチェックしておいて下さい。
病院実習のお礼状における書き方マナー①便箋や筆記用具
お礼状に使う便箋は基本的に白で無地の縦書きのものを選ぶようにして下さい。基本的にお礼状はどのような用紙を使ったとしても縦書きがマナーとされています。便箋に書いて、折る必要がある用紙の場合は三つ折りが一般的です。開いた時に文頭が来るように折って下さい。
また、筆記用具は黒のボールペンを使うようにして下さい。擦ると消えるボールペンがありますが、これは使用しないようにして下さい。便箋にこすって消した後が残ってしまいます。
病院実習のお礼状における書き方マナー②書き間違いの修正方法
書き間違えてしまった場合は必ず新しい便箋に書き直して下さい。お礼状は基本的には手書きなので、書き間違える事もあるかと思います。修正テープなどを使って修正するのは失礼に当たりますのでNGです。書き直しが面倒だと感じる方は、薄く鉛筆で下書きをして作成するのもいいです。
病院実習のお礼状における書き方マナー③誤字脱字
特に病院名や相手の名前を間違えるのはとても失礼な事です。必ず記入前・記入後に間違いがないかチェックして下さい。よくある間違いは、漢字の間違いです。
病院実習のお礼状における書き方マナー④例文の使用
例文をそのままコピーして使うのはNGです。特に看護部長は多くの実習生からお礼状をもらって、一つ一つしっかりと目を通しています。その為、コピーしているかどうか一目みてわかってしまいます。心構えや抱負や感謝の気持ちが弱いと判断されかねません。お礼状の例文はあくまでも「参考程度」に活用して下さい。
病院実習のお礼状の注意点
病院実習のお礼状を書く上で注意点がいくつかありますので、チェックしておいて下さい。
【書き方の注意点①】お礼状は実習を終えた当日に作成
病院実習にかかわらず、お礼状は実習を終えたその日のうちに作成してその日のうちに郵送するのがベストです。当日に作成から郵送するのがどうしても難しい場合は、遅くても実習が終わってから1週間以内に郵送するように作成して下さい。
【書き方の注意点②】出来れば手紙でお礼状を出す
基本的にお礼状はメールよりは便箋で手紙を書いた方が丁寧でいいです。メールでお礼状をおくるパターンもありますが、メールでお礼を伝えるのは失礼にあたる場合があります。それが、メールをおく相手が地位の高い人や年齢の高い人にたいしては失礼にあたる可能性があります。
病院実習のお礼状の書き方について例文付きでご紹介
お礼状の書き方や例文を紹介します。
病院実習のお礼状の基本的な書き方の構成
- 頭語
- 時候の挨拶
- お礼
- 主文
- 結の挨拶
- 結語
- 署名
基本的に上記のような流れで書くと、読み手が読みやすい手紙になります。具体的にそれぞれ見ていって下さい。
【書き方の構成①】頭語
病院実習で使う頭語は基本的に「拝啓」で問題ないかと思います。他にも「拝呈」「啓上」などが一般的に使われています。どれを使うのも間違いではありませんが、頭語と結語は使える言葉が決まっています。例えば「拝啓」であれば結語は「敬具」としなければいけません。こうしたルールがある事を覚えておいて下さい。
【書き方の構成②】時候の挨拶
時候の挨拶は、手紙を書く時期によって変えなければいけません。一般的には「〜の候」「〜のみぎり」という表現が使われています。月ごとの挨拶が難しいと感じる方は「時下」とする事がおすすめです。「時下」は季節問わず年中使える時候の挨拶なので覚えておくと便利です。
【書き方の構成③】お礼
まずは指導してくれた方へ向けて一言お礼の言葉を伝えて下さい。
お忙しいところ私の指導の為にお時間を割いて頂きまして、ありがとうございました
この度はお忙しい中、貴重な病院実習の「機会を頂きまして誠にありがとうございました
丁寧にお礼を伝えられるようにして下さい。
【書き方の構成④】主文
主文では主に下記のような事を具体的に書くようにして下さい。
- 実際に経験した事
- 出来事
- 学んだ事
- 経験した事を今後どのように生かしていくのか
【書き方の構成⑤】結びの挨拶
最後の挨拶では、実習を受け入れてくれた病院の発展を祈るような言葉で締めくくって下さい。
【書き方の構成⑥】結語
結語は頭語の項目で説明した通り、必ずセットになる言葉を使うようにして下さい。「拝啓」のセットは「敬具」ですが「拝啓:謹言」など間違った使い方はしないよう要注意です。
【書き方の構成⑦】署名
署名は名前だけではなく
- 大学名
- 学部
- 学科
- お礼状を書いた日付
上記の4点もしっかりと書くようにして下さい。
病院実習のお礼状の例文
上記の構成を参考にして、お礼状を作成して下さい。ここでは一例を紹介します。
〇〇病院
看護部長 〇〇様
拝啓 時下ますますご清祥の事とお喜び申し上げます。〇〇大学の〜〜学部〜〜先行の〇〇〇〇と申します。
この度はお忙しい中、私の指導の為にお時間を割いて頂きまして、誠にありがとうございました。
実際に研修を体験して感じた事は〜主文を書いて下さい〜
慣れない実習で色々と至らぬ点ばかりで申し訳ございません。
看護部長をはじめ看護師の皆様にはとても暖かく指導して頂いて心から感謝しております。
院長先生には別途お礼のお手紙を差し上げる所存でございますが、まずは直接ご指導頂いた〇〇様(皆様)にお礼を申しあげたく、筆を手に取りました。
〇〇様の益々のご活躍と、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。
敬具
令和◯年◯月◯日
〜署名〜
お礼状は長くなりすぎないように気を付けつつも心構えや抱負や感謝を伝えるのが吉!
お礼状は「感謝を伝える為の手紙」です。感謝や抱負や心構えを伝える為の手紙なのに、相手に不快な思いをさせてしまわないよう、しっかりと中点をチェックして、マナーを守った手紙を便箋で作るように心がけて下さい。また、手書きで書いた手紙には気持ちがこもります。
事情がないかぎりは、お礼状はメールではなく手書きで書いて便箋で送るのをおすすめします。誤字脱字などには注意してお礼状を書くようにして下さい。