言葉・意味・使い方

要望の敬語や謙譲語とは?ビジネス用語の意味や言い換えを理解して礼儀正しい使い方で伝える!



要望の敬語や謙譲語とは?ビジネス用語の意味や言い換えを理解して礼儀正しい使い方で伝える!

依頼を伝える時によく使われている【要望】ですが、似ている表現もいくつかあります。【ご要望があります】と単純に用いる事もあれば【お願い申し上げます】などと別の表現に言い換える事もあり、何が正しいのか使い方に迷う方もいらっしゃるかと思います。敬語や謙譲語についてや、要望とお願いの違いを説明します。ビジネス用語の意味を理解しておけば安心です。

要望とは?

現実を求めて【希望】する事を意味します。強制力はなく、先方に希望するという意味が強いので求める強さで言うと、弱くなります。ですが、丁寧な表現になる為ビジネスシーンでは良く使われる表現です。

要望に似ている表現との違い

似ている意味を持つ表現【お願い】【要請】【要求】との違いについて説明します。

【要望】と【お願い】の違いとは?

【お願い】は【人に対して頼み事を行う時】や【人に対して丁寧に、助言・配慮を求める事】の主に2つの意味があります。簡単に言うと先方に対して【丁寧に頼み事】を行う時に使われます。

例えば以下のような使い方です。

  • この資料の作成を明日までにお願いします
  • 明日までに返事を頂くようお願い申し上げます
  • お忙しいところ恐れ入りますが〇〇の件よろしくお願い致します

ビジネスシーンでも良く使われるのが【お願いします】という表現です。要望とかなり似ていますが、お願いは人に対して【頼み事】を行う事で【希望】とは少し異なります。

【要望】と【要求】の違いとは?

【要求】は【〇〇の改善を要求する】と、生理的に欲しがるもしくは必要とする事を言います。
例えば

  • 彼に返事を要求
  • 給料の引き上げを要求
  • 彼の要求には応じられません

自分がして欲しい事を先方に強く求める時に使用します。一見要望と似ているような表現ですが、要求は要望よりも強くお願いを行う時に使われる事が多いです。

【要望】と【要請】の違いとは?

【要請】は【〇〇をして頂きたい】と願い出て求める事です。
例えば

  • 彼女に協力要請
  • 現場から応援の要請を受けたので、駆けつける
  • 〇〇さんに部長の就任を要請

先方に強く求める場合でも使われます。ですが、【〇〇を絶対にしなければいけない】【〇〇を絶対にしてはいけない】などの強制力はないです。要請はあくまでも【お願い】を行う時に用いる表現という事を覚えておいて下さい。

要望の敬語・謙譲語

謙譲語は【要望が御座います】【要望致したく存じます】の2つがあります。もしくは、【お願いが御座います】などと言い換える事で口頭でも使いやすい表現になります。

自分の事で【要望】を用いる場合【ご要望があります】と表現するのはNGです。【ご】は自分の事で用いる表現ではないですので、敬語の使い方を知らないと認識されてしまいます。

厳密に言うと【ご要望】は謙譲語として間違いではないですが、人によっては不快を感じる方もいらっしゃいますので、使わない事をおすすめします。

要望を使った例文

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例文をご紹介致します。

依頼を受ける時の【要望】の使い方

希望通りの依頼を受ける場合は、以下のような表現をします。

  • 要望に沿う
  • 要望に答える

これを文章にすれば以下の通りです。

  • ご要望にお答え出来るようこれからも努力してまいる所存で御座います
  • ご要望に沿えず、大変申し訳御座いません
否定形にし、依頼を断る際にも使えますよ。

先方に意見してほしい時の【要望】の使い方

【ご要望は御座いますか?】という使い方は良く聞くかと思います。このように、先方に意見を出してほしい時に用いる場合は【ご要望は御座いますか?】とします。また、希望を聞いたら【ご要望を承りました】と返事も出来ます。

ビジネスシーンで【要望】を行う時に使える例文

  • お忙しいところ大変恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。
  • お手数をおかけ致しますが、ご確認・ご回答頂けますと幸いです。
  • 誠に急なご依頼とはなりますが、ご返答頂ますと幸いです。
  • ご多忙中恐縮ですが、ご確認頂ければと存じます。
  • ご検討頂ますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
  • お手数をおかけ致しますが、ご協力頂きますようお願い申し上げます。
  • 引き続きよろしくお願い申し上げます。

ビジネスシーンでは基本的に、希望を伝えつつ、先方の状況にも配慮を行う事がマナーとされています。こちらの希望ばかり伝えていると、今後仕事がしにくくなる事もあるので先方に配慮しながら要望をする事が大切です。

ダイレクトに【要望します】とは使用しません。【お願いします】【お願い出来ますでしょうか】【存じます】【〇〇して頂けますでしょうか?】のように言い換えると丁寧ですよ。

要望と所望の使い分け

要望とかなり似ている表現が【所望(しょもう)】です。所望とは、欲しいと望んだり願うなど、望みがある時に使える表現です。要望と所望どちらも望むものという意味があり、明確な違いはないですが使い分けが必要な表現です。

所望はピンポイントで望む事に対して用いる

  • 〇〇様は〇〇をご所望です
  • どちらをご所望されていますか?
  • お客様ご所望の服をお持ちしました
  • ◯日の予約枠に空きが出ましたので、ご所望の方がいらっしゃいましたらご連絡下さい

上記のように、所望は具体的な望みがある時に使われます。特にビジネスシーンではしっかりと使い分けるように心がけて下さい。

所望の敬語・謙譲語とは?

所望は敬語表現ではないですので、所望の前に【ご】をつけて【ご所望】とすれば丁寧語となります。尊敬語は【所望される】謙譲語は【所望いたす】となりますよ。

状況に応じて言い換え表現を使って敬語や謙譲語を駆使しよう!

要望は、希望を伝える時に用いる表現で、主にビジネスシーンで用いる事が出来ます。似ている表現に【要求】【お願い】【要請】などと言った表現もありますが、それぞれ使い方に違いがありますので注意が必要です。正しい使い方や言い換えが出来れば敬語や謙譲語を正しく使いこなせてビジネス用語をスマートに使いこなせるようになります。

表現の意味はしっかりと理解しておいて下さい。