トラックやバス、タクシーなど、車両を利用した業務を行う業者は、その出発前に安全運転に必要な指示事項をチェックするための点呼記録簿を作る事が義務づけられています。ドライバーの様々な情報を記入する必要があり、何らかのトラブルがある前に乗車を拒否するか、さらに後日トラブルが発生した時にも異常がなかったかなどに確認される重要な書類です。点呼記録簿の書き方を例を交えて解説します。
点呼記録簿について
点呼記録簿を作る前に、まずはどういった書類なのかしっかりと理解しておく必要があります。理解せずに作成を進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
さて、点呼記録簿は基本的に出欠確認を行った方が、出欠確認を受けているドライバーの氏名などを記載する記録簿です。
点呼記録簿の重要性
作成したことがない方にとって、とりあえず点呼記録簿の形だけができていればよい、と思い作成されることもあります。たしかに、フォーマットに沿って作成されている書類であれば、基本的に効力を持つことから特段難しく考える必要はありません。
つまり、安易な書類として捉えていると、こういった大切な部分を見逃してしまったり、そもそも危険な状況であるにもかかわらず通常通りに運転させてしまうなど大事故に繋がりかねないのです。点呼記録簿は、その業者にとっても非常に重要な書類になります。何となく形だけで作るのではなく、どれだけ重要な書類なのか理解しながら作ることをおすすめします。
点呼記録簿の作り方
作り方について解説していきます。大変重要な書類ではありますが、法廷項目がしっかりと記載されていることが守られていれば、基本的にはその企業のフォーマットに沿ったもので問題ありません。
しかし、あまりにもわかりにくかったり、いつのものかわからない、誰の点呼記録簿なのかわからないといったように作成されているのは問題です。最もシンプルな書き方について解説していきます。あくまで一例ですので、作成の一助としてチェックしてみてください。
点呼記録簿の作成例
まず横向きに作ると記入しやすく便利です。基本的には、以下の二つの項目を作ることから、縦向きに作るとやや書類が確認しにくくなるので避けて下さい。
- 業務前点呼
- 業務後点呼
最上部には大きなフォントで「点呼記録簿」と作成してください。これは、第三者が見ても点呼記録簿と理解するためのポイントです。そして、右側には運行管理者などがチェックできる押印欄をそれぞれ作成します。日付は、その上部でも構いませんが、点呼記録簿といったタイトルの下部など見やすいところにあると書き込みやすく安心です。
下部には、営業所を書き込める項目を作成してください。
点呼記録簿の指定事項
最も重要になってくるのが、中央部に記載すべき点呼記録簿の指定事項です。指定事項は、基本的にはその営業所によっても変わってくるのですが、基本的に記載したい項目はどこの営業所も一緒ですので、基本的な部分を見ていきます。
まず、項目を枠でいくつも記載できるように書き込みます。業務前点呼、業務後点呼が分けられているように作成してください。
そして、左部分の項目には以下を記載できる項目を作成します。
- 運転者名
- 車両番号
- 運行内容
- 点呼日時
- 点呼方法
基本的な指定事項は、以下を書き込める項目があるとよいです。
- アルコール検知器のこと
- 酒気帯びの有無
- 疾病
- 疲労などの状況
- 日常点検の状況
- その他の指示事項
必ず、点呼執行者の氏名が書き込める欄も作成し、これを業務前点呼と業務後点呼で同じように作成していきます。
指示項目は予め必ず決めておく
最も苦労するといわれているのが、指示項目の作成です。指示項目は基本的に営業所によって変わってくることから、入れるもの、入れないものなどをしっかりと検討しておく必要があります。
上記でお伝えしているように酒気帯びだったり疾病などの指定事項は記載すべきですが、そのほかに以下の指定事項も書き込むことが重要になるかもしれません。
- スリップにおけること
- 信号
- カーブ
- 法定速度の遵守
- 追い越し注意
点呼記録簿で安全運転に必要な指示事項もチェック!テンプレート利用もあり!
点呼記録簿を作る際、まずテンプレートなどを参考にした上でたたき台を作成して下さい。第三者などに確認を経た上で作成し、調整していくことが大切です。指示事項をチェック出来る要点を押さえた点呼記録簿を作って安全運転で事故ゼロの運用を心がけて下さい。