ビジネスを行なう際、様々な文書をやり取りする事になります。しかし、適当な内容の文書でやり取りを行なってしまうと信用問題になったり、個人だけではなく会社間の関係性にヒビが入ってしまう危険があるので要注意です。そんなビジネス文書の中でも取り分け重要度が高いのが「取引確認書」です。書き方や注意点やテンプレートについて解説しますのでビジネスシーンでお役立て下さい。
取引確認書とは
何らかの取引を確認する書類です。
多少の法的効力を持つ!
確認書は、基本的には差出人が提示した内容で問題ないという事を確認する場合で使う文書ですが、取引確認書となるとその取引に応じた、または、応じる事を双方が確認したという意味になります。
その為、取引確認書を正式に交わした後に何らかのトラブルがあった場合、多少の法的効力を持つ事があるので注意して扱うようにした方がよろしいでしょう。
このように一般的な取引確認書について説明しましたが、他にも意味合いがある場合がほとんどです。
取引相手を見極める第一歩の書類でもある!
まず第一に取引確認書は、新規の取引するであろう会社に書いてもらう書類です。支払いサイトだったりどこの銀行を使っているかなど会社の情報を記載してもらう書類になります。
まずは、この会社は信用出来る会社かどうかを見極める第一の書類にもなります。いわば申込書のような位置づけになる事が多いでしょう。
取引確認書を作成する前に…
作成は、色々なポイントを押さえて行なう事が求められます。
しかし、前述した通り何かトラブルがあった時にそれなりの効力を持つ事がある為、何も取引について理解しないまま作成するのは危険です。しかし、確認書という事で少し身構えてしまうかもしれませんが、取引確認書については、そこまで身構える事は必要ないでしょう。
取引確認書は自己紹介の段階
まず、取引を始める前にトラブルは起きません(取引が始まっていない為)。それに、取引確認書をお互いに書く事で、トラブルを未然に防ぐという事もあります。
また、取引を始める事を決定すれば、まずは契約書を交わします。取引確認書は、契約前の段階でお互いの会社はどのような会社なのかという自己紹介の段階ですので、そこまで身構える必要はないでしょう。
リスクはあるか?
取引確認書を作成して、相手に作成してもらう場合はリスクについても考える作業が必要不可欠です。
取引相手選びは慎重に!
特に全く情報のない相手との取引として作成する場合、相手がまともな業者である事を確認出来る事が重要になります。約束を守らなかったり支払を怠ったり依頼通りの作業をしない業者との取引は非常にハイリスクになるので最初の段階での見極めが非常に大切です。
仮に、取引確認書が法的効力を持っていたとしても完全に効力を発揮するとまではいかない場合もあります。
仮に、提出した後に相手先の財務状況が悪くなってしまうという事も考えられるので注意が必要でしょう。
相手に対する調査も大切!
互いに信頼出来る間柄であり、さらに評判を手軽に聞く事が出来る場所であれば安心です。しかし、そうでな場合は登記情報による調査などを行なっておくと安全です。
例えば、以下のような情報の確認です。
- 商業登記情報
- 商号
- 本店
- 目的
- 役員
大きな企業であればあるほど安心ですが、あまりに知られていない企業も中には少なくありません。
まず、取引確認書の作成をする前に信用のある取引が出来るのかを確認した方が安心です。
取引確認書と一緒に「取引確認書の提出のお願い」の文書も添えると信頼感UP!
唐突に取引確認書だけを差し出すと不信感を与えてしまいます。一緒に取引確認書の提出のお願いといった文書を添える事も可能ですので作成してみましょう。
1枚にまとめるのではなく別紙で作成しても構いません。「取引確認書の提出のお願い」は以下のような内容の文書です。
- 相手に作成をお願いする
- 条件などを説明する
「取引確認書の提出のお願い」の例文
では、どのような事を記載すればよいのか簡単にチェックしましょう。
表題
まず、表題として取引確認書の提出のお願いという事を大きな文字でしっかりと記載して下さい。相手がどんな文書か理解出来るものではないと、なぜこれを作成しているのかわからなくなってしまうので注意が必要です。
取引確認書の提出依頼文
あくまで、提出をお願いする文書である事を記載しましょう。文頭は以下のような定型文などで始めて良いでしょう。
- 拝啓 貴社ますますご清栄の事とお慶び申し上げます。
相手にお願いする文書なので、高圧的な表現にならない事がポイントです。そして、取引確認書提出を作成する事を促す文章を加えます。
- 当社では、○○に該当するお取引の場合に取引確認書のご提出をお願いしております
取引条件は分かりやすく箇条書きで!
取引確認書提出の条件を記載すると文章に記している場合は、「記」という文字を記載した下部に、自社で提出を行なう場合の条件などを分かりやすく記載して下さい。
【注意】受理されない場合もある
あくまで取引確認書提出のお願いですので、相手から拒否された場合は取引出来ない可能性があります。合法的な内容である事を確認し、提出のお願いを作成して下さい。
取引確認書の書き方
実際の取引確認書を文例にして書き方をチェックしていきましょう。
表題
表題を大きく記載して下さい。その後、以下の欄があるとより良いです。
- 社名
- 社判押印欄
取引先の情報
取引先に関する情報の記載欄も作りましょう。
- 代表者名
- 印鑑押印欄
- 電話番号
そのほか、以下の情報も記載する欄があると親切です。
- 会社の住所
- 事業内容
- 設立年月日
- 資本金
- 年間売上高
- 従業員数
取引先によってはこのような欄が不要な場合もありますので、差出相手に書き方などをレクチャーしておくと安心です。
支払情報など
さらに、以下のような支払に関する情報を記載出来る項目を作成しましょう。
- 取引銀行
- 制作担当者
- 経理担当者
- 支払条件
備考欄など
最後に、備考欄であったり取引先相手の各部署の確認の印を押せる項目を作成します。
取引確認書のテンプレート
法律で定められた書き方はなく、ある程度は自由な書き方で作成出来る文書です。
書き方を間違えるとリスクになる可能性も…!
注意したいのが取引先あっての重要なビジネス文書である事です。
つまり、ビジネスとして作成する重要ドキュメントの為、後々ミスがあったりトラブルになった場合、それが法的効力を持つ可能性もゼロではないというリスクにもなり得る事実を知っておくべきなのです。
慎重な書き方を求められる取引確認書はテンプレートを参考に作成すると安心!
そのような場合、すでに会社にテンプレートがあれば良いですが、そのようなものがなくてゼロからエクセルなどで作成しなければいけないという立場になる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時、おすすめしたいのがテンプレートです。テンプレートは、インターネット上に様々な書式やフォーマットで点在しており、無料でダウンロード提供しているサイトも少なくありません。
エクセルやワード書式のテンプレートはカスタマイズが出来て更に便利!
PDFではなくワードやエクセルといった様式で用意されていれば、自社の都合に合わせてアレンジする事も出来るでしょう。作成する際、インターネット上にある取引確認書を利用してみるのもひとつの手段です。
ExcelやWordのシンプルなテンプレートをご用意しております。サンプルや見本としご利用頂く事が可能です。取引確認書の例文や書き方やマナー&無料テンプレートより簡易的にダウンロードが出来ますので、作成の用途に合う場合などにご利用ください。
【注意】テンプレートの利用は「取引確認書」に対する理解を深めた上で!
このようにテンプレートを利用して作成する方法をご紹介しましたが、理解が足りない方は、まだテンプレートを利用するのはやめた方が良いです。理解が足りなければ記載する項目などが分かりません。
取引確認書について理解する為には、複数のサイトからテンプレートを複数ダウンロードするのが近道になるかもしれません。ダウンロードしてきたテンプレートを見比べる事で、共通する分や違いがわかる事でしょう。これについて、なぜこの項目が記載されているのかを調べて理解する事で、テンプレートを利用出来るようになります。
誰でもテンプレートは利用出来るのですが、理解が足りなければ、しっかりとした取引確認書は作成出来ません。稚拙な書き方で作成してしまうと、取引先に対して悪い印象を与えて信頼も下がるので、そのような事態は避けましょう。
取引確認書について理解を深めた上で、テンプレートを利用して作成する最大のメリトットは、テンプレートの良いとこどりが出来るという事でしょう。
自分の作成する取引確認書のイメージがあれば後は色々なテンプレートの良い部分を当てはめていけば良いので、簡単に取引確認書が作成する事が出来ます。
取引確認書は相手ありき!丁寧で公正な書き方が不可欠!
取引確認書を作成する場合、必ず相手先の企業についてしっかりと調べておく事が大切です。さらに、取引確認書ですのでその書類の中にも相手先の企業の情報が虚偽なく書き込まれるように作る事が求められるでしょう。
テンプレートなどをうまく利用し、取引先からも信頼される素晴らしい取引確認書の書き方心がけましょう