春になると、転職や人事異動をする方へ送別会が開かれる事が多くなります。職場を去る方の為に開かれる送別会では、締めの言葉が定番です。
挨拶の時に言ってはいけない言葉はあるのか?手締めや万歳三唱はしなければいけないのか?退職者へ贈る締めの言葉やシンプルな挨拶の例文を紹介します。温かい一言メッセージを送ってください。ビジネスシーンに欠かせない知識です。
退職者へ贈る締めの挨拶とは?
職場を去る退職者へ贈る締めの挨拶は主に、その方へ感謝の気持ちを伝えるようなメッセージです。また、人事異動の方には、今後もよろしくお願いしますという気持ちを込めたメッセージが好ましいです。退職理由によって、締めの挨拶のメッセージは違います。
送別会の一般的な流れ
送別会には一般的な流れがあります。送別会を開く職場や地域によっては流れが異なる事もありますが、一般的な流れは以下の通りです。
- 始まりの言葉
- 開会の挨拶
- 乾杯の挨拶
- 食事や歓談
- 贈る言葉
- プレゼントや餞別の贈呈
- 主役(退職者)挨拶
- 締めの言葉
- 閉会の挨拶
- 案内(2次会がある場合は2次会の案内)
退職者へ贈る締めの言葉のポイント
退職者へ贈る締めの言葉のポイントをご紹介致します。メッセージを作成する前に一度チェックしておいて下さい。
締めの言葉は手短に
送別会には、お酒を飲んでいる方もいらっしゃいます。締めの挨拶をする頃には、皆様お酒も入っている状態です。会話も盛り上がっていて楽しんでいらっしゃいます。別れの挨拶を各自でしていて過去を振り返ったり、これからの話をしたり、深い話題に浸っている方もいらっしゃいます。
そのような状態で真面目な話を聞いてくれる人は居ません。締めの言葉は手短に済ませて下さい。長くても3分で挨拶が終わるように心がけて下さい。
伝えたいポイントをシンプルに
退職者へ伝えたい大切なメッセージをピックアップしてシンプルにまとめる事で、短い時間で濃い内容の挨拶を作れます。退職者へ贈る締めの言葉を考える際には、一度別紙にて伝えたい事を書きだしてまとめるように挨拶文を作る事をおすすめします。
オリジナルエピソードを入れる
あまり関わりのなかった方へ贈る挨拶であれば、定型文を使って話すと当たり障りもなく、シンプルな挨拶になって良いです。しかし、以下のような深い関わりのある方へ、締めの言葉を定型文でシンプルに済ませてしまうのはどこか寂しいです。
- 退職者と仲が良かった
- お世話になった事がある
今まで一緒にお仕事をしてきて、面白かった事、印象に残っている事、感謝している事があるなら、挨拶に入れる事によってよりオリジナル性がある締めの言葉に出来ます。
退職者へ贈る締めの言葉の注意点
退職者へ贈る締めの言葉の注意点を紹介します。締めの言葉を作る前にチェックしておいて下さい。
マイナスな言葉は使わない
退職者の退職理由には様々ありますが、以下のようなマイナスな言葉は退職者にも不安を与えてしまうので避けて下さい。
- ●●が居ないと職場経営がうまくいかない
- ●●が辞めてしまったから仕事に穴が開いてしまった
- これから●●がいない職場で働くのは不安
締めの挨拶では、「●●さんがいないと寂しいのですが、これからも社員一同精一杯努めていきます」というような、マイナスな言葉を使うのであればしっかり前向きな言葉も加えて全体的にポジティブなメッセージにすると良いです。
状況によっては自己紹介も
社内の人だけが参加している送別会であれば、自己紹介はする必要がありません。
締めの挨拶を贈る相手によっては失礼にあたる言葉も…
例えば「頑張って下さい」という言葉ですが、日常的にも使ってしまいがちなこの言葉は本来目上の方に使う言葉ではありません。退職者が自分より目上の方であれば「頑張って下さい」ではなく、以下のメッセージが適切です。
- ご自愛下さい
- ご健闘をお祈りしています
- 陰ながら応援しております
退職者へ贈る締めの挨拶の手締めの仕方
締めの挨拶をお願いされたら、送別会を締めくくる為に手締めをする事が一般的です。手締めにはどのような種類があるのか?また送別会にはどの手締めが最適なのか?紹介していきます。
お祝いの席で使われる事の多い【一本締め】
一本締めは主にお祝いの席で多く使われています。掛け声は「お手を拝借」と、皆さんに一本締めをする合図を送ります。皆さん手をたたく準備が出来た事を確認した後に「よーっ、パパパンやパパパンやパパパンやパン」と手をたたきます。
応援する時に使われる事の多い【三々七拍子】
三々七拍子は「パンパンパンやパンパンパンやパンパンパンパンパンパンパン」を繰り返し行うのが三々七拍子です。
主に応援する時に使われる事が多いので、送別会にピッタリな締めの一つです。
正式な手締めの方法と言われている「三本締め」
三本締めは正式な手締めの方法と言われている事もあり、送別会で使われる事が一番多い手締めの方法です。掛け声は「お手を拝借」と、皆さんに三本締めをする合図を送ります。
「よーっ、パパパンやパパパンやパパパンやパン」→送別会の企画をして、準備(設営や運営をしてくれた人)を進めてくださった方に向けて。
「よっ、パパパンやパパパンやパパパンやパン」→送られる人へ向けて。
「もう一丁、パパパンやパパパンやパパパンやパン」→全員、そして都合によって欠席している人へ向けて。
上記のように送別会に来て頂いている方(参加出来なかった方も)それぞれに向けて3本繰り返す事が三本締めの方法です。
退職者へ贈る締めの挨拶の例文
退職者へ贈る締めの挨拶を、退職理由別に例文を紹介します。
定年退職の方へ贈る締めの挨拶の例文
●●さん、今日まで本当にお世話になりました。私が入社したての頃…
~エピソード~
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。今後も、これまでご指導頂いた事を忘れず、社員一同、一丸となって頑張って参りますので、見守って下さいますよう、お願い致します。
●●さんの、今後のご健勝やご多幸をお祈り致しまして、挨拶とさせて頂きます。本当にありがとうございました。【手締めを行う】
寿退社の方へ贈る締めの挨拶の例文
●●さん、この度はご結婚誠におめでとうございます。これまで毎日一緒に仕事をしてきた●●さんとこれからもお仕事が出来ないと思うと寂しい気持ちでいっぱいですが、●●さんの新しい門出を心から祝福致します。
それでは、●●さんの末永い幸せと、ご参列頂きました皆様のご健勝を祈念致しまして、●●(手締め)の音頭を取らせて頂きます。【手締めを行う】
転勤や異動の方へ贈る締めの挨拶の例文
●●さん、ご栄転おめでとうございます。●●さんとは数年営業担当を一緒に任されていました。
~エピソード~
ここまで信頼出来る相棒を持てた事は私にとって、大きな宝物になりました。新しい職場(新任地)に行かれましても、ますますのご活躍をお祈りしております。それでは、●●さんのご健勝やご活躍をお祈りいたいまして●●(手締め)を行います。【手締めを行う】
中途退職や転職の方へ贈る締めの挨拶の例文
●●さん、●年間(短い間でしたが)お世話になりました。●●さんが、この職場を去る事になったと聞かされた時は、非常に残念な気持ちではありましたが、新しい職場に行かれましても、どうかお体に気を付けてご活躍下さい。●●さんのますますのご発展をお祈り致します。
今日までありがとうございました。【手締めを行う】
退職者への送別会における締めの挨拶には温かいメッセージを込めて
送別会の退職者へ贈る締めの挨拶は、どのような形の退職であっても必ず本日までお世話になった事へのお礼と感謝の気持ちを伝える事が大切です。締めの挨拶では失礼にあたる言葉は避け、またプレシャーとなるような言葉も避けるように心がけて挨拶文を考えて下さい。
また、関わる事の多い方だったら面白いエピソードや感動的なエピソードを入れると、より良い挨拶文となります。