書き方・例文

出勤簿の書き方や保存期間・保管法や労働基準法の注意点を解説!必要項目をチェック・無料テンプレートあり



出勤簿の書き方や保存期間や労働基準法の注意点を解説

事業を行っていて人を雇っている際、勤務者の出勤簿をつける事が労働基準法により位置づけられております。めんどくさいからといって作成を怠った際は違法となる為、事業主は出勤簿の作成が必須です。書き方・保存期間・目的・作り方の注意点を説明します。

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出勤簿について

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出勤簿がいかなる資料か、何のために必要か、使用目的を説明します。

出勤簿とは?

勤務者の勤務状態を把握する為の記録です。会社(事務所)に常備する必要があります。従業員の勤務状態を的確に作る為には、必要不可欠となります。

勤務時間と休日は労働基準法により以下の通り位置づけられてます。

  • 使用者は原則として1日8時間/1週間に40時間を超えて勤務させてはならない
  • 使用者は、勤務時間が6時間を超える際は45分以上/8時間を超える際は1時間以上の休憩を与えねばならない

上記のような労度基準法の決まりが守られており、賃金を従業員に正確に支払っているか管理する仕組が「勤怠管理」であり、勤怠管理も、使用者には勤務時間を把握する責務があると法律に書かれております。使用者は従業員の勤怠を把握する為にも、出勤簿をつける義務があります。

労働基準法4章の趣旨に基づき、事業主は勤務者の労務管理を行う上で3つの帳簿をつけねばならないと義務付けられております。3つの帳簿は法定3帳簿と言われております。

  • 出勤簿
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳

労働基準法で位置づけられているので、上記の出勤簿をつけていないと違法となり罰則が課せられてしまうのです。

出勤簿の目的・必要性

  • 遅刻・欠勤・残業の有無の確認
  • 勤務管理
  • 賃金の支払確認

出勤簿がある事で、会社は従業員の遅刻・残業・欠勤を確認する事が出来ます。労働基準法で決められている勤務時間が守られているかetcを確認する事にも役立ちます。また、賃金支払時に最終チェック資料としても生きます。

ただ、労働基準法の条文にて出勤簿のはっきりした規定はないですが、厚生労働省の通達にて行うべき対応が記述されております。厚生労働省通達の「勤務時間の適正な把握の為に使用者が講ずるべき措置に関するガイドライン」 の第4項において、使用者は勤務者の勤務時間を正確に把握する為に勤務者の勤務日ごとの始業・終業時刻の確認&記録が必要と決められているのです。実際には義務として位置づけられます。

出勤簿の対象者

正社員・パート・アルバイト・派遣etcの雇用形態に関係なく、勤務者全員分を必ずつけねばならないです。勤務者全員が対象となります。

管理職は原則として出勤簿の対象外!しかし…

ただし、管理監督者にあたる管理職の際は、労働基準法第41条2項に必ずしも出勤簿を書かなくて良いとされております。なぜなら、管理監督という意味では経営者と同じ立場で勤務者を監督する人であり、自身の判断・裁量で出退勤が出来る自由裁量を持ち併せているとみなされるからです。

ただし、会社側には管理監督者の健康も確保する義務があります。出勤簿が書かれなくても良いからといって、長時間勤務や、休日日数etcを抑制せずに過剰に休日出勤・長時間残業etcの激務に繋がる勤務をさせるという行為は問題になります。管理監督者の勤務形態に関しても、出勤簿対象として健康に悪影響を与える長時間勤務を予防する為に管理する事をおすすめします。

管理監督者の注意点

管理監督者の勤務管理について注意点があります。

「管理監督者は役職名で判断されず、実際の職場における職務内容や権限・裁量・賃金etcで判断されるものです。」

上記の部分は大切ですので厚生労働省のガイドライン「労働基準法における、管理監督者の範囲の適正化の為に」に少し触れます。「管理職だから残業代は不要だろう。」etcよく言われておりますが、会社内で管理職としての地位にいる勤務者でも労働基準法の管理監督者に当てはまらない際があります。

例えば会社で「店長」を管理職として定義していても、実際に労働基準法における管理監督者に係る判断基準を元にして見ると十分な権利もなく、相応な待遇も与えられていないと判断される際には当てはまらないです。残業手当を支払わないで良いという事にはならないです。

管理監督者でも割増賃金を支払うケースあり!

企業内で管理職と位置づけられていても次に挙げる判断基準に基いてトータルで判断した結果、労働基準法における管理監督者に当てはまらない際は、労働基準法で決められた勤務時間等の規制を受けて時間外割増賃金・休日割増し賃金の支払いが必要になります。

  • 勤務時間・休日・休憩等の規制の枠を超えて勤務せざるを得ない重要な職務内容を担当
  • 勤務時間・休日・休憩等の規制の枠を超えて勤務せざるを得ない重要な責任・権限を担当
  • 現実の勤務態様も勤務時間等の規制に馴染まない
  • 賃金等について、地位に相応しい待遇がなされている

以上の項目に当てはまらない際は企業内では管理職としても、労働基準法においては管理監督者と扱わないという事案は多くあるので使用側としても要注意です。勤務者としても権利がある事を認識しておく事は大切です。

以上の事からも使用者側としては、管理監督者とする者の体調に悪影響を及ぼさせない為にも、企業側の危機管理の姿勢としても、管理監督者についても出勤簿対象とする事をおすすめします。特に多店舗展開する小売業・飲食業の店舗では、より細かく規定されているので要注意です。

タイムカードについて

勤怠管理をタイムカードで行なっている企業もありますが、正確に勤務管理を行えるわけでは無いと言われております。

例えば以下に当てはまる従業員が存在するからです。

  • 朝打刻してから自分のデスク上で食事をとりだす人
  • 会社内では残業は一切なしと口頭で言われてるにも関わらず、終業時刻を過ぎても自分のペースで仕事を続ける人
  • 周りの従業員としゃべっている人

従業員本人は終業時刻を過ぎたから雑談をしているつもりでも、会社としての勤務管理上は打刻時間が業務終了時刻となります。働いていないにも関わらず給料が発生するという事態が起きてしまうのです。

実際にこんな状況である従業員が辞める際に打刻時間を元に、未払い残業代とそれに伴う遅延損害金を2年に遡り(時効が2年)請求されたケースも珍しくないです。その際は会社側がその人が残業していない証明をしなくてはならず、時間も労力もかなり浪費する事になりかねないです。

当然、きちんと勤務している分に関しては支払うべきですが、上記のケースも実際に存在します。トラブルを避ける為にも、労使双方の為にも、タイムカードを出勤簿として使用する際は、作業日報や残業許可書の提出・許可制etc、会社の規約etcも明確に整備して確認資料等で記録が正しいかの確認をする事が労使双方にとって大変必要です。

出勤簿の保存期間・保管法

出勤簿の保存期間・保管法を各々解説します。

保存期間

労働基準法第109条の「賃金、その他、勤務関係に関する重要な書類」に出勤簿は当てはまります。保存期間は最後に出勤簿を書いた日から3年間です。また、退職者がいる際も、退職日から3年間は保管しておかねばならないです。ゆえに、ここで言う3年は最後に出勤簿が書かれた日から3年という事になります。

退職金請求の規定では、請求権の時効が5年になってますので5年保存しておくとより安心です。ちなみに万が一3年以内に破棄又は紛失した際、労働基準法第120条に基づき罰金を科される事もあるので要注意です。

保管法

出勤簿には勤務者の氏名が書かれている為、個人情報となります。個人情報が漏洩しない様に気をつけて保管すべきです。何かトラブルが生じた際に確認しやすい様に、リングファイルetcに挟んで保管する事をおすすめします。

出勤簿の必要項目

最低限必要な項目について各々解説します。

勤務者氏名

勤務状況を書く勤務者の氏名を必ず書いて下さい。

勤務時間

日別で以下の内容を管理する必要があります。

  • 出社時間
  • 退社時間
  • 休憩時間
  • 残業時間(時刻と時間数)
  • 休日勤務の有無と行なった際は時刻と時間数

家へ直帰する際でも、本人の申告と証拠に基づいて正確に書かねばならないです。さらに、備考欄etcを追加し、有給etcの使用で休暇をした際に、有給を使ったと分かる文面が書ける様にしておく事もおすすめします。

出勤簿の様式と各々のメリット・デメリット

以下の書き方があります。各々メリット・デメリットを解説します。

  • 手書き
  • 専用ソフト
  • エクセル
  • タイムカード

手書きの出勤簿のメリット・デメリット

メリット

手書きのメリットは、1枚の用紙に全ての情報がまとめられる事です。管理者は比較的作りやすくなります。

デメリット

デメリットは、自己申告が主になるので、不正申告が起きる可能性がある他、3年間紛失しない様に保管をしないといけない為、場所を確保すべき事です。

専用ソフトのメリット・デメリット

メリット

専用ソフトでは、集計・分析が自動なので入力ミス予防集計作業を省く事が出来ます。また、インターネット環境があれば、社外からでもスマホやパソコンにて勤怠情報入力が可能なので、どうしても帰りに会社へ寄れない人に便利な機能です。

デメリット

専用ソフトを導入する際、コストがそれなりにかかるという点がデメリットです。すぐに導入したいという際でも、専用ソフトはたくさん販売されているので企業が望んでいる機能etcが搭載されているソフトを選び出す事に時間がかかってしまう可能性もあります。

エクセルのメリット・デメリット

メリット

エクセルは、会社に合わせて作る事が出来る点や、時間の集計etcも数式を入れる事で容易に作れる点がメリットです。無料でダウンロードが出来るひな形サイトetcもあり、ダウンロード後すぐに使用出来るので、そんなサイトを利用してみる事もおすすめです。

デメリット

従業員が自ら入力する為、入力ミスetcで数式etcが狂ってしまう可能性があります。入力ミスに気づかないまま賃金の支払いをした際、未払いetcが発生して問題になる可能性もあるので、管理者は細かいチェックを定期的にすべきです。

タイムカードのメリット・デメリット

メリット

操作も容易で、端末機も専用ソフトより安価で入手可能です。

デメリット

出勤簿として使えない他、操作は容易ですが、入力ミスが生じる点はデメリットです。

出勤簿管理の罰金制度

出勤簿を作っていなかった際、30万以下の罰金が科せられる可能性があります。例えば、3年間保管していなかった際や紛失した際でも、罰金の対象となり得ます。また、そんな事象が世間に知られたら会社の信頼を失ってしまう事もあります。出勤簿はしっかり作りましょう。

使いやすい様式の出勤簿で正確に管理!

企業毎に、出勤簿に対して求めている機能は異なります。社内・社外のどこにいても出退勤の管理をしたいという際は、専用ソフトetcの購入がおすすめです。用紙を長期間保管する場所がないという際は、エクセルでの作成がおすすめです。どう保管・管理していくのか、企業の方針と相談しながら、管理法を決めて下さい。会社に適した使いやすい出勤簿を使う事で正確な勤怠管理を行って下さい。