手紙でよく使われる【乱筆乱文】。メールやLINEといったメッセージツールの普及により、最近はあまり使われない言葉になってきています。しかし意味を知っているとビジネスシーンで役立ちます。【乱筆乱文】の手紙やメールにおける正しい使い方や例文を解説します。他にも使える類語も紹介します。
乱筆乱文の意味
まずは【乱筆乱文(らんぴつらんぶん)】の意味を分かりやすくする為に、2つの言葉に分解してみます。
合わさる事で1つの四字熟語となっているのです。ではそれぞれ意味を見ていきます。
乱筆
以下のような意味を持っています。
- 文字を乱雑に書く
- まとまりがない
- 自分の字が汚い
へりくだった表現です。文字が汚くて雑!といったニュアンスです。つまりパソコンやスマホの打ち込みではなく、手書きの時のみ使われます。
乱文
以下のような意味を持っています。
- まとまりのないテキスト
- ゴチャゴチャしている
- 文として整理されていない
テキストが雑で下手くそ!といったニュアンスです。
乱筆乱文
そして2つが合わさった【乱筆乱文】は字もテキストもまとまりがないとなるのです。現在は汚い字でまとまりのないテキストをお詫びする言葉やへりくだった表現として用いられています。
乱筆乱文の使い方や例文って?
実はビジネスシーン以外でも使える便利な言葉なのです。例文を見るとすぐにどう使えば良いか分かるので見ていきます。
こちらはビジネスのワンシーン。手紙を締めた後に汚い文字で申し訳ない事を謝っています。
1つ目の例とは逆でテキストの冒頭に【乱筆乱文】を持ってくるパターンです。読み手テキストや字が雑なんだ、と思った状態で読み進める事になります。
固いシチュエーションでの例文です。【ご容赦】は大目に見て欲しい、許して下さい、といった意味を持っています。そのまま【乱筆乱文の程お許し下さい】と書くよりもスッキリとした仕上がりになります。
日常では中々用いる機会が無いですが、こんな例も。送られてきた手紙が汚い文字だった時の表現です。話し言葉や小説のような文芸で使えます。
子どもや年下に向かって使える表現。見ていて危なっかしい人が今から大切な手紙を書こうとしているときに言うと効果的です。
ビジネスというよりはどこか緩めのシチュエーションでの表現です。学生時代の恩人や仲の良い先輩に向けた手紙で使えます。
乱筆乱文の類語はあるけど…
何か類語の表現がないか?と考える人もいます。実は似たような言葉は数多く存在します。
- 下手な字で申し訳ございません。
- 拙いテキストで…
- 殴り書きでごめんなさい
- まとまりのないテキストですが…
他にも【駄文、踊った文字、筆下手】があります。
もちろん場合によっては【まとまりのないテキストですが】【拙いテキストで…】は使えます。
【殴り書きでごめんなさい】と書く方が乱文と言えます。
【乱筆乱文って何?】となりますからね。
乱筆乱文の注意点!へりくだった表現を嫌う人も多い?
へりくだった表現として用いるのがほとんどですが、相手の捉え方は様々です。
確かにビジネスシーンでの大切な文書であれば、構成のしっかりしたテキストかつキレイな字で書くのが当たり前です。【乱筆乱文にて失礼します】と冒頭につけた事によって【手抜きしている】【言い訳だ】と思う人はいます。
相手の性格が分かっているなら使わない、といった対処をして下さい。それに時代の流れによってへりくだった表現が通じないケースも無きにしも非ずです。よくある【つまらない物ですか…】という一言も、今では【つまらない物じゃなくても面白い物持って来て】と思われがち。
【乱筆乱文】が使われない時代は近いかもしれません。また、丁寧でまとまったテキストになっているのに【乱筆乱文】を付ける事で、【じゃあもっと丁寧に書けるんじゃない?】と思われて返って印象が悪くなる可能性も…。
難しい表現だからこそ用いる際は相手がどう受け取るか注意し、大切な手紙は書き終えたら誰かにチェックしてもらうようにして下さい。
手紙のやり取りがなくなると【乱筆乱文】はどうなる?
紹介してきた通り【乱筆乱文】は手紙のテキストで使われる言葉です。しかし現代社会はインターネットの普及もあって、直接手書きで文字を書く機会は減ってきています。既にビジネスシーンではメールやチャットで打ち込む人が多いです。
もしかすれば今後【乱筆乱文】という言葉は使われなくなる可能性があります。乱筆は文字が丁寧ではない時の表現ですからね。
一方、【乱文】はテキストがまとまっていない、という意味な為メールで使っても間違いでは無いです。残るとしたら【乱文ですみません】【乱文にて失礼します】の表現です。しかし、言葉は時代と共に意味を変えていくものです。いつの日か、メールでも【乱筆乱文】が使われるようになるかもしれません。
それに手紙はビジネス以外でも書くものなので正しく使えて損は無いです。
乱筆乱文は基本手紙で使う言葉。類語をメールで使って使い方をマスターしよう!
字もテキストもまとまりがなく汚いという意味を持つ【乱筆乱文】。お詫びやへりくだった表現として使われる言葉です。メールの普及により目にする機会は減っていますが、手紙や書類を手書きする際に役立ちます。最後にこの記事の重要な部分をまとめると下記の通りです。
- 乱筆とは汚い文字という意味なので、手書きのみ使える言葉
- 乱文とはまとまりのないテキストという意味なので、手書き・メールどちらでも使える
- へりくだった表現を嫌う人がいる
- 緩めのシチュエーションのみ類語がある
- 今後メールで使われるようになるかもしれない
へりくだるという、日本語ならではとも言える表現です。この機会に使い方をきちんと使えるようになると良いです。シチュエーションに応じて類語を使い分けてビジネスシーンで失礼にならないように出来ると更に良いです。また、【乱筆乱文】を言い訳に雑に書く事がないようにして下さい。
あくまでへりくだった表現であり、相手が読めないレベルの汚い雑な文字でテキストを書いていいという免罪符として用いる言葉ではありません。