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「これもひとえに」はどんな意味?どんな漢字で書く?使い方・例文・類語を分かりやすく解説!



「これもひとえに」はどんな意味?どんな漢字で書く?使い方・例文・類語を分かりやすく解説!

スピーチやビジネスなど少しかしこまった雰囲気の際によく使う「これもひとえに」という言葉があります。意味はそれとなく分かるかもしれませんが、間違った使い方をすると恥をかいてしまいます。「これもひとえに」という言葉の意味・使い方・例文・注意点などを紹介します。

「これもひとえに」の意味

まずは「これもひとえに」という言葉の意味から見ていきましょう。分かりやすくする為に2つの単語に分けます。

「これも+ひとえに」

このように分解すると、シンプルな作りだと分かるでしょう。「これも」は指示語な為、前に言葉がなければ意味が通りません「ひとえに」は「理由が他にない」「理由が1つしかない事の強調」といった意味を持つ言葉です。他にも「一途に」「ひたすらその事だけを行う様」といった意味を持っています。そして2つを合わせると「これも(〇〇という結果が得られた)ひとえに(理由は他にはない)」になります。

この時点だと少し分かりにくいですが、使い方や例文を知るとよりスッと理解出来るようになるでしょう。例文を交えて解説しますので引き続きチェックしましょう。

「これもひとえに」の漢字

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「これもひとえに」は漢字で表す事も出来ます。「偏に(ひとえ)」という表記をします。常用漢字ではなく読める人が少ない事から、文章で使う際はひらがなとなっているので注意しましょう。しかし文芸などではルールに囚われないので漢字な場合があります。また、「一重に」という漢字は「これもひとえに」においては間違いです。パソコンの変換だと「一重」が先に出てしまうので、ミスしないよう心掛けましょう。

「これもひとえに」の使い方・例文

「これもひとえに」は例文を知ると使い方も分かりやすいです。

  1. この度、名誉ある賞を頂く事が出来ました。これもひとえに支えてくださる皆様のお力添えがあったからこそです。感謝しております。
  2. 〇〇カフェはこの度5年目を迎える事が出来ました。これもひとえにお客様のお引き立てがあったからこそです。ありがとうございます。
  3. 本日、無事に挙式をする事が出来ました。これもひとえに私たちを温かく見守ってくださった皆様のおかげだと感謝しております。

「これもひとえに」は結果を得られた理由はこれしかない!という強調なのです。②の例では、5年続けられたのはお客様のおかげという感謝の気持ちを表現しています。③の例は結婚式でのワンシーンです。「これもひとえに」はスピーチ感謝の言葉として使われる事が多いです。

こんな使い方もあります。

  • この度はご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。これもひとえに私の不徳のいたすところです。
  • このような結果に終わってしまったのはひとえに私の責任でございます。申し訳ありません。

感謝の言葉で使われがちな「これもひとえに」ですが、謝罪のシーンでも登場します。ミスは私のせい!と強調しているのです。ちなみに「これも」は指示語な為、2つ目の例のように取ってしまっても問題ありません。場合によってはない方が文章や言葉自体がスマートになります。

「これもひとえに」の使い方における注意点

「これもひとえに」を使う際には注意点もあります。

区切りの注意点

スピーチなどで声に出して話す際の注意点は「区切りを意識する」です。自身で発音してみると分かりやすいですが、少し聞き取りにくいでしょう。「と」が抜けやすいです。その為声に出す際はゆっくり言う必要があります。また、強調の意味もつけたいので「これもひとえに、皆様の…」と一呼吸を取りましょう。

意味における注意点

「これもひとえに」という言葉は、使い方を誤ると伝えたいニュアンスが伝わりません。聞き手の受け取り方次第で不快な気持ちになってしまったり、感謝の気持ちがストレートに伝わらないケースがあります。

  • 志望校に合格出来ました。これもひとえに〇〇先生のご指導、支えてくださった両親、努力した自分自身のおかげです。

「これもひとえに」は理由が他にない、あなたのおかげで成功出来た!みたいなニュアンスです。上の例文はお礼を言いたい相手や理由が色々出てきてしまっていて、誰に感謝を伝えたいか分からないです。

  • これもひとえに皆さんのお力添えがあったからこそです。

この例文だと「何が?」となります。「これもひとえに」は前の言葉があって成り立つものです。「〇〇出来たのは、これもひとえに皆さんのお力添えがあったからこそです」と指示される文章をつけましょう。

また、「これもひとえに」は理由が他にない・理由が1つだけという意味を嫌う人もいます。

  • こんな立派な家が建てる事が出来たのも、これもひとえに引き受けてくださった〇〇建設様のおかげです。

勿論、この文章の通りに建設会社が家の建築に携わっています。しかし、その建設会社に多額のお金を支払った人も居ます。お金を支払った人が「お金を出したのは自分だ!」などと、感謝されていないと受け取ってしまいかねません。確かに例文だと頑張って働いてお金を出した人へのお礼は出来ていません。気に触ってしまう事もあるので、相手や周囲の人がどう受け取るかを想定して使いましょう。

「これもひとえに」の類語

「これもひとえに」という表現はどこか固い感じがする・出来れば使うのを避けたい!という方もいらっしゃるでしょう。類語はいくつもあります。

  • おかげさまで
  • どれもこれも
  • 他でもない
  • 〇〇カフェはこの度5年目を迎える事が出来ました。お客様のご愛顧のおかげです。ありがとうございます。

かなり自然な仕上がりでしょう。「おかげ」「おかげさま」は感謝をする時に使う言葉です。

  • 〇〇カフェはこの度5年目を迎える事が出来ました。これは他でもなく、お客様のお引き立てがあったからこそです。ありがとうございます。

「これもひとえに」が表わす「理由は他にない」という強調と同じような仕上がりに出来るのが「他でもない」です。直接的な表現ではありますが、丁寧さは欠けてしまいます

  • 〇〇カフェはこの度5年目を迎える事が出来ました。どれもこれもお客様のお引き立てがあったからこそです。ありがとうございます。

指示語で構成されている「どれもこれも」。例文の使い方をすると「すべて」を表します。すべてお客様の…となるわけです。また、「どれもこれも」という言葉は人の働きに対する感謝を表現する際に使われます。覚えておきましょう。

3パターン見てきましたが、「これもひとえに」を使わなくても同じような意味に仕上がるものです。しかしどこか柔らかくカジュアルなので、ビジネスシーンなどでは避けた方が良いでしょう。相手が「これもひとえに」を分からなさそうな人であれば、類語を使った方が良いケースもあります。伝わらないと意味がありませんし、相手が分かるような言葉を選ぶのもコミュニケーションです。覚えておいて損はありません。

「これもひとえに」の文章における使い方

「これもひとえに」を文章で使いたい場合も多いでしょう。紹介してきた例文をフォーマットにアレンジすれば簡単に使えますが、注意点があります。人はひらがなが続くと読む際につまづいてしまうのです。

  • この度志望校に合格出来たのはこれもひとえにご指導くださった先生のおかげです。

この例文を相手に渡す手紙と考えましょう。少し読みにくさがあるでしょう。「これもひとえに」だけでひらがなが7つ続くので、詰まってしまいます。

  • この度志望校に合格出来たのはこれもひとえにご指導くださった先生のおかげです
  • この度志望校に合格出来ましたこれもひとえにご指導くださった先生のおかげです

「これもひとえに」の前に句読点を入れるだけでスッキリとした文章に仕上がります。特に老眼で文字が読みにくくなっている人へ送る際は、スラスラ読める工夫をしましょう。

感謝・謝罪の意味を強調する「これもひとえに」を使いこなそう!

感謝や謝罪のシーンで使われる「これもひとえに」。理由がそれしかない、他に理由がないさま、といった意味を持っています。〇〇という結果が得られたのはあなたのおかげ!と伝えたいときに使うのが一般的です。

今回の記事の重要ポイントは以下の通りです。

  • 「これもひとえに」は理由が1つしかない事の強調に使う
  • 感謝だけではなく謝罪のシーンでも使える
  • 声に出すと少し聞き取りにくい
  • ひらがなが続くので手紙などで使う際は読みやすい工夫が必要
  • 「どれもこれも」「おかげさま」など類語が豊富

使い方の注意点に気を付ければ問題ありません。また、正しく「これもひとえに」を使えると感謝の気持ちを強く表現出来ますし、言われた相手は喜ぶものです。スマートに使う為にも、頭の中で練習しておきましょう。