看護師として働いている方、または実習生の方であれば「看護記録」の作成を求められる事が多いです。しかし、看護記録の作成が苦手という方は多く、どのように書けば簡潔に正しく書けるか悩んでしまうものです。略語や不適切な表現は書かないという注意点もあります。基本的な看護記録の書き方構成要素を例文と共に解説します。SOAPとは何かについても触れます。
看護記録とは
看護記録とは看護師が看護活動をおこなった上で、その内容を記録として残す為に作成される公的な記録です。個人的な記録日記のようなものではなく、正しい書き方で記載されている事が求められており、医療法でも2年間の保存が義務づけられています。
実際にその医院やクリックの看護師がどのような看護行為をしたのか/しているのか、判断材料になるものですので正しい書き方でく作る必要があります。
看護記録の書き方のポイント
看護記録にはさまざまな記入方式があります。例えば、POSやSOAPといった形式があり、それに沿った書き方が求められます。
簡潔な書き方で看護記録を作る為のポイントについて基本項目にまとめました。
- 第三者にわかりやすく書く
- 事実と責任の所在
- 細かな指示も記録
- あくまで客観的に書く
SOAPとは?
SOAPは、以下のの頭文字から作成されているもので、カルテなどに記録する時に活用されているものです。
- 主観的情報
- 客観的情報
- 評価
- 計画
上記の構成要素を元に看護記録が作成されます。
第三者にわかりやすく書く!略語は書かない!
看護記録は私的な日記ではなく、第三者が閲覧する事が前提のものです。さらに状況によっては医療関係者だけでなく外部医院や患者、家族への開示もある事から、あまり個人情報に触れる内容は書かないようにします。
さらに注意すべきは医院内で使われている略語です。その業界でしかわからない言葉を書く事は、看護記録にとってはあまり好ましい事ではないので略語は書かないように注意して下さい。
事実と責任の所在
看護記録は、公的な記録です。その為、虚偽なく正しい書き方が大前提になります。看護記録の作成は手間がかかったり、文面を考えなければならない事も多く面倒です。その為、起こった事実を忘れて書いたり、憶測でものごとを書いては絶対になりません。
さらに、看護行為をおこなった際には、誰がどのタイミングで、どんな処置をしたか責任の所在をしっかりと記載しておくのが基本です。担当の看護師はもちろん、担当者した医師や病院スタッフについても細かく書くように注意して下さい。
細かな指示も記録
看護記録は、事実を客観的に記載していく事が重要です。ただし、その中で目立つ事象だけを記録するのではなく、小さな事もしっかりと記録して下さい。
例えば、カンファレンスで話し合われた小さな事だったり、医師から口頭で指示された事もしっかりと細かくまとめておく事が重要になります。誰がいつ、どのような内容を指示したのかも記録しておくと安心です。
あくまで客観的に書く
看護記録で求められるのは、その時々の状況でおこなった看護行為です。さらに前述したように指示だったり、患者や家族からの情報の転記の基本情報をしっかりと記載していきます。
さらに、医師が有意に立っているような内容で記載してしまうと、あまりよいイメージではありません。医師が確実といっている手術を患者側の都合で拒否されたとか、相手は意固地であるとか、患者の悪口のような内容での書き方はマナー違反となります。
また、人格を否定してしまうような言葉遣いは書かないようにすべきです。あくまで客観的に記録していくのが、看護記録という事を覚えておく必要があります。
看護記録の例文
看護記録の例文について解説していきます。医院やその状況、記録すべき事象はそれぞれシチュエーションによって変わってきます。あくまで基本的なサンプルの看護記録例文として捉え、アレンジを加える形で利用してみて下さい。
例文
患者〇〇
21時に就寝されたものの、23時に自動販売機でお茶を購入したいと歩いていたところを声かけ。 購入後にベッドにお連れした後に臥床して頂いた。その後に入眠されたものの1時間後にまた自動販売機へ向かっていた為、誘導してベッドに戻って頂いた。失禁なし。その後は朝6時まで良眠された。
書き方の基本的な構成要素を押さえて不適切な表現は避けて看護記録を書こう!
看護記録は、馴れるまではなかなか作成が難しい特殊な記録です。ただし、基本的な構成要素をしっかりと覚えておき、客観的に作る事で正しい書き方が身に付きます。略語やプライバシーに触れたり悪口にあたる不適切な表現は書かないという注意点も忘れてはいけないポイントです。看護記録をこれから書くという方は、基本的な知識と書き方を守りながら作成してみて下さい。