働いていたら一度は経験するかもしれない退職や部署移動や役職の変更。代わりに入ってくる後継者へ少しでも業務が円滑に行えるよう、必ず作るのが業務引継書です。残された方にもわかりやすい業務引継書を作成したいですね。業務引継書の作り方を解説します。エクセルやワ―ド様式のテンプレートも用意しています。
業務引継書とは
業務引継書とは、会社の部署移動や役職の変更や退職の際に後継者へ今まで自分がしていた業務を細かく書き込んだマニュアルのようなものです。業務引継書を渡して、後継者や関係者の人々が少しでも安心出来るように、事細かく業務内容を書き込んでわかりやすい作り方に努めて下さい。
業務引き継ぎ書が無ければどうなってしまうのか…?
業務引継書が無ければ、残った関係者たちが後継者に業務を教える事になります。しかし、今まで担当していた人にしか分からないような業務がもしあれば「誰も知らないから出来ない。」と社内はバタバタしてトラブルが次から次へと発生してしまうリスクが格段に大きくなってしまうのです。
- タイムロス
- 人件費の無駄遣い
- 作業ミス
- システム障害
- クレーム対応
それぞれ自分の仕事がある中、後継者の為に時間を割いて自分の仕事は手が付かない事になってしまうというように、残った人たちにかなり迷惑が掛かってしまいます。後継者にも不安を与えてしまう結果となってしまいます。周りに迷惑をかけない為にも、移動や退職が決まったらすぐに業務引継書を作成し始めるべきです。
わかりやすい業務引継書の作り方
わかりやすい業務引継書の作り方を詳しく説明します。
業務引継書の必須項目
業務引継書の作り方を身に付けるにあたって、必須項目は確実に押さえておいて下さい。
年間→月間→週間とスケジュールを分けて作成
年間や月間や週間で決まった業務があるなら、作成しておいて下さい。経理の仕事を例に挙げてスケジュールを簡単に作りました。参考にして下さい。
- 4月…決算業務
- 5月…確定申告や納付
- 7月…賞与支払い
- 12月…賞与支払い
- 15日…給与締め日
- 20日…○○株式会社 支払日
- 25日…○○株式会社 入金日
- 1日…各社明細書送付日
- 月…ドキュメント整理
- 金…1週間の業務漏れが無いかチェック
- 郵便物チェックや仕分け
- お金の動きをチェック
- 本日の業務内容チェック
関係者の紹介
社内の関係者は、誰が何を担当しているかや誰にドキュメント提出するかを詳しく書き込んで下さい。
作業の仕方がわからないとなった時に誰に相談をするといいかも書き込んでおけば、後継者はかなり助かります。
社外のケースでも同様に関係している人の名前や役職、ドキュメントの送付があるなら誰に送付すべきかを詳しく書き込むようにして下さい。
ひとつひとつの業務手順を細かく
わかりやすいドキュメント作成に欠かせないのはシンプルさだけでなく具体性も同様です。例えば以下のようなポイントを出来るだけ細かく、分かりやすく書き込んで下さい。
- ドキュメントの作成方法
- どのような時に何のドキュメントが必要か
- 営業内容
保管場所の説明
ドキュメントや備品の保管場所を詳しく書き込んで下さい。また、PCを使う仕事なら、保管や保存についてわかりやすい説明が不可欠です。
- どのファイルに何が入っているか
- このファイルはどこに保存すべきか
- どんなファイル様式で保存すべきか
- ファイル名を統一
必須ではないが、あれば嬉しい項目
必要最低限の項目を押さえるだけでもある程度わかりやすい業務引継書の作り方が身に付きます。しかし、さらにもっとわかりやすい業務引継書に仕上げる為に項目を増やす工夫も出来ます。
自分の過去の失敗
過去に失敗した経験や失敗しがちなポイントを書き込んで、後継者へアドバイスをしてあげるとトラブルが起きたシチュエーションでも早期解決出来ます。
- 「過去にこんな失敗をしているからこうした方が、失敗が少なくていい」
- 「もしこんな失敗をしたら、このように対処すると良い」
作業にかかる時間
作業にかかる大体の時間を書き込んでおけば、仕事の目途も付くので助かります。
- 大体1時間がかかる
- 1時間以内に出来るようになればOK
- ドキュメントの提出期限は毎月〇日まで
過去のトラブル
過去に実際に発生したトラブルについて具体的に記述してあると、同じトラブルを回避しようと後継者が意識するきっかけになります。後継者が把握しないといけないトラブルがあるなら、詳細を細かく伝えておいて下さい。
営業の例
過去にお客様とこんなトラブルがあった。
デスクワークの例
USBのロックを解除しないで抜いたら、データが壊れてしまった。
わかりやすい業務引継書の作り方におけるポイント
わかりやすい業務引継書の作り方を身に付けるにあたって、押さえておけば安心なポイントを説明します。
手書きよりPCが作りやすい
業務引継書はどうしても長いボリュームのあるドキュメントになってしまいます。表や色を使ってわかりやすいドキュメントにしないといけない為、手書きだと膨大な時間がかかってしまい非常に大変です。
PCでテンプレートをダウンロードするとサクサク簡単な作り方で仕上げられます♪
作成前に適当な流れを描いておく
作成前に、業務の流れを別紙にメモしておく事で、後に文章が作りやすくなります。
わかりやすい業務引継書の作り方における注意点
わかりやすい業務引継書の作り方を身に付けるにあたって、押さえておけば安心な注意点を説明します。
漏れが無いかをチェック
業務内容に漏れが無いか、一通り作成が終わったらチェックして下さい。チェックを行う際は、作成した業務引継書を実際に見ながらお仕事を進めてみると漏れが見つかりやすいです。
自分自身が引き継ぎを受ける立場に立って第三者目線で客観的にチェックする姿勢が、業務引継書を格段にわかりやすいドキュメントに仕上げます♪
間違いが無いかをチェック
上記同様、作成した業務引継書を実際に見ながらお仕事を進めてみて、間違いが無いかをチェックして下さい。
書き込み漏れや間違いがあると、トラブルの元となってしまいます。時間いっぱい入念にチェックして下さい。
適当な作成や説明はNG
業務引継書を見るだけで一通りの業務が出来るよう、誰が見てもわかりやすい丁寧かつ明確に作成しなければいけません。少しでも書き込み内容に穴があると、後継者だけではなく、取引先の会社や社内の人々にも迷惑をかけてしまいます。そのような事にならない為にも、適当な作成や説明は絶対にしてはいけません。
最低1~2週間、一緒に仕事が出来れば尚良し!
後継者と一緒にお仕事が出来る時間があるなら、以下の引き継ぎ方法が効果的です。
- 前半は教えながら一緒にお仕事を進める
- 後半には実際に引継書を見ながらお仕事をしてもらう
こんな工夫や流れで、業務の引継ぎがよりスムーズになります。
テンプレートの無料ダウンロードで作り方の負担軽減に!
業務引継書は、作成に手間がかかる業務です。後継者の事も考えながらわかりやすい詳しい作り方を意識しなければならない為、時間も沢山かかる作業です。
無料でダウンロードが出来るテンプレートを使えば作成時間を短縮出来ます。引き継ぎが必要な時期は大抵繁忙期なので、時間短縮や効率化の為にも導入してみて下さい。
業務引継書の作り方は「わかりやすい」を意識して!
わかりやすい業務引継書の作り方でシンプルに一番重要になるポイントは「客観性や第三者目線」です。あなたが作った業務引継書が誰にとってもわかりやすいドキュメントであれば、今後社内でマニュアルとしても活用してもれらえるかもしれません。
そして、わかりやすい客観的なドキュメントの作り方を身に付けておけば、今後の業務にも大いに役立って自分の成長にも繋がります。