手紙を出す機会があまりない現代では、巻紙とは何か知っている方も少ないかと思います。特に巻紙は手紙とは違い個人的な目的で使用されることは無いので、使い方や書き方を知らないという方は多いでしょう。巻紙について解説します。答辞や送辞の際に生かして下さい。
巻紙とは?
半切り紙を横に長くつなぎ巻いたものを言います。毛質で手紙を書くような、正式な手紙を場合によく使用されます。最近では、つなぎ目のない1枚の長い用紙を巻いたものや書きやすい繊維で作られているものもあります。さらに、折りたたみタイプのものも販売されています。
巻紙が使われるシーン
- 祝辞
- 弔辞
- 謝辞
一般的には上記3つのような改まった式で使用されることがほとんどです。例えば、子供の卒業式に送辞や答辞を読むことになった場合や親族などの身近な方が亡くなった場合の弔辞を頼まれたなど、意外と巻紙を使う環境は身近にあります。また、これらの正式文章は多くの場合長期保存されることになるので、正しい書き方で書けるよう書き方やマナーについて知っておくようにしましょう。
巻紙の大きさ
大きさは種類によっては1cm前後の違いはあるのですが、一般的には天地約19cm、横の長さ3~5mが一般的です。
また、短文用に適している巻紙は1mもないものもありますよ。文章の長さによって継ぎ足しができる点では巻紙は便利だといえます。反対に用紙が長過ぎる場合は切り取る事も可能です。
巻紙の一般的な書き方や使い方のマナー
書く前に知っておきたいマナーをチェックしていきましょう。
【書き方や使い方のマナー①】巻紙の余白
基本的なマナーは、書き出しには10cm書き終わりには8cm程度の余白を作る事がマナーとして言われています。10cmと8cmきちんと守る必要はなく、大体手の平分くらいの余白でOKです。
【書き方や使い方のマナー②】天は揃えて書く
巻紙の天は揃えて書くというマナーがあります。
【書き方や使い方のマナー③】1行の文字数のマナー
巻紙の場合、1行の文字数を15文字前後にするのがマナーとされています。文字には個性や癖があり、文字の大きさにもばらつきがあるので、文字の大きさが大きい方の場合は調節しなければこの文字数で書くことが難しくなります。なので、書き始めから1行が15文字前後に収まるように調節しながら書いていくようにしましょう。
【書き方や使い方のマナー④】差出人と日付
本文が書き終わると、最後に差出人と日付を記入します。
巻紙を書く際の道具
巻紙は和紙でできています。マジックやボールペンなどで書くのは適切ではありません。基本的には「筆」を使用して下さい。一番いいのは、きちんと墨を磨って書くことですが、現代では手軽に使える「筆ペン」があります。
巻紙を初めて使う人には「折りたたみ式」がおすすめ
折りたたみ式には、予め罫線が入っているものや罫線が入った下敷きと一緒に販売されているものもあります。罫線が入っているだけでも、書きやすさは断然折りたたみ式のほうが書きやすいです。通常の巻紙は罫線などが入っていないので初心者には使いにくいかもしれません。
巻紙の印刷
巻紙が使われるシーンでは、長期的保管される事もあり文字に自信がない方や、単純に手書きが疲れる・手書きは嫌だという方は、PC文字に頼りたくなる方もいらっしゃるかと思います。もちろん手書きに越したことはありませんが、PC文字でも問題はないとされています。ただし、折りたたみ式の印刷は容易ではないようです。
折りたたみ式は通常の印刷サイズとは異なりますので、Wordで作成する際には以下の設定をする必要があります。
- ページレイアウト→印刷の向き→横
- 文字の方向→縦書き
- サイズ→A4
- フォント→「AR楷書体M」
- スタイル→標準
- 文字サイズ→16
まずはこの設定を完了させてから本文を作るようにして下さい。本文が出来上がれば、一度折りたたみ式ではなくA4用紙に試し印刷をしてみましょう。Aサイズと折りたたみ式は、横サイズは同じですが縦が異なります。そのため、折りたたみ式をそのまま使用すると空白が多くなってしまうのでA縦のサイズに切って印刷するようにして下さい。
そして、実際に折りたたみ式に印刷をする際には、必ず折り目をキレイに開いた状態で印刷するようにして、乾いてから折りたたむようにして下さい。色々試したがうまくいかない場合もあります。そんなときは料金を支払うと代わりに書いてくれる「筆耕」にお願いしてみるのもいいでしょう。
巻紙に書く前に下書きをしておく
間違えたからといって、修正テープなどの使用はNGです。間違えても大丈夫なように、薄く鉛筆などで下書きをするか、一度別の用紙に書いてから巻紙に写すようにすることをおすすめします。このときに、全体的におかしなところはないか、誤字脱字のチェックなどもしておくといいですよ!
答辞や送辞で使う巻紙の使い方や書き方を身に着けておこう!
巻紙は日常生活では使うことの無い用紙ですが、子供の卒業式の送辞や答辞、親しい方が亡くなった際に弔辞を読むことになったなど、意外と身近にあるものです。滅多に書くことはありませんがお願いされた時に、スムーズに書き始められるように巻紙の書き方やマナーなどの知識はしっかりと得ておきましょう。