ビジネスシーンでは様々な難しい言葉が存在しています。ビジネスマンになると、ビジネスマナーの他にも正しい言葉遣いも学ばなければいけません。その中でもよく聞く【ご丁重】という言葉ですが、正しい使い方を知らないという方もいらっしゃるかと思います。【ご丁重】とはどういう意味なのか、読み方や使い方を例文を交えて紹介します。類義語も使えるので読み進めて下さい。
ご丁重の意味とは?
意味は以下の意味があります。
- 礼儀正しく手厚い
- 注意が行き届いている
【丁重に扱ってくださいね】という言葉は良く耳にしますよね?これは【大切な物なので注意して丁寧に扱ってください】という意味が含まれています。さらに、【ご】を付けて【ご丁重】とすればと相手への敬意が込められた更に礼儀正しい言葉遣いとなります。
丁重の読み方について
丁重=【ていちょう】と読みます。【ていじゅう】【ちょうじゅう】と読む方もいらっしゃるのですが、間違いなので気をつけて下さい。同じ読み方で【鄭重】とありますが【鄭】は常用漢字ではありませんので日常的に使う場合は適切ではありません。基本的には丁重とします。
【ご丁重】と【ご丁寧】のちがいとは?
【ご丁重】と似ている【ご丁寧】は同じ意味に思えますが少し違います。相手に対しての礼儀の正しさや配慮を表す【丁重】とは違い丁寧とは【自分】の行いが礼儀正しく配慮があるという事を表す言葉です。
例えば自分が相手に行う行動に対して【丁寧に説明します】【丁寧におこないます】といいますが、丁重の場合は【丁重に説明していただき有難う御座います・丁重に説明してください】【丁重におこなっていただき有難う御座います・丁重におこなってください】etcと相手の言動に対して述べたり表したりします。
丁重・丁寧の使い分けについて
お断りの場合
- ◎:丁重にお断りをする
- ×:丁寧にお断りする
お断りをする=相手に対してお断りを入れるという事ですので【丁重】が正しい使い方です。
〇〇を行う場合
- ◎:字を丁寧に書く
- ×:字を丁重に書く
何かを行うetc、行動に対しては【丁寧】が正しい使い方です。丁重・丁寧どちらでも使用できる場合は主に相手の行動を指す場合です。例えば【丁寧にあいさつをする】【丁重にあいさつをする】etc…。また【ご】を付けて【ご丁重】【ご丁寧】etcに変えると更に丁寧な言い回しになります。
【ご丁重】の使い方
【ご丁重】は立場は関係なく使用できますので、ビジネスシーンでも重宝する言葉です。そして、ご丁重の後に続く言葉は【なる】【に】etc、言葉がある程度決まっております。例えば【ご丁重なるお手紙有難う御座います】【ご丁重に御礼をしてください】etcが一般的な言い回しと言われています。
【ご丁重】の類義語
- 慇懃(いんぎん)
- 恭しい(うやうやしい)
- 大切(たいせつ)
ご丁重の類義語としては上記の3つが挙げられています。
慇懃(いんぎん)
丁寧で礼儀正しい様子の事を言います。【あの方は慇懃な物腰で交換が持てますね】というような使い方が出来ます。丁重と意味は似ているのですが、相手に直接使う事は稀です。
恭しい(うやうやしい)
慇懃と同様丁寧で礼儀正しい様子の事を言います。【恭しい挨拶】とへりくだり丁寧に振る舞っている様子の事を表します。現代では使用される事がごく少ない言葉です。
大切(たいせつ)
プライベートでも良く使う言葉である【大切】は本来丁重と似ている意味を持ちます。ですが現代では人・物etcを粗末に扱わない様子に使用されている事が多いので、ご丁重と同じ意味で使用される事はあまりないようです。
その他
- 謹厚(きんこう)・・・温厚・つつしみ深い・まじめetc主に性格を言う時
- 慎重(しんちょう)・・・注意深く・軽はずみな態度を取らないetc、人の態度や言動に対して
- 折目高(おりめだか)・・・堅苦しくきちんとしている・礼儀作法を重んじているetc、礼儀正しい事に対して
シーンによって使い分けてください!
【ご丁重】を使った例文
まずはしていただいた事への御礼の言葉で使える例文をご紹介します。
- この度はご丁重なお祝いのお品をいただきまして誠に有難う御座います
- 先日は丁重なるご挨拶をいただき大変感謝いたしております
- この度はご丁重なるお手紙をいただき誠に有難う御座いました
- いつもご丁重に有難う御座います
- ご丁重なお励ましの言葉を賜り社員一同大変感謝いたしております
- 丁重なおもてなしに感謝いたします
- 先日はご丁重なお見舞いをいただきまして、誠に有難う御座いました
次に、相手にお願いを伝える際の例文は以下のとおりです。
- この商品は丁重に運ぶようにしてください
- 気持ちは嬉しいのですが、わたしには〇〇であるため丁重にお断りをしておいてください
- この件は丁重に検討してください
万が一〇〇様に商品についてのクレームを受けた場合、お詫びの言葉を伝えるとともに、早急に対処して下さい。
- 角が立たないよう丁重にお断りしてください
【ご丁重】の意味を知って類義語も含めて使い方をマスターしよう!
- 丁重は相手に関わる事を表し、丁寧は自分の行いに関わる事を表す
- 【ご】を付けると更に丁寧な言い回しになる
- 目上・目下関係なく誰に対しても使用できる言葉
なんとなく意味はわかるけど、使い方については詳しく知らない言葉はたくさんあるかと思います。【丁重】という言葉もその中の一つで、ビジネスマン歴が長い方でも、使い方が間違っている方も実際にいらっしゃいます。正しい使い方をマスターしてビジネスシーンで使いこなす事ができれば、相手からの信頼関係もより深まりますので、しっかりと使い方を理解しておくと良いです。