新たな1年の始まりに初めて手紙を送付する際には、今年1年もよろしくお願いしますという意味を込めた手紙を送付するという方も多いかもしれません。そんな1年の中で送付する手紙の中でも大切な手紙には、時候の挨拶を入れて新年を感じさせられるような内容にしてみてはいかがですか?
1月の中でも下旬に手紙を送付する時、1月下旬の時候の挨拶を入れると印象UPです。1月下旬の時候の挨拶について、例文やポイントをご紹介します。
1月下旬の時候の挨拶とは?
1月下旬に送付する手紙に時候の挨拶を入れる時は、1月下旬の季節感に合ったものをチョイスしなければいけないです。
1月下旬の季節感とは?
1月下旬と聞くと、皆さまはどのような季節を感じられますか?厳しい寒さが続く中、風邪をひいてしまうなどの体調を崩される方もいらっしゃるかもしれません。反対に、暖かい地域にお住まいの方は寒さに耐えられないほどの極寒とまでは行かずとも、肌寒い気温が続いている事もあります。
1月の季語には、下記のような言い回しがあります。
1月の季語の例
動物
- さぎ
- 白鳥
- 鶴(つる)
- 鶯(うぐいす)
植物
- 春の七草
- せり
- なずな
- すずな
- すずしろ
- ごきょう
- はこべら
- ほとけのざ
- 松竹梅
- 福寿草
- 水仙
その他
- お年玉
- 初詣
- 書き初め
- 羽子板
- 成人式
- 雪だるま
- 雪合戦
- 富士山
1月の冬の寒さや雪の情景、そして新年の新たな引き締まる思いや希望を連想させる季語ですね。
時候の挨拶の知識とマナーとは?
時候の挨拶には最低限知っておきたい基本的な知識とマナーがあります。
「○○の候」「○○のみぎり」「○○の折」違いは?
下記の3つの言い回しが使われているのを見た事はありますか?
- 「○○の候」
- 「○○のみぎり」
- 「○○の折」
特に「○○の候」は見た事があるという方は多いと思います。これら3つの時候の挨拶は、それぞれ少しずつ違った意味を持っています。しかし、「この言い回しにはコレ!」といった決まりはないです。例えば「立春の候」を「立春のみぎり」に言い換えても大きな問題はないです。
しかし、それぞれの本当の意味を知っておく事で、さらに時候の挨拶を丁寧に使いこなせる事が出来るので理解を深める事がおすすめです。知的アピールにも効果的です。
「○○の候」の意味
○○の候の意味は、下記のような意味があります。
- 「待つ」
- 「様子を伺う」
その意味から「観察や変化の兆しをみる」という意味で使われるようになりました。
「○○のみぎり」の意味
○○のみぎりの意味は、○○の候の意味をもう少し柔らかく表現したものです。昔は女の人がよく使用していた言い回しと言われています。柔らかい言い回しにしたい時は、○○のみぎりを使うと良いです。
「○○の折」の意味
○○の折は、上記の○○の候や○○のみぎりとは少し違った意味を持ちます。○○の折には「○○の場合」という意味があり、文章では「近くにお越しの折には」「寒さが厳しき折」etcのような使い方をするのです。
漢語調と口語調の2種類の時候の挨拶を使い分けよう!
時候の挨拶には、2種類あります。
- 漢語調
- 口語調
それぞれ手紙を送付する相手によって使い分けなければいけないです。
- 漢語調…ビジネスシーンでは、「○○の候」や「○○のみぎり」etcの、少し堅い言い回しを!
- 口語調…親しい相手には、「○○の候」や「○○のみぎり」を使用しない、親しみのある言い回しを♪
「時下」の使い方
○○の候や○○のみぎりを使わず、「時下」と始まる時候の挨拶がありますが、「時下」は季節関係なく、年中使える言い回しです。下記のような人たちに「時下」はお勧めです。
- 時候の挨拶を考えるがめんどくさい
- 時候の挨拶が難しくてどれにしようか迷っている
- 早く手紙を完成させたい
- 時候の挨拶を考えている時間がない
頭語や結語について
皆さまが最も良く見る手紙の頭語や季語は「拝啓や敬具」ではないですか?手紙の冒頭と結びに使われる挨拶ですね。手紙に付けられる頭語や結語の中でも良く使われているのが、拝啓や敬具です。
その他にも頭語や結語はありますが、例えば「拝呈」のペアは「拝具」「謹啓」のペアは「謹白」のように、それぞれ頭語や結語にはペアが決まっています。拝啓から始まるのに、謹白で終わるのはおかしいです。頭語や結語を使用する時は、それぞれのペアを確認して使用するようにして下さい。
「前略」を使う時、時候の挨拶は不要!
「前略=前文を省略する」という意味になりますので、前略を頭語に使用する時は時候の挨拶は不要です。本文から始めるようにして下さい。
時候の挨拶のポイントや注意点
下記のようなポイントや注意点があります。手紙を作成する前に要チェックです。
- 手紙の送付先の季節感を考える
- お詫びやお見舞い手紙のケースでは時候の挨拶は使わない
全ての地域が同じ気候とは限らない
時候の挨拶はカレンダー通り、日本の地域全般に使えるとは限らないです。日本は小さい島国という言う印象がある方もいらっしゃるかもしれないですが、日本は縦に長く気候も様々な地域が存在する広い国です。例えば、皆さまが住んでいる地域が東北地方だと過程します。そして手紙の送付先が九州地方です。
手紙を送付する時期が冬なら、東北地方には多くの雪が積もります。しかし、九州地方の冬は日本の中でも暖かい地域なので、冬に雪が降る事はほとんどないです。九州地方に住んでいる方に、下記のような言い回しは、適切ではないです。
- 「激寒の候」
- 「初雪の便りが届くころとなりましたが」
時候の挨拶を考える際は、まず手紙を送付する地域の気候を調べておく事も大切です。
お詫びやお見舞いの手紙のケース
お詫びやお見舞いの手紙を送付する時、下記のような気持ちを伝える事がメインとなります。
- 「申し訳ない気持ち」
- 「心配している気持ち」
このケースでは、時候の挨拶は入れずにすぐに本題に入るようにして下さい。真っ先に相手を心配しているや謝罪をしたいという気持ちを書き出す事で強い思いを伝えて誠意を手紙に書き記して下さい。
【例文】1月下旬の時候の挨拶
1月下旬の時候の挨拶を漢語調や口語調に分けてご紹介します。
1月下旬の時候の挨拶【漢語調編】
1月下旬には、「大寒」の時候の挨拶を使います。
(1月20日ごろ~2月3日ごろまで)
- 酷寒(こっかん)
- 大寒(だいかん)
- 降雪(こうせつ)
- 酷寒の候 貴社には益々ご隆昌の段 拝察いたします
常々身に余るご愛顧を賜り 厚くお礼申し上げます - 大寒の候 ○○様におかれましては ますますご活躍の事と お喜び申し上げます
- 降雪の候 貴社におかれましては ますますご清祥の事とお喜び申し上げます
日ごろは格別のお引き立てにあずかり 心より御礼申し上げます
1月下旬の時候の挨拶【口語調編】
- 大寒を迎え 寒さが厳しさをましておりますが ご清祥にお暮しでしょうか
- 雪の中 健気に咲いている福寿草の花を見つけ 嬉しくなりました
○○様は いかがお過ごしでしょうか - 雪晴の空がすがすがしく感じられる時節となりました 皆さまはいかがお過ごしでしょうか
- 寒気厳しき折から 大過なくお過ごしでしょうか
1月下旬の時候の挨拶をビジネスやお付き合い全般に役立てよう!
季節を感じさせられるようなお手紙には、時候の挨拶が欠かせないです。一番大切な事は相手の身になって手紙を書くことです。例えば、「送付先の気候に合った時候の挨拶を考える」、「お詫びやお見舞いのケースでは時候の挨拶は省略する」etcです。
せっかく季節を感じられる良い時候の挨拶が出来上がっても、手紙を送付する先の気候と挨拶の内容が違っていると意味がないので必ず気候に合った挨拶を考えるように心がけて下さい。更に、頑張って1月下旬にマッチする時候の挨拶を選んで手紙に書いてもそれが謝罪やお見舞いの手紙であれば返って印象を悪くしてしまいます。
ビジネスやお付き合いのシーンで手紙に書く際は、時候の挨拶がどのようなものかを理解した上でマナーを守った丁寧で礼儀正しい使いこなしを心がけて下さい。