俗に言う「てんてんてん」の正式名称「三点リーダー」は、文章の最後に使う事が出来る便利な記号です。「まさかこんな事態になるなんて…。」「こんな結果になるなんて…。」など、つけると感情を伝えやすくなるのでよく使う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、三点リーダーには適切な書き方があります。三点リーダー症候群になって多用すると不快な思いをさせてしまう可能性もありますので、どんな意味があるかを理解した上で適切な書き方を覚えて使うようにして下さい。三点リーダーとは何か、文章でのルールや使う際の注意点を紹介します。
三点リーダー(…)とはどんな意味?
三点リーダーとは、文頭や文末につけると余韻を表現出来たり、沈黙を表したりする時に使える記号です。はっきりと言い切る事が出来ない時にも使う事が出来る記号です。本来は「…」を✖️2にして「……」と使うのが適切な書き方なのですが「…」でも間違いではありません。
しかし、最近の出版物では「……」と統一されているようなのでこちらが適切なと覚えておく方がいいです。また、三点リーダーに似ているに点リーダー(‥)がありますが、一般的に文章で二点リーダーを使う事はありません。
三点リーダーの6つの書き方
三点リーダーには主に6つの書き方があります。それぞれ詳しく解説していきますね。
【書き方①】余韻の表現
冒頭でも少し触れましたが、三点リーダーは余韻を表現したい時に使う事が出来ます。
「大丈夫だよ。」
「大丈夫だよ‥」
上記の文章を読んだ時に後者の方には1〜2秒の余韻があるように感じますよね。三点リーダーは、実際に発生している時間経過がまるで文章の中にも発生しているかのように感じさせる事が出来る為、文章をよりリアルに伝える事が出来るのです。小説などでもよく使われているのは、言葉では表現しにくい雰囲気を表す為のテクニックなのです。
【書き方②】沈黙の表現
沈黙を表現したい時にも使う事が出来ます。
Aさん「今日は楽しかったね」
Bさん「そうだね、またいきたいね」
Aさん「そうだね」
二人「‥…」
このような沈黙を表現するような場面を作りたい時(気まづい雰囲気)に使えます。
【書き方③】省略したいときの表現
三点リーダーは省略させる為に使う事も出来ます。
「そういえばさ‥‥」私が話を続けようとした時、佐藤さんが手を叩いた。
本を読む人はこのパターンをよく目にしているかもしれませんが「この話はそれほど重要じゃ無いな」「重要な影響を与える話じゃないな」というような文章があった時に使う事が出来ます。
【書き方④】申し訳ない気持ちを表現
申し訳ない気持ちを表現する時に使う事も出来ます。
上司:時間通り来れるのか?
自分:電車が遅延しているみたいで遅刻します。
上司:時間通り来れるのか?
自分:電車が遅延しているみたいで遅刻します……
上記のように後者の方が申し訳ない感情が伝わります。実際にビジネスシーンで使う事も出来ますが、書き方には注意です。例えば「その件は以前連絡した通りですが‥‥」と使うと、どこか嫌味に聞こえます。使う時は前後の言葉にも気をつけて、さらに相手の関係性をみて使い分けるようにして下さい。
【書き方⑤】記号として使う
たとえば、料理の材料でよく使われるのが
- 醤油……大さじ1
- みりん……大さじ1
- お酒……大さじ1
という書き方です。上記のような記号として使う事も出来ます。
【書き方⑥】算数で使う
算数の割り算で「あまり」を表現する時にも使われます。例えば「10÷3=3…1」と、割り切れない時は、三点リーダーをつかってあまりを表現んします。この時の注意点が、文章では「…」×2で使うのが正しかったのですが、算数になると2つ並びで使いません。数学の場合は「…」の1つで使うのが適切なので覚えておいて下さい。
三点リーダーの注意点「三点リーダー症候群」
三点リーダー症候群とは、三点リーダーをつけがちになってしまう状態の事を言います。「私はこうだと思いますが…」と断定を避けて表現をぼかす事によって、責任逃れや、最終的な決定を相手に委ねるなどの効果があるそうです。
三点リーダーにつける句読点
三点リーダーに「……。」と句点をつける場合があります。これに関しては、適切なルールはありません。どちらも正解と言う事で、好きな方で表現するといいですよ。ですが、より余韻を深く残したいのであれば句点は付けづに表現する方がおすすめです。
次に読点ですが、例えば「そんな…、私の方こそありがとう。」のように、三点リーダーの後に読点をつけるか付けないかですが、こちらもどちらでもOKです。どちらもまちがいではありません。
三点リーダーの多用はNG
三点リーダーは曖昧な表現をする時に使うので、多用はNGです。とくにビジネスシーンで曖昧な表現をすると、信頼問題にも関わりますので極力使わないようにして下さい。またWebライティングでは、正確性や具体性を重視した文章が必要なので、そもそも三点リーダーを使わないほうがいいと言われています。このように、時と場合によって使えない事があるので覚えておいて下さい。
三点リーダー症候群にならない程度に適度な書き方で文章を構成していこう!
三点リーダーは一般的に「…」を×2にして「……」といった書き方をします。一般的には「余韻を表現したい時」や「沈黙を表現したい時」などに使われますが、ビジネスシーンでは申し訳ない気持ちを表現したい時に使ったり、算数の「あまり」の表記として使う事もあります。このように、三点リーダーには適切な意味や書き方がある事を覚えておいて下さい。
あまりにも使いすぎる三点リーダー症候群になってしまうと自身がないと判断されたり間違った意味で解釈されてしまうリスクもあるので適度な使用頻度で文章を書くのが無難です。