満中陰志に挨拶状を作らなければいけない。そんな人も多いです。こういったシチュエーションの挨拶状を作る機会は少なく、どのような挨拶状にすればよいか悩んでしまうものです。満中陰志における挨拶状の自作方法、書き方を例文と共に簡単に解説します。薄墨ではなく濃墨で手書きが良いというような細かい部分にも触れます。
満中陰志について
そもそも満中陰志とはどういった意味の言い回しなのかについて簡単にチェック考えていきます。
満中陰志とは?
全国的にスタンダードに使われている言い回しではありません。「四十九日の香典返し」を意味していて、主に関西地方で使用されています。
満中陰志の挨拶状の留意点
挨拶状を作る際、内容や書き方に留意すべきポイントがあります。
- 句読点を避ける
- 繰り返しの言い回しは避ける
- 時候の挨拶は避ける
- 出来るだけ濃墨で
- 忌み言葉を避ける
それぞれ簡単に解説していきます。
句読点を避ける
句読点は文章を止めるといった意味を持つ事から、満中陰志が滞りなく行われた事を示す挨拶状で使うのはマナー違反とされています。そもそも句読点が使えない理由は諸説あるようですが、どんな理由があるにせよ使用は避けるのが無難です。
繰り返しの言い回しは避ける
挨拶状を作る際、「益々」や「たびたび」というような繰り返しの言い回しは使用しない事がマナーとされています。
時候の挨拶は避ける
スタンダードな挨拶状を作るのであれば、以下のように、「時候の挨拶」から書き出します。
- 弥生
- 如月
- 夕涼み
- 夏の月
しかし、満中陰志は四十九日の後に出されるものです。その為、時候の挨拶を避けて作るのがマナーとされています。「拝啓」のような、頭語から書き出して、時候には触れないような内容でまとめるように心がけて下さい。
出来るだけ濃墨で作る
中陰の時は薄墨で文章が作ります。一方、満中陰志のような忌明けの挨拶状は濃墨でしっかりと書く事が肝心です。
忌み言葉を避ける
挨拶状で最も留意したいのが、「逝去」「死去」といった言い回しです。これらは忌み言葉といわれており、忌明けの挨拶状に使用される事はマナー違反とされています。話の流れで違和感がなかったとしても、挨拶状では避けるように心がけて下さい。
満中陰志の挨拶状の例文
謹啓
御尊家御一同様には 益々ご清祥の事とお喜び申し上げます
先般 亡● ●● 儀死去に際しましてはご繁忙中にもかかわらずご懇篤なるご弔慰をたまわり
ご芳情の程ま事に有難く厚く御礼申し上げます
お蔭をもちまして 本日満中陰の法要を滞りなく相済ませました
つきましては 供養のしるしとして心ばかりの品をお届けいたしましたので
お納め頂けると幸いです
略儀ながら書中をもってご挨拶申しあげます
敬具
令和●年●月●●日 ●
住所 ●●
氏名
満中陰志の作る際、前述したポイントを意識するだけでなく、下記の手順を追って作る事が求められます。
- 頭語
- お礼
- 四十九日の法要が滞りなく済んだ事
- 略儀で済ませる事へのお詫び
- 結語
- 法要日や差出人の挨拶
満中陰志の挨拶状は決まりが多く、なかなか作るのが難しい文書であり、簡単とは言い難いです。しかし、基本的な部分を押さえる事でどなたでも作れます。コツさえつかんでしまえば簡単です。手順に忠実に挨拶状を作って下さい。
満中陰志は奉書で送る
最後に満中陰志のお礼状や挨拶状は、奉書紙で送る事がマナーとされています。一重の封筒に入れて送る事がスタンダードといわれています。近年、ややカジュアルなハガキやハガキ代わりのカードに自作で印刷するケースも多くなってきています。
親しい知人であればよいですが、目上の方や会社関係者に提出する場合は奉書で正しく挨拶状を送るのが社会人としてのマナーです。
満中陰志の挨拶状はマナーさえ掴めば簡単に書ける!
満中陰志の挨拶状を作る際、いくつか守るべきマナーが存在します。コツさえつかんでしまえば、書き方も簡単でサクサク進められます。先述の例文も参考にして、薄墨ではなく濃墨で丁寧に満中陰志の挨拶状を書き上げて下さい。